あらすじ
あたかも“現代の難病”のように認識されるアトピー性皮膚炎。その誤解・偏見から様々な民間療法がはびこり、イジメ、自殺などの事件も後を絶たない。だが、アトピーは決して難病などではない。皮膚科の専門医にとってはあくまで平凡な慢性疾患であり、正しい療法さえ守れば一〇〇パーセント治る病気なのである。アトピー治療の第一人者が、誤った認識をただし、悩む患者、家族に「正しい療法」をわかりやすく提示する。
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Posted by ブクログ
“アトピーは一生治らない難病”という誤った認識を、メディアや経験不足の医師たちによって思い込まされている、アトピー患者向けに書かれたハウトゥ根治本。
正しい治療=“ステロイド外用薬による適切な薬物治療によって”アトピーは完璧に治る!ということを筆者(アトピー治療の第一人者)竹原和彦医師が力説。
脱ステロイド療法、厳格食事制限療法など、間違った治療法を宣伝するメディアへのバッシングとか、「アトピービジネス」(=科学的根拠に欠けた金儲け主義のインチキ療法で患者より金銭をだまし取る詐欺的行為)への嘲弄。また、竹原医師自身の経験或いは研究により結論づけた独自の治療法など、医療従事者の裏世界を垣間見ることが出来るので、医師薬剤師が読んでも面白い。
個人的にオドロキだった事。“アトピー性皮膚炎といえばIgE抗体産生(アレルギー反応)が炎症を誘因する主体的反応”という今までの我が認識を竹原医師が覆したよ!氏によると「アトピー性皮膚炎の主体は、アレルギーではない刺激反応で、アレルギー反応は悪化の過程の一部に関与しているに過ぎない」…つまりIgE抗体産生がなにもアトピーに特異的な現象なわけじゃなく、むしろ健康人にだって起るあたりまえの反応であり…ま、ぶっちゃけるとIgEが原因となってるっていう説は信憑性ナッシング☆ということでした。
Posted by ブクログ
正しいアトピー治療について、適切な方法で薬を使用し適切に治療を行えば治るということが書かれた本。「アトピービジネス」という、患者の弱みに付け込む特殊療法を一つ一つ糾弾し、アトピー治療に関する様々な誤解を説きながら、著者の数多くの経験や日本皮膚科学会のガイドラインに沿って、正しい治療法を納得いくように説明してくれる。
これを読んで、お医者さんでも治療法を誤ることがあるのか、とか、視聴率狙いのメディアがいかに信用できない報道を流すかということを今更ながら改めて認識させられた。冷静に考えればおかしいということでも、当事者になると判断が狂ってしまうので気をつけないといけない。そのためにも、あらかじめ信用できる情報源から正しい知識を一通り知っておくことは必要だ。この本は同じことが何回も書いてあるのでその分、内容も頭に入るというもの。すぐ読める本なので、家族や知人がアトピーに悩んでいるという人も読んでみてはどうでしょう。