あらすじ
昼間は風俗で働く専業主婦、衝動的に彼に暴力を振るってしまう会社員、不倫が夫にばれて歳下の男と逃避行する女……今にも壊れてしまいそうな日々の中で、悲しみを背負った孤独な女性たち。そして、彼女たちを支えようとする不器用な男たち。誰かとつながっていたい、愛されたい。そんな切ない思いを胸に、彼女たちは懸命に“いま”を生き抜いていく。『夜の果てまで』の著者が丹念に描く、ひかり射し込む7つの再生の物語。
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Posted by ブクログ
13歳の娼婦、DV癖(ドツく側)のあるセミナー講師、子育てに苦悩する怪しげ健康アドバイザー…タフに生きる女性と彼女らに関わる男たち。彼らの風景を切って貼っつけトリミングすると、彼らの生き様がグイっと心に入ってくる。そのテクニックが抜群に美味いなぁと思った。
特に気に入ったのが「有希子の場合」と表題作
「有希子の場合」、風俗嬢なら不幸なのか?家庭に収まっている主婦や表の仕事をバリバリこなしている人より不幸なのか?道徳観念の根底に疑問符をなげかけておいて…
表題作「きみがつらいのは…」でバブル崩壊期の銀行に勤める主人公がウツに悩む。銀行員というしごくまっとうな仕事だが、組織を生き延びさせるため顧客の生活をぶった斬るような人に不幸をもたらす生き様を描写
道徳観念とか法令とかを守るか否かは、幸福と不幸の分かれ道に決定的な振り分け要素にならないのかも知れないなぁ