【感想・ネタバレ】エヴァーグリーン・ゲームのレビュー

あらすじ

第12回ポプラ社小説新人賞受賞作! 人生をかけて挑む、盤上の戦い――。情熱がほとばしる極上のエンターテイメント小説!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2025/9/30
チェスの話。チェスわからない。
ヒール役の釣崎。憎たらしくてさ。
この世界のモブたちと同じように嫌ってた。
でも決勝前にマフィアの連れとしゃべってるときにもう終わりにしてほしいなぁみたいなこと思ってる場面で猛烈に怒りがわいてきて。
釣崎を搾取してきた諸々に。
不条理な世の中であることに。
ひっくり返してこいつを救えよ!マフィアとか潰れてしまえ!小説なんだから!!!とは思っていた。
でも思ってもいないひっくり返し方されてたまげた。
読者の私でさえ透の死は確定事項として受け入れていた。
神様が超強いフィクションの世界だけどそこは納得させられてた。
だから自然と透が釣崎を倒すことを祈っていた。
そこを返すか!釣崎という強烈な駒を使って!
すごい!
たぶんこれがチェスなんだろう。
私、どんでん返しの名作にはこれを挙げることにする。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

チェスを愛しチェスに出会うことで人生が変わった4人の主人公が交差する物語。
この私という一人称は誰の言葉だろう。
そんな不自由さも読み進めることで不思議とその人の声になって頭と心に響く。
5章はずっとハラハラドキドキ。
最終6章はずっとにこやかに清々しく読めました。
いい本に出会えたことに感謝です。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

ボードに救いを求めた者には、駒たちがきっと応えてくれる。

人はその戦いを、──チェスと呼ぶ。
 
 
第12回ポプラ社新人小説賞受賞作。
チェスに人生を魅了された4人の若者たちに焦点を当てた連作短編集。

ある人は、幼い頃から病魔に身体を蝕まれながら、チェスに出会い生きる希望を見つけた。
ある人は、チェスに出会うことで、生涯の目標と伴侶を見つけた。
ある人は、生まれながらに全盲ながら、チェスと出会い人生に光を見出した。
そしてある人は、幼き頃より荒んだ環境で育ち、非行に走る毎日を過ごしていたが、チェスと出会い、チェスに全てを捧げた。

この4名にスポットを当てて物語は進んでいきますが、各章が時系列でリンクし合っているので、ドンドンとその物語に引き込まれていく。

チェスを題材にしていることで、多少のとっつきにくさはあるものの、チェスのルールがわからなくても全然楽しめる作品でした。

帯にもある通り『彼らの棋譜そのものが、生きた証なのだ。』まさにその通りだと思えるくらい、チェスに魅了され命を燃やした4人の物語だったと思う。

すごい没入感と心地よい読後感。いい作品だったなー。





難病のため小児病棟に入院している透。
夢と現実の間で揺れる名門進学校に通う晴紀。
母親と折り合いの悪い全盲の少女・冴理。
少年院を出たのち、アメリカにわたった天涯孤独な青年・釣崎。
世界有数の頭脳スポーツ・チェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者たちの人生が、64マスの盤上で、ドラマティックに交錯する――。
全選考委員の絶賛を集めた、第12回ポプラ社小説新人賞受賞作!

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2025年06月01日

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チェスを巡る連作短篇。どんどん時間が進むし、人間関係も絡み合っていくし、青春って感じ。チェスのことは全くわかんないんだけれど、面白かった!

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2025年04月30日

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チェスに人生のすべてを懸けた人々の物語。
波瀾万丈な運命を背負う登場人物たちが、チェスを通じて出会い、交錯し進んでいく。
ルールがわからなくても、こんなにも心を揺さぶられるなんて。

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2025年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「勝つために治せよ、絶対に」
小学生の透は、難病で入院生活を送っており、行きたかった遠足はもちろん、学校にも行けず癇癪を起してしまう。
そんなとき、小児病棟でチェスに没頭する輝と出会う――。
<年齢より才能より、大事なものがある。もうわかってるだろ?>
チェス部の実力者である高校生の晴紀だが、マイナー競技ゆえにプロを目指すかどうか悩んでいた。
ある日、部長のルイに誘われた合コンで、昔好きだった女の子と再会し……?
「人生を賭けて、ママに復讐してやろう。」
全盲の少女・冴理は、母からピアノのレッスンを強要される日々。
しかし盲学校の保健室の先生に偶然すすめられたチェスにハマってしまい――。
「俺はただ、チェスを指すこの一瞬のために、生きている。」
天涯孤独の釣崎は、少年院を出たのち単身アメリカへわたる。マフィアのドンとチェスの勝負することになり……!?
そして、彼らは己の全てをかけて、チェスプレイヤー日本一を決めるチェスワングランプリに挑むことに。

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2025年02月08日

Posted by ブクログ

面白かった!

チェスの話といえば小川洋子の『猫を抱いて』を読んだが、あれは不思議な話だった記憶が。

こちらはわかりやすい人間ドラマで、主人公達は皆チェスに魅せられ人生救われる。小児病棟は涙涙、大会はハラハラドキドキであった。

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2025年01月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終えて、チェスって人生なんだなと思った。優勢だと思っていた局面が不利に転じたり、その逆も然り。
この作品の中でも、登場人物たちは割と淡々と理不尽な目に遭っている。だけどチェスのように、持てる駒を最大限生かしてなんとか勝ちに持っていこうとしている。時には戦略的にドローを選ぶこともあるのが人生。様々な定石や戦法を知ってこそ、戦えるというのも。
そして、チェスというロジカルな題材の中に、釣崎のような破茶滅茶な人がいることで、いいアクセントになっている。まさかマフィアが出てくるとは思いもよらなかった。意表を突く展開も、もしかしたらチェスなのかも。
ルールが曖昧だったので、序盤のチェス盤が出てくるページは、各駒の役割と動きを確かめ、なぜ詰みなのかを理解しながら読んで、少し賢くなれた気もする。ちゃんとした盤と駒に触れて、チェスをやってみたいなぁ。

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2024年12月22日

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おぉー!!これは面白い!
チェスのお話、最高だな。ちょっとマンガみたいな読み心地ではあるけれど面白かった。

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2024年12月19日

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チェスに脳を焼かれた若者たちの話。いくつかの短編があって、最後は各章の主人公たちが総当たり戦を行なう話になってた!
どの章の主人公も負けられない理由があって、一度の負けが死ぬほど悔しくて。
まさに、人生を賭けたチェス勝負が繰り広げられていて、めちゃめちゃあつかった!!
チェスのために、チェスがあるから、死にたくないと思えるみたいな。とにかくチェスを通してでしか得られない大切なものを抱えてる。
生の熱さが詰まってると思う!!

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2024年10月06日

Posted by ブクログ

チェスのことは全然知らないけれど、チェスを取り巻く人間模様の描き方が見事で、あっという間に読んだ。
夢中になれるもの、それを好きだと言えることってすばらしい!

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2024年09月23日

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チェスに、文字通り人生を捧げた4人の物語。

難病で入院中、チェスを知った少年。
難関校に進み、親の希望通りの官僚エリートコースかチェスの道に悩む少年。
親とも衝突し、藻掻く中でチェスを知った少女。
少年院を出てチェスにのめりこみ、ヤクザやマフィアといった裏社会とチェスで関わる青年。

チェスがなければ、きっと交わらなかったはずの人生が大会で交差していく。

何かに夢中になるという、きらめきを感じられる一冊。ただこういう物語で非行どころではない、マフィアなど裏社会がガッツリ絡んでくるのは、ちょっと珍しい気もする。
チェスがわからない人でも楽しめるし、最初の方はちょっぴり図解もあり。
なんだかちょっとチェスが気になって、軽くアプリを始めてみた次第……

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

チェスの高みを目指す若者たちの話。チェスも将棋も出来ない私が読んで面白いのか不安があったが、登場人物たちそれぞれのエピソードに惹き込まれる。そしてチェスの大会を軸にだんだん交わっていくのだが、目線がどんどん変わるので飽きずに読んでいけた。辛く悲しい場面もあるけれど、何かに夢中になれる人生が羨ましくなる。読後、登場人物たちそれぞれの幸せを強く祈った

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

読み終わって後味がよい、爽やかな小説だった。チェスに全てをささげた人たちが、全身全霊で勝負する様子は緊張感があり、人生をかけた勝負というものがどんな様子なのか伝えてくれる。勝つために生きる。そのために死ぬほど悔しい思いを、何度も乗り越えなければならない。ラストの釘崎がめちゃくちゃカッコよかった。自分にも「これしかない」と思うものが欲しいなと思った。

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2025年09月16日

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病院でチェスを通じて出会った透と輝と瑠偉。新しく出会った人をチェスに引き込みつつ大人になる。瑠偉はチェスの普及に力を入れ、透と瑠偉の中高の友人晴紀はグランドマスターを目指す。冴理、釣崎もチェスに魅せられていく。クセのある脇と思われた人物がとても強かったりと意外感もあり、楽しめる。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉どおり人生のすべてをチェスに賭けた人たちの青春。知的なゲームの物語のはずが、生々しさと疾走感があった。
チェスのことがわかる人が読んだら、棋譜や指し方で登場人物の性格とか分かるものなのだろうか。作中出てくるチェスの名手による名言がかっこよくて、一層興味が湧いた。
大会後の後日談は、読み手によっては出来過ぎ感があると思うかも??私はハッピーエンドが好きなので、平和な終わり方でほっとした。

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2025年07月17日

Posted by ブクログ

オーディブルで聴いた。

チェスの話。
特にニューヨークのマフィアに入ったグランドマスターの話は波瀾万丈な人生すぎて面白かった。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

あまり馴染みのないチェスというゲームに様々な人の人生を絡めながら各方面からストーリーが進んでいく。
最後に期待感を込めながら、この終わりもアリかなという展開。
面白かった。

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

全く馴染みのないチェスをテーマにした珍しい作品。まあ、私にとっては囲碁も将棋もさっぱりなんでそこはあまり関係ないかしら。登場人物たち、それぞれ大きなマイナスを背負ってるんだけど、それを乗り越えて前に進んでいるのが読んでて気持ちいい。魅力的に書けている

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2024年12月30日

Posted by ブクログ

大好きな作家である綾崎隼先生が太鼓判を押していると聞き、いつか読もうと思っていた。
綾崎先生の出版した小説の中に、『盤上に君はもういない』と『ぼくらに嘘がひとつだけ』という二作がある。これらは将棋を題材とした作品だ。当時将棋にハマっていた私は、この二作をきっかけに読書にのめり込んでいった(将棋熱は半年で尻すぼみ。今はたまに友人と指すくらいだ)。
本作『エヴァーグリーン・ゲーム』は将棋と同じボードゲームである「チェス」を題材とした青春小説。敬愛する作家と大好きな青春小説というジャンル。そんな組み合わせに導かれるようにして読み始めた。

本作は決して明るいだけの物語ではない。チェスの素晴らしさとともに語られるのは、どうしようもなく生きづらい世界だ。
難病を抱える子どもたち、恋した少女がいじめの標的になっていた少年、生まれつきの障害から母親から蔑まれる少女、父親の家庭内暴力を発端として非行に走った青年。作中で登場した日本屈指のチェスプレイヤーたちの生い立ちは、同情せずにはいられないものばかり。
けれど、だからこそ彼らはチェスに夢中になり、生涯の友に、家族に、師弟に、宿敵になることをができた。チェスの楽しさを魅せられ、魅せられすぎたのだ。
奇妙な巡り合わせとチェスを愛する心が紡いだ縁は、きっと読者の心も穿つだろう。

2024年時点で将棋の人口は全世界で約1000万人。それに比べチェスの人口は7億人にも及ぶという。将棋というゲームを否定する気は毛頭ないが、いかにチェスが世界で愛され親しまれているか、比較するとよく分かると思う。
しかし物語の舞台はあくまでも日本。この島国では圧倒的に将棋の方が知名度が高く、プレイヤーの人口はわずか2万人。ゆえにチェスは将棋と比べマイノリティとされている。
取った駒を持ち駒として再利用できる将棋と、取った駒は二度と盤面に戻ってこないチェス。
「生き残った駒は、死んだ駒の命を背負う」。物語序盤で語られた透の決意の表現は、そんな日本人にとって馴染みのないチェスの面白さと本質を物語っている。
鮮やかな導入の後、まるで読者に十字架を背負わせるように、透の行く末を、盤上に残った駒の最後を見届けろと訴えかける。そんな展開に喉が干上がりながらも、ページを捲る指だけは止まることはなかった。

なぜもっと早く読まなかったのか。そう考えたのは久しぶりで、それほどまで熱中して読むことができた作品だった。

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2024年12月21日

Posted by ブクログ

チェスをテーマとして取り上げた小説は多くないと思います。将棋と比べて競技人口も少なく敷居の高いイメージのある競技です。

一通りの駒の動かし方は知っていましたが、試合での所作や定石、これまでの著名なチェスプレイヤーについての知識はほとんどなかったので、試合の場面で具体的な盤面が想像できませんでした。
きっとチェスの知識がもう少しあれば具体的な試合の展開を思い描くことができたのでしょうし、もしかするとこの本を読むことでチェスを始めて観たい、と思う人が増えるかもしれません。

いろいろな登場人物の視点から描かれる章が折り重なって一つの物語を作る連作形式で、闘病していたり、生まれつき目が不自由だったり、家庭環境が劣悪で非行に走っていたりとそれぞれに問題を抱えた登場人物たちがチェスと出合うことによって救われていく様子は、温かい読後感を与えてくれました。

登場人物の一人、晴紀が叫ぶ「本気で楽しいとか悔しいとかそんなこと一個でももってんのかバカ!」というセリフは状況も相まって感動的ですらありました。
自分の中で真剣に取り組みたいと思うことがある、というのは(その魅力に取りつかれているという面ではある意味で「不幸」なのかもしれませんが)幸せなことなのだと思います。

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2024年12月03日

Posted by ブクログ

チェスやってみたい!病気、犯罪、障害、、チェスをする人々をとりまく環境が違いすぎてどんどんのめり込んで読めた!死ぬのが怖くない釣崎さん無敵すぎた。ドラマ化されそう!

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2024年12月01日

Posted by ブクログ

作者さん新人!?しっかりとした筆力と素直な心理描写でサクサク読めた。
章ごとに主人公が変わって、それぞれのチェスにかける思いと負けられない理由を知った上で物語が進んでいく展開が上手い。
読後も爽やか。チェスって面白そう、やってみたいな、と思った。

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2024年11月26日

Posted by ブクログ

チェスを題材にした小説。
初めて読むジャンルでしたが、スッと入ってきてストーリーの面白さもありながらチェスの魅力も伝わる作品でした。

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2024年10月31日

Posted by ブクログ

これは……!
面白いよ!

それ、面白い?って聞かれて
うん、よくわからないけど面白い!!
って言って、相手を混乱させました

よくわからないのは、チェスのルールを知らないから
面白いのは、チェスの攻防や、その時に全てをかけた一戦を見ることができるから

確かに世界的に見たら将棋よりもチェスの方が競技人口多いんですよね
日本で流行らないのは将棋があるからかな、と思いますが駒は圧倒的にチェスの方が綺麗で格好いいですよね

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2024年09月23日

Posted by ブクログ

チェスが人生を変える、
生きることをあきらめたくないと思わせる

そんなチェス自体を私は全然知らない
だからルールもよくわからなかったけど、試合に臨む熱量とか、相手に対する思いとかが伝わってきた
きっとチェスじゃなくても、夢中になれるものに出会えることが幸せなんだろうな

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2024年09月20日

Posted by ブクログ

チェスに人生を捧げた4人。最初は学生大会の話なのかな〜と気軽に読み始めたら、結構血なまぐさいシーンもあって意外だった。
チェスは本当に馴染みがなく、でも駒がとてもかっこいいな〜くらいな印象。日本では将棋の方が圧倒的に多数だが、世界的にはチェス人口が多い。
AIとの対戦ってニュース見た気がする。
チェスで生きる4人それぞれに美しさを感じた。

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2024年08月19日

Posted by ブクログ

チェスに魅せられた波乱万丈の生き方をした人々の物語。チェスといえば知的で優等生のイメージがあるが、それを覆す熱い思いが伝わった。

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2025年03月31日

Posted by ブクログ

チェスを題材とした小説。私の中では同じくチェスを題材とした小川洋子さんの『猫を抱いて象と泳ぐ』を超えることができなかった。

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2024年12月10日

Posted by ブクログ

読み応えのある1冊だった
チェスの知識は全くなかったが、ストーリーを理解できた
それぞれの登場人物がチェスに対する熱い思いと背景を持っていて、チェスを通してその人物が関わりをもっていく展開も面白かった
命をかけてまで1つのことにのめり込めるって、うらやましいなと思える

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2024年10月04日

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