あらすじ
織田信長に仕えて調略の才を発揮した古田織部は、のち羽柴秀吉に従って天下取りに貢献。他方で茶の湯を千利休に学んで高弟となる。利休死後、特異な芸術センスで桃山文化に多大な影響力を及ぼし、公武にわたる広範な人脈を築いた。だが、大坂夏の陣で豊臣方への内通を疑われ、幕府から切腹を命じられる。その死の背景に、徳川政権の盤石を期す家康の思惑はなかったか――。美の世界に革命をもたらした稀有の茶人の実像に迫る。
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Posted by ブクログ
面白かった。
古田織部について深く理解することができた。
全て実在する資料に基づいて見解や別の考察が述べられており、様々な視点から織部について考えさせられた。
もう一度読みたい。
Posted by ブクログ
信長・秀吉・家康と仕え、千利休死後の茶の湯界に重きをなした武家茶人である古田織部の実像に迫る一冊。文化人の側面だけでなく、武将としての活動内容も詳しい。茶の湯を介して築かれた広範な人脈と、それを支えた文芸への強い指向性が興味深い。
Posted by ブクログ
利休の高弟であり、事実上の後継者であり、そして、師と同じく時の最高権力に切腹に追い込まれた古田織部、その謎に満ちた人物像に迫るのに使ったツールが利休の手紙であるため、古田織部の人物像に迫ることは、同時に利休その人の人物像に迫ることでもあった。
そして、その豊富すぎる人脈が、確立されようとしている権力/序列を脅かす『と判断され』た為、権力者に切腹に追い込まれる。
利休の最期を直接知っている古田織部は、自らの最期をどの時点で予見していたのだろうか…
願わくば、今後新たな史料が発見され、古田織部と様々な陶器の成り立ちに関する側面が明らかになることを望みたい。
さすがにもうちょい織部焼きの写真とか欲しかったのでその分星一つ減。
Posted by ブクログ
古田織部を主人公にした茶道漫画「へうげもの」はよく知られていますね。
でも、改めて武人&茶人「古田織部」のことを知りたいなら、この一冊もあわせて読んでみるのがオススメです。
ご存知のように、「大阪夏の陣」で徳川陣営についていたにも関わらず、豊臣側に内通した罪で切腹しています。そのときに、古田家も解体されたことにより、家系図など詳細な文献が消失しているため、まだまだ不明確な事が多い。
それでも、古田織部が生きた時代から彼の美的感覚や茶道に関する精神を感じさせられます。