あらすじ
ノースカロライナ州の湿地で青年の遺体が見つかる。村の人々は「湿地の少女」カイアに疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられ、人々に蔑まれながらたった一人湿地で生き抜いてきたカイアは果たして犯人なのか
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Posted by ブクログ
タイトルと雰囲気で面白そうだなーと思ってたのでやっと読めて良かった〜
最初は海外小説にありがちで固有名詞が全然頭に入ってこないし、ノースカロライナ?の湿地??1950-60年代のアメリカの文化的歴史的背景も分からないので読んでても文章が頭のなかで滑ってたんですが、頭のなかに入るようになってからは一気に面白くなってきました。
A面B面で話が進む展開大好きなのでA面とB面が交わってからはもう読む手が止まらなかったです。早く読みたい。仕事してる場合ではない!!
ノースカロライナの湿地帯の美しい自然や野生動物たちの強かさなどの描写が素敵だった。
是非実写映画も観てみたいなぁ!
カイアの強さ、美しさ、成長は小公女とかの児童文学を読んでるかのよう。
そこに絡む不穏な死…
アマンダハミルトンって米国で有名な詩人なんかなって思ってたんですが、まさかのカイア自身だったとは!
最後の展開はそうだったらヤダなって思ってたのでちょっと残念だったんですけど、解説の方が
「ずっとカイアに寄り添い、彼女の幸せを願ってきた読者は、もしかしてラストで突き放されたように感じるかもしれない。彼女は自分を譲り渡すような人ではなかった。彼女を支えてきた数少ない人々にとっても、1番近くで寄り添ってきたテイトにも、カイアは本当の意味では知り得ぬ存在だったのだをそれは自然の本質でもある。どんなに深く探ろうとしても、本当の彼女は不可侵な存在なのだ。幼い頃のカイアは、誰かが孤独から自分を救い出して、人々の温もりを感じる場所に連れて行って欲しいと願っていたかもそれない。しかし彼女の幸福は、湿地と潟湖が育んだ孤独のなかにあった。私たちは「湿地の少女」を再びそこに送り出すしかないのだ」
と書かれててラストを受け入れることができました。
優しいジャンピンがいてくれてよかった…
途中カイアが可哀想すぎて辛かった
Posted by ブクログ
湿地で暮らす貧乏白人のもとに生まれ6歳で家族に見捨てられ一人で生き延びたカイア。湿地の自然と共生しそこから得た知識が彼女の生活を支え、心も支えた。孤独を知ったと感じてもまた次の孤独が彼女を襲い、よろよろしながらも立ち上がっていく。作中に出てくる詩も胸を打つ。彼女は時に自衛のため外界を遮断することがあったが、誰かと繋がりたくて手を伸ばしていたんだと知って切なくなった。
Posted by ブクログ
湿地の描写が全て目に浮かぶようで心地良い、失われてしまうとわかっても父親とふたり過ごしたところが好きだなあ。カイアが1番に自然と共にあったからこその結末、めっちゃ好き。
Posted by ブクログ
幼い一人の女の子の四半世紀と、十数年後に起こった殺人事件が交互に展開される小説。
カイアの壮絶な人生を通して、人種差別、裏切り、貧困、戦争にまつわる話なども絡んでいてなかなかに複雑。
飢えをしのぐため、あの手この手でサバイバル生活を送るカイアは本当にたくましい。
テイトとチェイスの2人の男性との恋愛模様も見所。特にテイト…テイトの気持ちも分かるけど、テイトがカイアを「住む世界が違う」とあそこで見放していなければ、彼女は罪を犯さなかったのではないかと思ってしまう。
チェイスと出会うこともなく、「殺さなければ生きていけない」という決断にも至らなかったと思う。
裁判中、優秀な弁護士の元無罪になったが、法廷ですべての手口が間接的に明かされていくことに、なんともいえぬ驚きが…。
そして、テイトはどんな思いで、カイアの告白ともいえるポエムを受け止めたのだろうか。書きながら思ったが、その心情がラストのシーンにつながるのかもしれない。
ザリガニの鳴くところへ、死ににいったのかもしれない。
湿地の美しさと、1人の少女の一生をすごい近い距離で体験した気がする。傑作。
Posted by ブクログ
「湿地は、彼女の母親になった」
この言葉で感情移入できたように思います。とても悲しい感情ですが…。
ひとりで生きていくカイアに胸を打たれながらも、並行して事件の捜査が進みますが、全く誰が犯人かはわかりません。(ジャンピンかなとか思っていました)
法廷部分はとても面白く、弁護士のトムが巧みさが光りました。
最終的には犯人はカイアだとわかるのですが、いわゆるトリックのようなものはなく、ミステリーとは言い切れない部分がありました。
しかし、この犯罪はひとりで湿地で暮らして来たカイアが、生命の法則に従って起こしたのであり、そこに善悪はないのだと締めくくられているようでした。
Posted by ブクログ
4.5かなぁ〜面白かった
分厚いからどうかと思ったけどスイスイ読めて、翻訳もとても読みやすい
しかしさぁ〜ラストのテイトの受けた衝撃よ。いや、読者はちょいちょい伏線あったよな〜って思うけどさ、テイトにしてみたら、は!?だよね
しばらく混乱だろうな…まあ胸に秘めて生きてくしかないだろうけど
ぶっちゃけところどころ挟まる詩がよくわからなくて流し読みして、詩は向いてないな〜と思ってたけど、カイアが作者だったんかい
多才だなあ。
彼女の人生の軌跡と、湿地の自然の強さ美しさがとてもよかったな
Posted by ブクログ
で、本作も面白かったですねー。
訳者の友廣氏が『この作品のジャンルを特定することは難しい。フーダニットのミステリであると同時に、ひとりの少女の成長譚とも、差別や環境問題を扱う社会は小説とも、南部の自然の風土を描いた文学ともとらえることが出来る』(P.605)と語っていましたが、確かに奥行のある作品でした。
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私は生物学系の本としてとらえました。
湖沼のほとりに打ち捨てられた少女・カイヤですが、実地と図書から学んだ知識は教授顔負けというところでしょう。そこでの観察を人間社会や人間関係へ適用しつつ考察するのを見て、私はかつて読んだコンラート・ローレンツの作品だったり、長谷川眞理子氏の作品を思い返さずにはいられませんでした。
また、男に裏切られ人を信じなくなった少女カイヤが今後どこまで閉鎖的になるのか、というところや彼女自身の心情描写にはぐっと引き付けられました。人恋しいのに、やっぱりまた騙されるかもって、他人との交わるを極度に嫌がるようになるカイヤの姿が印象的でした。
そんでもって、最後の最後、彼女の死後のほんの数ページの展開が心憎かったですねえ。ここはどちらかというとミステリーですよ。あの部分で本作は更に株を上げたなって感じました。
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ということで、2021年本屋大賞・翻訳部門一位の作品でした。
美しい風景描写、緻密な生物学への造詣、細やかな心情描写、そして最後の驚きの事実。どれも面白い納得の一位作品だったと思います。
Posted by ブクログ
海外文学、約600ページのボリューム。私にとっては結構なチャレンジ読書だったけれど、中盤過ぎたあたりから前のめりで読んだ。
カイアの成長物語であって、ミステリー要素は軸ではないのかあと思っていたら、最後の数ページで犯人が分かり呆然。しつつ、チェイスが本当にクソ野郎すぎて、「カイア、よくやった!」と思ったり思わなかったり。テイトも最後はいい感じに収まったけれど、お前もお前だからなー!?絶対に本筋からずれているけれど、この点だけはどうしても感想として残さずにはいられなかった。
本筋に戻ると、「ああ人情話的に終わるのかー」と思わせておいてからの真犯人判明の流れが凄過ぎた。
自然の営みの中での生殖と、情や欲が混ざる人間の性、そのギャップに苦しむ少女の姿が本当に痛々しい。症状が女性になる過程を動物行動学を踏まえた上で書かれているのもすごい。
差別問題や貧困。文化圏も歴史も時代も違うところに生きる私でもその空気感がヒリヒリと伝わってくる。苦しい場面も多いけれど、読んで良かったと思う。