【感想・ネタバレ】軍事・防衛は大問題 東アジアの冷戦は終わっていないのレビュー

あらすじ

中国の軍事的脅威にどう備えるか――普天間問題で迷走を続ける日本。しかし、東アジアの冷戦は終わっておらず、中国の軍事的脅威は拡大している事実を忘れてはならない。日本人はなぜ軍事・防衛問題を忌避し、極端な平和主義に陥るのか。本書では、現実を直視できない日本人に、世界の軍事バランスの基本常識や日本にとってあるべき防衛体制のあり方を解説する書である。

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Posted by ブクログ

範囲が網羅的になっておりここの内容は薄い。$$常識的な内容に終始。$$海兵隊の役割と重要性をわかりやすく書いたのはよい$$

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2017年10月21日

Posted by ブクログ

冷戦といえば私が社会人になった年の1989年に米ソの手打ちで終わったばかり思っていましたが、この本の著者である長谷川氏によれば、日本を含む東アジアにおいては冷戦状態は続いているとのことです。

そのような状況において、当時の鳩山首相は普天間基地の移設問題で、どちらのサイドからも不信感を得る結果となってしまい、日本においける防衛問題をよく把握していなかったことに起因していると思います。

60年以上も日本は戦争をしていないので、平和ボケといえばそうなのかもしれませんが、最近軍事力を増強してきている中国や韓国と張り合うことが日本の幸せになるのでしょうか、ということをこの本を読んで感じました。

但し、この本を通じて、初めて米国の海兵隊の特徴、普天間基地の重要性を理解することができました。

以下は気になったポイントです。

・大規模な戦争が終結した時、敗戦国では例外なく「政治体制の崩壊が発生する」という原則がある、なので東アジアでは集結していない(p2)

・日米安保が現実に機能するには、日本側の「有事立法」と言われる法整備と、アメリカ軍に対する具体的な協力体制が必要であり、普天間基地移転は重要な一環(p18)

・米国海兵隊は、大統領の命令一つ(議会承認抜き)で戦闘行動に入ることが許されるのが、陸軍との決定的な違い(p20)

・動員令がくると、それに基づいて平時にない部隊(補給部隊、衛生部隊)を編成する必要がある(p21)

・海兵隊の基地は世界中に3つのみ、1)ノースキャロライナ州(大西洋岸)、2)カリフォルニア州、3)沖縄、である(p26)

・アメリカは日本の総力(産業力、技術力、経済力)を破壊したからこそ、軍事力的勝利を獲得できた(p42)

・1975年、当時のソ連の平均年齢は71歳であったが、1985年には64歳、2003年には58歳になっている、ソ連のGDP(一人当たり)は1989年には1.2万ドルであったが、2001年には0.2,2009年で0.9万ドルである(p45)

・1944年1月にドイツ軍の包囲から解放された時点では、レニングラード市民の犠牲者は3分の1の90万人、原因は餓死もあるが、暖房不足による凍死の多発であった(p48)

・現物賠償として、工業施設を本国へ持ち帰ってもそれは成功しない、日本を占領した米軍は、横須賀及び呉の「水圧プレス」を持ち去ったが、一切稼働すること無く朽ち果てた(p57)

・ズデーテン地方からの戦後ドイツ人追放事件は、いまだに尾を引いていて、チェコはドイツの反対によりユーロ圏に加盟できない(p61)

・2010年になって(70年経過して初めて)ロシア政府は、カチンの森事件は、当時のソ連秘密警察が行った行為であることを正式に認めた(p65)

・ロシアのモスクワから南東に200キロ離れたところにあるツーラにある金属材料研究所において発明された特許技術(コークスを作る技術等)は、すべて日本が買い取り、省エネに役立てた(p70)

・1982年、PLOを助けるためにシリアはソ連製の戦闘機とイスラエルはアメリカ製の戦闘機の100機同士が戦って100対ゼロ、1991年1月の湾岸戦争では、400両ずつのアメリカ、ソ連製の戦車が激突して、ソ連製が全滅した、なので反ゴルバチョフクーデターでソ連軍は動かなかった、そしてソ連崩壊(12月25日)に至る(p72、78)

・中国の現体制が長続きすることはありえない、貧富格差が存在して拡大しているから、これは社会主義の平等の法則と反する(p87)

・中国で大和ハウスが売れた理由は、日本式に内装を綺麗にして売りだしたから、ウォシュレットまで全部持ち込み、シャワーも(p102)

・中国の携帯電話は通話料を支払うプリペイド式であり、誰が携帯電話を使っているかわからず、共産党は管理不能(p109)

・三峡ダムは1993年着工、2009年に完成予定だが2012年に延期、完成すれば1820万キロワットの世界最大、三峡ダム周辺では小規模な地震が頻繁に発生(p118)

・日本軍が米軍と戦って勝ったのは、フィリピンでの戦闘で1回のみ、海軍はすべて負けている、装備の差ではなく、指揮官の指揮能力の差(p153)

・日本でまともな防空施設を持っていたのは、東京では3箇所のみ、皇居、陸軍参謀本部、海軍省である(p157)

・冷戦が始まっての一番の問題点は、東側が圧倒的に有利だったこと、あのでドイツの再軍備を急いだ(p161)

・今度のイラク戦争では、ベトナム戦争のときのような大規模な反戦運動が起きていないのは、志願制だから(p170)

2011/1/10作成

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2011年07月26日

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