【感想・ネタバレ】弟は僕のヒーローのレビュー

あらすじ

兄が綴るダウン症の弟と家族の日々、文庫化。

“ポケットに入れて持ち歩ける親友みたいな存在”の本に、わたしはずっと出会いたかった。願いが叶いました。
―― 解説 岸田奈美(作家)

僕は5歳のとき、パパとママから弟が生まれると聞かされ、大喜びした。姉と妹に囲まれた僕は、ずっと一緒に遊べる男兄弟がほしかったのだ。
しかも、どうやら弟は「特別」らしい。
僕はスーパーヒーローを思い描き、一緒に闘いごっこをすることを想像した。だけど、生まれてきた弟は僕が思っていた「特別」とは何かが違っていた。僕はだんだん「特別」の意味を知り、中学校に入ると弟の存在を友達に隠すようになった……。
2024年1月、映画全国公開。19歳の青年がダウン症候群の弟、家族や友人との愛おしい日々と葛藤を等身大の文章で綴ったイタリア発ベストセラー、待望の文庫化。解説は岸田奈美さん、装画はヨシタケシンスケさん!

※この作品は単行本版『弟は僕のヒーロー』として配信されていた作品の文庫本版です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ジョバンニの日常、一人一人に違った挨拶をしていること、ぬいぐるみとの対話、音楽が大好きで身体全体で感じ表現していること、などなど、家族の愛の中で様々な葛藤の末、愛おしくなっていく様子が丁寧に描かれていてとてもすてきだった。
心に染みる言葉がたくさん。
困ったことを言う奴に対して、アイロニーでかわすという方法は理想的。その手法を身に付けたい。

0
2024年02月25日

Posted by ブクログ

ダウン症の弟ジョバンニと撮ったYouTubeビデオ「The simple interview」が大ヒットし、本になってベストセラーになり、映画化までされた話題作。ジョバンニを家族の一員として迎え入れ、足りない部分は補い、良い部分は共に楽しむマッツァリオール家の姿が思春期の少年の目を通して描かれる。もちろん思春期の子供のことである、ダウン症の弟を恥だと思ってその存在を友達から隠そうとした時代もあった。しかし、それを乗り越えて、ジョバンニは再び自慢の弟になるのであった。カバー装丁をヨシタケシンスケに頼んだ編集者のセンスも素晴らしい。

0
2025年03月22日

Posted by ブクログ

友人からオススメされたショートムービー「ザ・シンプルインタビュー」を見て心を掴まれた!スーツに蝶ネクタイ姿で就職活動するジョヴァンニ。アタッシュケースを開けたらぬいぐるみが出てきて笑い、家でうたた寝しているお母さんに毛布を掛けてあげる優しさに涙。ジョヴァンニはダウン症だ。ジャコモは、待望の弟が思っていたのと違っていたことに戸惑い、思春期になると親友にさえ弟の存在を隠すようになる。しかし、そんな兄の思いとは関係なく、好奇心に満ちた、楽しいことでいっぱいのジョヴァンニの世界はキラキラ輝いて魅力的で、周りの人を笑顔にする。やがてありのままで良いと気付き自由になったジャコモ。「一人ひとりの内側にかけがえのない世界がある。自分の視点だけで他人を判断しないで。ありのままに素直に。シンプルな目で真実を見極めよう。」愛が溢れる本。

0
2024年06月02日

Posted by ブクログ

ジャコモはダウン症の弟ジョバンニと出会わないなんて残念だと言う。ジョバンニには周りを笑顔にする特別な力がある。ジョバンニといると毎日が違って楽しくなる。ただ、ジャコモはそう思えない時も経験していた。しかし、家族や友達の大きな愛によってジョバンニは見守られ、さらに学校などの社会的な関わりも区別されることなく過ごすことで、大切なものを見落とさなかった。
日本ではそもそもハンディキャップを持つ人と過ごす機会が少なく、ここまで明るくユーモアたっぷりに描かれる姿に驚いた。多くの人に読んで欲しい作品。映画も見たい。
ジャコモの描く草食のティラノサウルスがかわいい。ジャコモの優しさを感じる。

0
2024年05月20日

Posted by ブクログ

テレビで紹介されていた映画が面白そうだなと思っていたところ、原作本があったので読んでみました。

ジャコモと特別な弟、ジョバンニを中心に、家族や友人との生活を、飾ることなく等身大で綴られていました。ジャコモがジョバンニについて、苦悩や葛藤を抱える中で、家族や友人との関わりを通して成長する姿がとても爽やかで、優しい気持ちになれるお話でした。

共感したフレーズはたくさんあるのですが、3つ挙げるとしたら、

・兄弟を愛するということは、愛すべき誰かを選ぶことではなく、ふと気づいたら自分で選んだわけではない誰がが隣にいて、その人をそのまま愛すること
・作者は僕たち自身のはずだ。そして、僕らの物語がどんな結末を迎えるのかを決める責任は、僕自身にあるはずだ。他人にどう見られるかという恐怖は、何者かが僕の心の中にこっそり注ぎこんでいるわけではなく、僕自身がつくりだしているだけなのだ
・連中は、みんなと違うと言って僕らを笑いものにする。だったら僕らは、みんなとおなじだと言って連中を笑いものにしてやろう

映画も観たかったな〜

0
2024年03月17日

Posted by ブクログ

家族愛、友人愛が素晴らしかった。こんなに思いやりがある家族が羨ましいと思ってしまった。

ハンディキャップを持つ人の周囲は不幸ではなく、予想の斜め上に行く行動により周りを明るくすることを知り、改めてハンディキャップを持つ人への私の考え方が変わるきっかけとなる非常にいい本でした。

0
2024年02月25日

「ノンフィクション」ランキング