あらすじ
青山と麻布と六本木の台地に挟まれた谷間には、夜が更けるほどにみずみずしい霧が湧く。そこが僕らの故郷、霞町だ。あのころ僕らは大学受験を控えた高校生で、それでも恋に遊びにと、この町で輝かしい人生を精一杯生きていた。浅田次郎が初めて書いた、著者自身の甘くせつなくほろ苦い生活。感動の連作短編集。
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Posted by ブクログ
昔の青山はこんな感じだったんだろうか?若者の服装、車、お店、全然知らないけどかっこいい。座ったとたんにお寿司が出てくるお店に怒り、鰻屋で「遅いね」と言った僕を野暮だと叱り飛ばす祖母がいきでかっこいい。それになんといってもライカを首に下げている名人のおじいちゃんがすごくかっこいい。都電の一番スピードをあげてくる瞬間を捕えた写真はどんなにすばらしいことだろう。読んでいるうちにどきどきしてきた。僕の友人たちを撮った写真はどんな感じなんだろう。浅田さんらしい人情味あふれている作品で泣けてきてしまった。
Posted by ブクログ
まとまった読書の時間が取れなくなった中で、こういった短編集は非常に良い息抜きとなってくれるものである。
「青い火花」と「卒業写真」が特に気に入った。時代設定はまだまだ戦後と呼べる時期であり、主人公たちからは一抹の厭世観のようなものも感じられたが、それと同時に持っている少年らしい心が絶妙に混じり合っていて、何となく懐かしい心持になれる短編たちであった。
もう少し詳しく感想を書きたいところであるが、翌日の仕事に頭が占領されてしまうのがひよっこサラリーマンの悲しい性である。
Posted by ブクログ
かつて子供の高校受験用の国語の問題文で一部が掲載されており、それをきっかけに購入したものです。
端的な読後の感想は、男性目線の青春小説だなーということ。
舞台は東京の中心街、青山・麻布・六本木の才知に囲まれた谷間の霞町。そこは昔からの旧家や商家が存在し、そこのぼんくら達の成長の過程を描いています。
ぼんくら、と表現しましたが、高校生で車とか持ってたり(もちろん親から買ってもらう)ちょっと鼻につきます。
ただ、うっすらと将来への不安を感じながらも、エッチなことばかり考えていたり、男の友情が妙に固かったりとか、そういうのは微笑ましく楽しく読めました。
これが森絵都さんや瀬尾まいこさんの青春小説だと、大体主人公は女性であり、視線はたいてい冷静なのであります。男性はこうはなりません。おばかです。
その他、癖のある写真屋の祖父、元芸者を身受けした話等々、主人公家族の家の歴史にうねりがあり、そうした点もドラマチックでした。
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1970年代に青春を迎えた人の話はどう考えても古い。解説のDJ氏は胸を熱くして本書を読んだと書いてあるが、私はもちろん古いなあと辟易しながら読みました。
にもかかわらず、本作を面白いと感じさせ、また試験問題にも選ばれる理由は、やはり高校生特有の心情を瑞々しく描いているからであり、また波乱がありながらも家族の繋がりを温かく描いているからだと思いました。
描かれる風俗がやや古くさいのですが、それを除けば楽しく読める青春小説だと思いました。エッチな事ばかり考えている高校生が主人公なので女子受けは余りよくない気がします笑
Posted by ブクログ
著者・浅田次郎の若かりし時代を振り返ってみた、自伝的小説?という感じでしょうか?ふむう、当時の東京の若者は、ザックリと、こんな感じで、生活していたのか?という雰囲気が、ザックリ、うむ、感じられた、ような気がします。気がする。
で、気がするのですが、うーむ。すみません。それほど、こう、読んでいて、グッと来た!とか、そういった事がなく、、、すみません。淡々と、読み終えてしまいました。うむ。本当に失礼な表現になってしまいますが、「可もなく不可もなく」という、、、感じ?
ちょっと前に読んだ、同じ浅田次郎さん著作の「壬生義士伝」は、ウルトラ面白かったのですが、こちらは、、、ごめんなさい。あんまり、ハマれなんだ、、、すみません。なんだろうなあ、ちょっと、相性悪かったなあ、、、
ちょっと、変な表現ですが、この小説が、心の底から好きだ!という人と、いっぺん、じっくり語り合ってみたい気がします。「どこがそんなに好きなの?」っていう事を、お互い、内容知っている訳ですからね、お互い、それぞれこの小説を手に取りながら、何処にグッと来たところがあるのかを、教えてもらいながら、語り合いたいなあ~、って、思った次第ですね。コレって、妙な考えかなあ?
とりあえず、うむ。極めて普通だ。という感想に、なってしまいました。でも、浅田次郎さんは、大好きな小説家なので、別の作品、またドカドカ読んでいきたいものです。