あらすじ
失敗は開発のチャンス――。国際舞台での敗戦がつづくなか、敗因の分析からすべては始まった。F2、DTM、インディ500と経験を重ね、ついに最高峰のF1に参戦。そして、強大な宿敵ミシュランに圧勝し、二十年前に喫した惨敗の屈辱を晴らす。タイヤ開発の苦闘、過酷なレースの内幕、F1の経済学、M・シューマッハーの素顔など、日本人エンジニアが描くモータースポーツの世界。
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Posted by ブクログ
ブリヂストンと言えば世界一位のシェアを持つタイヤメーカー。モータースポーツの世界でも他社をリードしているというイメージが強い。特に2010年までのF1にワンメイクで全チームにタイヤを供給していたことは有名だ。
著者はBSのモータースポーツ部門開発室長だった人物。モータースポーツ部門に移籍する前、BSに入社した経緯から、会社の風土、精神を知ることができた。
BSのような巨大企業でもモータースポーツの世界ではまるで勝負にならない時代があった。そこから様々なカテゴリーを経てF1でトップチームと契約するまでに至る挑戦のドラマも興味深い。
著者が経験したレース、サーキットでの人間模様。そこから著者が感じた教訓、仕事の哲学は、タイヤメーカーだけでなく、幅広い社会で通用する深いメッセージを感じた。
Posted by ブクログ
単純に興味があって読んだ本です。
ある程度F1に興味があれば、面白く読める本だと思います。知らないだけで、こんな世界なんだなー、と新たな世界を垣間見れました。
Posted by ブクログ
世界最高峰のF1のタイヤをのサプライヤーとして
近年圧倒的な強さを見せたブリヂストンのチーフエンジニアによるドキュメンタリー。
M.シューマッハーを要する最強のフェラーリチームに帯同していた
著者のレポートからはトップチームの執念と絶え間ない努力が伝わり、圧倒される。
ホンダといい、ブリヂストンといい、日本の技術者の底力というものを
誇らしく感じる。
日本のモノづくりのDNAがこれからも絶えないことを願う。
Posted by ブクログ
F1タイヤがブリヂストンのワンメイクとなった今、F1タイヤを牛耳っているといっても過言ではない浜島氏の著書です。2004年シーズン終了後に書かれたもので、フェラーリ×ブリヂストンで赤の帝国を作り出した時までのタイヤ作りの記録です。ミハエル・シューマッハーからも絶大な信頼を受ける浜島氏がブリヂストンに入社し、最速のF1タイヤを作り上げるドキュメント(?)です。
Posted by ブクログ
タイヤメーカープロジェクトリーダーとして、F1の現場のことを記載されがら、戦うことの大切さた分かる本。タイヤの基礎からレースの取り組む裏側が理解できる。個人的に凄くよかったのは、シューマッハのレースへの取り組みと、個人としての洗練さの記事。F1の興味ある方は、是非四んでもらいたい。
Posted by ブクログ
ブリヂストンのタイヤエンジニアである著者による一冊。
著者は、F1タイヤにおけるブリヂストン一強時代の立役者として有名。
本書は2章に分かれており、
1章は、著者のブリヂストン入社から始まり、モータースポーツタイヤ開発への挑戦、そしてF2,DTM等を経てF1参入までのドキュメント。
2章は、タイヤエンジニア視点からレース現場の実際を紹介・解説した内容。
となっている。
プロジェクトX的な開発物語としても面白いし、タイヤ&四輪レース現場の四方山話としても面白い。
ちなみに、ブリヂストンは本書発行の5年後(2010年)にF1から撤退している。営利企業として宣伝効果や開発費等々を鑑みた結果であることは理解できるが、本書のような現場の挑戦・努力を知ってしまうと少々物悲しいものがある。