【感想・ネタバレ】障害者の経済学(増補改訂版)のレビュー

あらすじ

弱者として遠ざけるのか、読んで一歩近づくのか? ――新たな現場取材により障害者就労の章を書き下ろし、制度改正も反映した待望の増補改訂版。障害者福祉は本当に障害者本人のニーズに合っているのか? 子どもを自立させることをためらう親、設備は立派だかニーズにこたえきれていない施設、社会とのギャップが大きい養護学校など、障害者福祉はさまざまな矛盾を抱えている。同情や単純な善悪論から脱し、経済学の冷静な視点から、障害者を含めたすべての人が能力を最大限に発揮できる社会のあり方を提言し、第49回日経・経済図書文化賞受賞した『障害者の経済学』(2006年)の増補改訂版。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

NHKオイコノミアで「おばさんの経済学」というテーマの解説者として出演時はオサレな品のいいおじ様という印象だった。

障害者問題を経済学で中立的に善悪論ではなく行動の動機づけや詳細な資料で詳細に解説。これは同業者に紹介すべき良著。

覚書
目の前にいる障害者に対して健常者がとる行動を席をゆずる、無視、ねたふりという反応にわけて健常者自身の壁を説明。
転ばぬ先の杖支援よりも生むが易し支援
障害者雇用納付金制度で障害者の7割 14万人の雇用創出効果
施設臭として管理的指導的支援をネーミング
社会問題全体との共通項

0
2019年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は障害者をめぐるさまざまな問題を経済学という分析道具で串刺しにし、読者にできる限りわかりやすい形で解説したものである(p.2)。

中島隆信氏は計量経済学を専門とする経済学者で、「大相撲の経済学」、「お寺の経済学」、「オバサンの経済学」といった斬新なテーマの本を数々執筆している。そんな著者が今回テーマにしたのは「障害者」である。障害者をめぐる法制度や置かれている現状や課題を丁寧に解説し、経済学的視点からの解決策を述べている。

丁寧な取材にもとづいて執筆されたということがよくわかる本だった。ETV特集『生きづらさに向き合って~ある精神科クリニックの挑戦~』(NHK、2014/11/15日 初回放送)内で取り上げられた「浦河べてるの家」や、「バリバラ ~障害者情報バラエティー~」(NHK)も本書で取り上げられており、著者の本テーマの関心の高さが垣間見えた。経済学を学んだ私にとっては物足りなかったが、経済学手法で障害者問題を考えるというのは新鮮で、ためになる内容だった。

本書に書かれていることは障害者問題に限らず、社会に存在するあらゆる差別・不条理を考える際にも参考になる内容だと感じた。また経済学の知識が無くても十分理解できる内容であり、入門知識があればさらに内容の理解が深まるだろう。

社会問題に関心のあるすべての人にぜひ読んでほしい本。

0
2015年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛を否定する。愛は仏教では価値がない。仏教で価値があるのは慈悲。他他者を思いやる気持ち。他者の救済を重視。自分より他人。

0
2013年02月21日

「社会・政治」ランキング