あらすじ
日本社会はいま歴史上戦国期いらいの大変動を経つつあるという.では,近代日本の出発点に位置づけられる戦国期とはどんな時代であったのか.民衆の台頭,国民国家の形成,民衆自身による強固な共同体としての村や町の成立,呪術的社会から合理的観念が支配する社会への移行など,転換期としての戦国社会の諸相を描き出す.
※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
分かりやすい!そして面白い!
きちんとした論文なのだが、まるでエッセイを読んでいるようだった。
内容は、戦国時代の権力構造や、身分制度、経済機構など多面的に時代を捉えることに挑戦した本。
特に目を見張ったのが、北条早雲についての話。
戦国時代の幕開けは、早雲が足利茶々丸を襲ったのを契機として始まったという。
徒手空拳で天下にその名を轟かせたというこの事件、実は室町幕府の権力争いの中のひとつの事象でしかないという話。
現在でも、小さな国で起こるクーデターなど政変は、大国同士のパワーバランスによって引き起こされることがある。
早雲も上のレイヤーで起こる政治的パワーゲームに利用されつつ、絶え間ないパワーゲームの中をすり抜けて関東に確固たる地位を気づいたのだと、改めて認識しました。
戦国時代に興味のある方には、かなりオススメです。