【感想・ネタバレ】P+D BOOKS 海の牙のレビュー

あらすじ

人間の欲を浮き彫りにする社会派ミステリー。

「工場はおそろしい水銀の水を流している。魚は獲ってはいけない。獲った魚を喰えば死の病いにとりつかれる。
そうだ、この海……この暗い海の底から、目に見えない何ものかが牙をむいて迫っている」
不知火海沿岸で発生した奇病“猫踊り”。魚や貝を食べると、猫はもちろん、人間までも前後不覚になり死んでしまう恐ろしい病気だ。その実態を調べるために東京の保健所から来た男が行方不明になる。警察医・木田民平は勢良警部補とともに、工場や投宿した旅館などを探るが、男はやがて鴉についばまれた死体で発見される。
男はなぜ殺されなければならなかったのか。そこには、さまざまな“欲”が、複雑に絡み合っていた――。
日本中を震撼させた水俣病を題材にし、直木賞候補にもなった衝撃作。

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Posted by ブクログ

水俣病と経済成長の要となる『工場』をテーマとした推理小説
工業化が加速し、成長を加速する都市とその犠牲となる村落を舞台に起きた奇妙な殺人事件
工場が水銀の排出を始めてから奇病で死ぬ人間が現れ始めた。そんな明白な問題を抱えていても、そこに明快な答えを出すことの難しさ、社会のしがらみを感じさせる
推理小説としても面白く、読み応えがあるので読んで欲しい

0
2023年12月09日

Posted by ブクログ

あの水俣病に殺人事件や不貞をからめるところが
もう今の時代では許容され難いだろうけど
まだ
そんなの関係ねぇ!
というところが昭和の底力でもある。

日本人が忘れてはいけない公害病の現実です。

0
2024年02月23日

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