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Posted by ブクログ 2020年02月01日
古代から現代まで、歴代天皇の姿を「病」という視点から探る。
一 疫病調伏のための「大王」ー飛鳥・奈良時代
二 怨霊の祟りに置き換えられた病魔ー平安時代
三 肖像画に如実に顕れた健康状態ー鎌倉~安土桃山時代
四 幕藩体制の下でー江戸時代
五 現代医学と生活習慣病ー明治・大正・昭和
六 病録の章
主要参...続きを読む考文献有り。歴代天皇一二五代のカルテ一覧表有り。
前作の「徳川将軍家十五代のカルテ」からパワーアップ!
なんと歴代天皇が対象です。但し、古代は伝説上の人物であり、
史料が乏しい時代もあるので、全員というわけではありません。
それでもまぁ、よく調べたなぁ~といった内容です。
また、天皇周辺の著名人についても「病」を探っています。
乏しい史料から探り出して、医師の立場と経験から病を推測する
手法は、なかなかのものです。
それにしても、疱瘡やマラリア三日熱の猛威の凄まじさよ。
加えて、その世の権力者からの圧力と、閉ざされた環境で、
心身共に疲労困憊、病に至るというのは、本当に気の毒。
そして、近代の天皇のリアルタイムな死への病の進行は、生々しい。
医療行為が、調伏から薬、漢方、洋医学、現代医学への
変遷も垣間見られ、興味深く読みました。