あらすじ
なぜ一鬼の頸(くび)が斬れない剣士・胡蝶しのぶは子どもたちの人気者になったのか?
『エモい古語辞典』『不道徳お母さん講座』『女の子は本当にピンクが好きなのか』の著者、注目の最新作。
『鬼滅の刃』から『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』『すずめの戸締まり』『ミッドサマー』『コンビニ人間』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』――現代のポップカルチャーを支えるキーワードは、「ケア」。
流行りの「ケア」ってちょっと難しそう……?
でも、私たち大人だって、人に優しく、思いやって生きていきたい。
「ケア」=抑圧的で退屈でつまらない 虚無と冷笑の時代を終わらせ、
「ケア」できる人=かっこいい! の時代へ。
●愛される「学級委員的」キャラクター、竈門炭治郎と胡蝶しのぶ(アニメ『鬼滅の刃』)●「経済人」予備軍として扱われる大学生、責任主体とみなされない主婦(『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』)●ヒロインは家父長制にとらわれた退屈なお母さん(映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)●家父長制の国のハロウィン 暴動からボン・ジョヴィへ(統一教会との関連が取りざたされる「家庭教育支援条例」と岸政彦『断片的なものの社会学』)●コントロールできない人生とナラティブ・セラピー(アニメ『平家物語』)●親切≠道徳 絆ではなく親切で繫がるには(映画『すずめの戸締り』)
ネットで話題の連載が待望の書籍化。
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Posted by ブクログ
最近のヒーローは、ただ強いものではなく、他者をケアする学級委員的な「いい子」だ。
家父長制を助長する今の右翼な政権与党に対し、個人主義を推し進める資本主義がアンチテーゼになるとしたら、個人をケアしつつ全体も守るネットワークを作ろうとすることは、まさにプレモダン→モダン→ポストモダンの弁証法的なあり方だと思う。極端に走るのではなく、中庸を。私も大事、あなたも大事。個人も大事にしつつ社会も守る。家族だから大事にする、友達だから優先する、と言った排他的な「愛」ではなく、包括的な「親切」が今、大切にされようとしている。本当にそんな世の中であればいいなとは思う。右翼な与党が前近代すぎてムカつくわ。