あらすじ
宇宙のことどこまで知ってる? 天才物理学者ホーキング博士に師事した、宇宙論研究者が、「太陽の本当の色」「星座占いを正しく行うには」などの身近な話題から、「銀河を覆うダークハロー」「巨大ブラックホールの謎」などのホットな宇宙論までを、わかりやすく面白く解説します。 ○目次より一部を紹介 宇宙の果てはどうなっているの?/宇宙はどんな形をしているの?/宇宙ができる前には何があったの?/宇宙はどのように終わりをむかえるの?/太陽が1つなのは宇宙規模では非常識/太陽系「重爆撃期」と多くの謎/宇宙人がいそうな惑星は現在10個/ホーキング博士のタイムトラベラー実験/存在自体がふしぎなブラックホール/ダークマター、ダークエネルギーとは何か/なぜ宇宙は人間に都合よく調整されているのか?
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Posted by ブクログ
高水裕一
一九八〇年東京生まれ。早稲田大学理工学部物理学科卒業。早稲田大学大学院博士課程修了、理学博士。東京大学大学院理学系研究科ビッグバンセンター特任研究員、京都大学基礎物理学研究所PD学振特別研究員を経て、二〇一三年より英国ケンブリッジ大学応用数学・理論物理学科理論宇宙論センターに所属し、所長を務めるスティーヴン・ホーキング博士に師事。現在、筑波大学計算科学研究センター研究員を務める。専門は宇宙論。近年は機械学習を用いた医学物理学の研究にも取り組んでいる。著書に『知らなきゃよかった宇宙の話』(主婦の友社)、『時間は逆戻りするのか』『宇宙人と出会う前に読む本』(ともに講談社ブルーバックス)、『物理学者、SF映画にハマる』(光文社新書)。
「まず、宇宙は現在3つの形状にかぎられることが数学的に示されています。 これは、観測できる宇宙の情報が、どうも「一様等方」であるという事実に基づいています。 一様等方とは、ざっくりいうと、宇宙のどの方角をみても、ほぼ同様な構造(銀河や銀河団といったもの)が観測できるということです。もちろん詳細にみていくとみる方角によって、ムラがあり違いがあります。でももっとも簡単な宇宙モデルでは、「宇宙はほぼ一様等方である」として、仮定して話を進めます。これを「宇宙原理」といいます。宇宙原理とは、簡単に言うと、宇宙には特別な中心がないことをいっています。私たちから遠方であっても、基本的には(小さい差は無視すると)、どの方角にもほぼ同質の時空構造をとっているという近似です。観測的には、宇宙の温度がどこもほぼ 2・ 7 K(ケルビン/摂氏マイナス 270・ 5度)であるという事実と、温度のムラ(これは構造を温度的に表したものです)が 10のマイナス 5乗という、きわめて小さいもので、この平均値はほぼ場所によりません。これらの観測事実からも、宇宙原理はただの空想ではなく、観測的支持を得た確定的なものです。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「化学の授業でもおなじみの「元素」は、宇宙を理解するうえでも大切な要素です。「スイヘーリーベ……」で暗証した周期表は、宇宙で共通する元素ができあがった順番であり、宇宙の歴史そのものです。ですから、化学のテストのいやな思い出だけで嫌いにならないで、ぜひもう一度教科書の周期表を見直してもらいたいと思います。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「 また順番が、整数であるのに対して、数学的にはより基礎になるのは素数であるという考え方もあります。素数とはそれ自身と 1以外で割ることができない数のことです。 たとえば 4は 2で割れてしまうので素数ではないですが、 2は素数です。 2という素数を獲得すると、偶数の数はもはや従属的な、ある意味不要の数とみなせるのです。 詳しくは拙著『宇宙人と出会う前に読む本』をみていただきたいのですが、宇宙人が、このような素数をベースにした新しい数学を用いているほうが自然かもしれません。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「話は脱線しましたが、そんな植物界の代表的な色といえば、やはり緑色ですよね。そうこれも太陽の真の色、緑と関係しています。 一見、植物は、太陽の光の愛を一番うけたいので、緑色になっていると思われそうですが、これも逆です。植物は、緑の光を使わないので、それを反射させて捨てています。 逆に、赤や青い光を好んで吸収し、光合成で大気中の二酸化炭素を酸素に変えています。 みなさん、太陽の立場で考えてみましょう。もし太陽が先生だったら、一番手がかかる反抗的な生徒が気になると思います。それと同じで、太陽からすると、自分の一番のお気に入りの色を、「いらん」といって突き返してくる、問題児こそ、一番太陽が気になっているかわいくいとおしい生徒なのです。ちょっぴり反抗期の困った学生、それが緑色の植物たちなのかもしれません。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「 そもそも色とは実在しません。今、見えている色という概念は、あなたの網膜にある視覚をつかさどる神経が、光の信号をとらえて、それを脳内で勝手に像としてイメージさせているだけです。赤に見えるリンゴも、元来その表面に赤い何かがあるわけではなく、光がその表面で反射した際に、もっとも強い光の波長が赤のあたりにあるだけです。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「 誤解しやすいのでいっておきますが、すべての星は、誰かの太陽です。 もしその付近に、惑星があり、そこに生命がいれば、その原動力となる天体が太陽であり、星のことです。 夜空に見える星座も、その1つひとつをクローズアップすると、その付近に存在する生命、知的であれば、「宇宙人」というものが、日々感謝をして暮らしている、そんな地球と同じような、でもどこか異なる別の太陽を中心とした王国があり、彼らの日常があるのです。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「先述のとおり、宇宙には、大別すると、星には、7つの色のタイプがあります。緑色の太陽も、そのうちの1つです。宇宙標準では、青白い色がもっとも多いタイプです。これら7つの太陽たちは、どこかでは、カップルとなって、あるいは、 3人以上で家族となって、存在しています。 現在見つかっている、人数最多の集団は、6つの太陽たちが、お互いのまわりを回りあっているというグループです。大家族のようなにぎやかな家庭のようです。 太陽同士が、ひかれあう理由は単純明快です。それはひとえに、いかに重いかだけです。人間の場合は、お見合いしても、年収、外見などなど気になる項目だらけですが、星の場合は、その相手が、いかに質量が大きいか。見た目の大きさと言い換えてもいいかも。大きなものがもっともモテる世界、それが星の世界です。 ひかれあった星同士は、まるで優雅な求愛のように、お互いのまわりをいつまでも、いつまでも回り続けます。すぐに近づいて合体なんてことにはなりません。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「太陽同士が、ひかれあう理由は単純明快です。それはひとえに、いかに重いかだけです。人間の場合は、お見合いしても、年収、外見などなど気になる項目だらけですが、星の場合は、その相手が、いかに質量が大きいか。見た目の大きさと言い換えてもいいかも。大きなものがもっともモテる世界、それが星の世界です。 ひかれあった星同士は、まるで優雅な求愛のように、お互いのまわりをいつまでも、いつまでも回り続けます。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「相手の動きをよんで、全体のバランスをとって動くとは、まるで太陽それ自体に意思があるようなイメージをもつかもしれませんが、そうではなく、すべてのものの運動に普遍的な物理の法則にしたがっているだけです。 私たちも自然な重力現象として、リンゴを手から落下させることがあります。 これを自由落下といいますが、このときのリンゴの運動も、一見、法則なんて関係ないようにみえて、裏ではきちんとそのルールにのっとって動いているのです。 こういった自重を感じて落下する運動は、さっきの太陽同士の回転運動も同じことです。 つまり、太陽同士もずっとダンスをしているとも、ずっとお互いに距離を縮められず、落下し続けている悲しい動きともいえます。でもきっと星の立場からすると、自重を感じて落下し続けている、絶叫しながらも乗ってしまうジェットコースターのような興奮があるのかなぁと想像をふくらませてしまいます。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「まずは英語の習得度。これがコミュニケーションツールとして、一番必要といっても過言ではありません。宇宙で一人黙々と作業というわけにはいきません。常に、同じ危険と隣り合わせで不安で閉鎖的な無重力空間という特殊な環境で、ともに時間を過ごすクルーたちと日々を円満にやっていくためにこれはもっとも大事だといえます。正直、じつは宇宙飛行士に、特殊技能は求められていません。地球の管制官の指示に適切に対処できるかどうかが大切で、独自に何かを編み出すようなアイデアマンは宇宙に実際にでる宇宙飛行士には適さないかもしれません。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「 無重力は究極のバリアフリー環境であり、本当にあらゆるものが平等になる世界なのです。そこでは、きっと地球では考えつかないような、新しいユニバーサルデザイン、つまり一方の腕(または足)だけで、押し出すためのグリップのようなものがついた壁さえつくってしまえば、どちらの立場の人も同じように自由に移動できる、そんなデザインが未来では実現しているかもしれません。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「では、リアルで会えたとしたら、どのように会話をするのでしょう。言語の問題以上に、まず大気問題が大きい障害です。そもそも地球の大気成分、窒素:酸素が 4: 1というのも、宇宙では決して一般的ではないはずです。地球の歴史でいえば、過去シアノバクテリア(藍藻)などが支配し、大酸素化した結果として、このように酸素の比率が異様に高い大気となっています。 窒素をもっと有用に活用している生命が進化している世界があってもいいでしょうし、そんな宇宙人もどこかにいるでしょう。 そんな彼らと直接交流することをリアルに考えると、まずどちらの大気下で会うのかが最大の問題になります。片方にとって、それは命がけのリスクをともなう行為です。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「少し現実的にコンタクトを想定しましたが、そういったことがすべてクリアになったら、あなたなら何を聞いてみたいでしょうか。 私は個人的に、「あなたの目的は何?」ではないかと思っています。もちろん侵略に来たのであれば、正直に答えないことも前提で。それでもこの質問をなげかけ、さぐらないことには安心して会話は進まない気がします。まずこちらの世界に来れたという事実だけで、科学技術的に脅威を感じてしまうからです。それほど宇宙はお互い距離が圧倒的に離れており、それを超えて飛来する生命体があるとすると、その時点で勝敗が決まっているほどの科学力の差があると察してしまいます。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「宇宙人を知的生命と定義すると、知的とはいったいどの程度の知性なのかと、だんだんとわからないテーマになってきますが、少なくとも会話や文明らしいものをもっているものをそう呼ぶとすると、これらがすでに太陽系のどこかの惑星にいる可能性はきわめて低いでしょう。もしそうならとっくに相手から地球という特殊で宝のような生命環境が見つかっているためです。宇宙飛行士は、誰しも宇宙から眺めた地球の圧倒的なきれいさ、すばらしさに心を奪われるといいます。漆黒の闇にうかぶ、青くみずみずしい私たちの惑星のよさを日々実感できたら、環境問題や地球規模の紛争にももっと真剣になれるのかもしれませんね。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「 宇宙人を知的生命と定義すると、知的とはいったいどの程度の知性なのかと、だんだんとわからないテーマになってきますが、少なくとも会話や文明らしいものをもっているものをそう呼ぶとすると、これらがすでに太陽系のどこかの惑星にいる可能性はきわめて低いでしょう。もしそうならとっくに相手から地球という特殊で宝のような生命環境が見つかっているためです。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「 私が考える生命を宿す条件は、水、火山、リズムです。最後のリズムとは、月といった太陽とは違う第二の天体の影響が生命にとって大変重要であったという点をあげています。地球にとって月はあまりに都合がよい距離感にいます。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「日食は古代人にとって一大イベントでした。宗教的にこれを利用した記録も人類の歴史ではたくさん残されています。しかし、よく考えてみると不思議で、月より 400倍も大きい太陽と、ちょうど同じくらいに見える位置に、今の月が太陽との距離 1 A Uに対して、 400倍も近い位置(約 40万 km)にいるから、文明を営んでいる生命期間に「互いが同じくらいの大きさで重なる」現象を目撃するのです。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「優れた想像力は研究者だけのものではありません。 SF映画は想像力が一番の肝です。人間の想像力はときに科学にも大きな影響を与えることさえあるのです。「スター・ウォーズ」シリーズでは、2つの太陽が登場するシーンが 1980年にスクリーンに映し出されています。当時は、太陽系以外の惑星系すら見つかっていない時代です。現在は、 5000を超える系外惑星が見つかっており、その半数は太陽が複数あるものが占めています。人間の想像力が先をいって、あとから科学で明らかになるというケースも多々あるのです。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「しかしその後、制御が不能となったようです。ふつうは役目を終えたロケットは制御しながら海に落下させるのですが、制御できないと、どこに落ちるのか不明でリスクが高まります。世界的にはデブリ(残骸)の扱いで中国は過去にも非難されることが多く、今回もそうなりました。いずれにしても、中国独自の宇宙ステーションは完成へとまた一歩近づいたようです。今後、月の土地、資源をめぐる世界各国の動向も気になり、ますます中国、アメリカの二大国の宇宙競争が過熱してくるはずです。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「シュメール人という謎の民族です。このメソポタミア文明を根本から築いて、突如として歴史の舞台から姿を消します。彼らは民族、人種の系統的にいったいどこから来たのか? そしてどこへ行ってしまったのか? じつは彼らこそ宇宙人であったなんて説まであります。それくらい人類の文明に決定的でミステリアスな存在なのです。 どう決定的かというと、暦や数学に関することはほとんどこの時代の予熱で今もやっているようなものなんです。 たとえば 60進法も彼らの発案。円を 360度に分割して 1度を定義したことは、太陽のまわりを公転する(地球が動き公転していることはもっとあとのコペルニクスの時代)日数と深く関係します。 1年が 365日であることも観測で彼らがつきとめました。この2つの数値を近いとみて、 5日をある意味切り捨てて、円を 360分割しようと考えたわけです。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
高水裕一本面白い
「ペンローズ博士は、イギリス・オックスフォード大学の教授で、昔はケンブリッジ大学のホーキング博士とともにイギリスを代表する物理学研究の二大スターという感じでした。 2人は、特異点定理とよばれるブラックホールの中心部分で形成される特異点に関する論文で共同研究し、それ以降もさまざま局面で研究や、対談を交わし、両者熱い意見交換を生涯繰り返してきた、いわば盟友です。 76歳で先にこの世を去ったホーキング博士は、ペンローズ博士よりも年下です。ペンローズ博士は、今年で 91歳、もしホーキング博士が生きていたら 80歳でした。ブラックホールの理論的貢献ということでしたが、おそらく、ペンローズ博士の業績でいえば特異点定理が一番大きな貢献だと思います。 物理学者でしたが、どちらかというと数学者に近い立ち位置の彼は、ホーキング博士とともに、一般相対性理論において、いかに一般的に特異点が形成するかということを、きちんとした数学的条件として整備し、定理として確立しました。 これまでは、単に均一な球型の時空でのみ形成されると考えられていた特異点ですが、より一般的に形成される数学的条件を導いたということです。この特異点での物理が、前に触れた4つの力の大統一理論の予言能力のカギとなるお話や、特異点が見えないように、必ずブラックホールで囲まれているとした「宇宙検閲官仮説」の話題も、まさにこのテーマに直結しています。 ですから、亡くなったホーキング博士が、空の上から、ペンローズ博士の 2020年のノーベル物理学賞受賞をじつに羨ましがったのではないかと、つい想像してしまいます。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「 私たちが知っている物質は宇宙において、 5%未満というのを知っていますか。 まだまだ未解明なもので 9割以上満たされているのが宇宙なのです。 そのうち、およそ 3割がダークマターという光と反応しない物質。残りの大部分は、ダークエネルギーという物質なのかさえわからない未知のエネルギーで満たされていることが、宇宙衛星の観測によりここ 10年でわかった事実です。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著
「この本は私にとって、とても感慨深いものです。 PHP研究所は、松下幸之助さんの哲学、思想を世に発信するために設立されたと聞いています。 もちろん、私も彼の思想、考え方に共感して、何冊も書籍を読みました。 また実をいうと、個人的なつながりも大きいのです。 祖父は松下幸之助さんに気に入られ、今のパナソニックの前身である松下電器産業とつながりのある企業の会長を長年していました。 おじいちゃん子であった私にとって、幸之助さんのお話は毎年のように小さい頃からまるで絵本を読み聞かせるかのように、肌に染みついていました。 祖父の家に飾られている、幸之助さんの書、「青春」については、正月に親戚が集まるたび心の中で復唱していたほどです。」
—『面白くて眠れなくなる宇宙』高水 裕一著