あらすじ
【内容紹介】
夫婦関係、子育て、兄弟ガチャ、離婚、出世、学歴、お金…
現代人の“幸せ”を経済学でひも解いたら、浮かび上がってきたのは驚きの事実だった!
最新のエビデンスで“幸せの正体”を科学する!!
幸せな人と不幸な人は、何がちがうのか?
「幸せ」は人によっても感じ方が違う主観的、抽象的な概念なので、かつては哲学や倫理学、心理学の研究対象でした。しかし、近年は新たな分析手法が次々に開発されて、経済学の観点から新たな研究結果がこの30年間に次々と発表されています。
しかし、研究でわかった“幸せの正体”は、直視しがたいショッキングなものでした。
・子なし女性より子持ち女性のほうが幸福度は低い
・専業主婦より妻が管理職の夫のほうが幸福度が低い
・夫は妻より幸せになれない
・人生の「幸せのどん底」は48.3歳でやって来る
・経済成長すると子どもの幸福度は大幅に下がる
本書では、結婚や育児、きょうだい構成、出世、学歴といったライフステージごとに幸福度はどう変わるのかを、「幸福の経済学」のアプローチからデータ分析。気鋭の経済学者が、現代人の「幸せの正体」を最新エビデンスからひも解く1冊です。
【著者紹介】
[著]佐藤 一磨(さとう・かずま)
拓殖大学政経学部教授。1982年生まれ。慶応義塾大学商学部卒業、同大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(商学)。外資系経営コンサルティング会社、明海大学を経て、2016年から拓殖大学政経学部准教授に就任し、2023年から教授。専門は労働経済学・家族の経済学・幸福の経済学。既婚、一児の父。
【目次抜粋】
はじめに
序章 「幸せ」の測り方
第1章 幸せはお金で買えるのか──お金と幸せの経済学
・幸せは1000万円で頭打ち
・経済成長しても幸福度は上がらない
・経済成長すると子どもの幸福度は低下する
第2章 出世すると幸せになれるのか──仕事と幸せの経済学
・健康な人ほど昇進するがメンタルを病む
・管理職に昇進しても幸福度は上がらない
・妻が管理職だと夫の幸福度は低い
第3章 結婚したら幸せになれるのか──結婚と幸せの経済学
・独身男性の幸福度が最も低いワケ
・「妻が高学歴」だと世帯年収が低い
・自分より若い相手と結婚したほうが幸せ
第4章 「子どもがいる女性ほど幸福度が低い」のはなぜか──子育てと幸せの経済学
・子どものいる女性のほうが生活満足度が低い
・子どものいる高齢者は生活満足度が低い
・欧州でも「孫育て」でメンタルヘルスが悪化
第5章 離婚したら不幸せになるのか──離婚と幸せの経済学
・熟年離婚の男女間格差
・夫は妻より幸せになれない
・経済学でわかる「離婚しないタイプ」とは
第6章 「家族ガチャ」で人生は変わるのか――きょうだい構成と幸せの経済学
・弟がいる長女vs妹がいる長女
・なぜブラザーペナルティが生じるのか?
・弟がいる長女の年収は16%低い
第7章 なぜ日本の男性は幸福度が低いのか――男と女と幸せの経済学
・環境は改善しても幸福度が下がる“パラドックス”
・日本では男性の幸福度が低下している
・幸福度が低いのは高齢未婚&子育て期の男性
第8章 「幸せのどん底」は何歳でやって来るのか――年齢と幸せの経済学
・人生の中で幸福度が最低なのは48.3歳
・未婚の子との同居は高齢親の幸福度を下げる
・独居高齢の幸福度は、男性は低いが女性は高い
終章 経済学が導き出す「幸せの条件」とは
おわりに
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Posted by ブクログ
日本における幸せな女性の特徴は「既婚・専業主婦・子なし」
10日間の検証期間内において、毎日SNSを多く利用する人ほど幸福度が低下する傾向がある。
2006年のダニエル・カーネマンの研究では「幸福は1,000万円で頭打ち」だったが、2023年のダニエル・カーネマンらの研究では「幸福度が低いグループでは年収と幸福度の関係はある一定で頭打ち、幸福度の高いグループではお金があるほど幸福度も高い」とされている。
世帯収入の増加や夫の収入に対する保険となる妻が管理職のメリットより、妻の労働時間に伴う夫へのしわ寄せや星月役割分業意識からの乖離という妻が管理職のデメリットの方が大きいため、妻が管理職の場合、夫の幸福度は下がってしまう。
2016年の女性活躍推進法の結果、大企業では女性管理職の割合が上昇し、男性の昇進機会の制限により男性の仕事満足度は低下した。
金銭・夫婦関係・家事育児負担により、日本では子どものいる女性の方が生活全般の満足度は低くなる。よって、社会として子どもの数は増えてほしいが、その結果として女性の満足度は下がる結果へ。