あらすじ
鬼の一族が棲まう「繊月の里」には、三つの尾を持つ妖狐の少女が鬼に交じって暮らしている。彼女――縁は、幼い頃、腹部に火傷を負って倒れていたところを旅籠屋の次男・琥珀に助けられ、彼が縁を「自分の嫁にする」と宣言したことがきっかけで、鬼の一家と共に暮らすようになった。優しくにぎやかな一家に愛されてすくすくと育った縁だったが、成長するにつれ、琥珀や家族との種族差に疎外感を覚えていく。そんな憂いを抱えていたある日、縁の前に彼女のことを「花嫁」と呼ぶ美しい妖狐の青年が現れて……? 傷を抱えた妖狐の少女×寡黙で心優しい鬼の少年の本格あやかし恋愛ファンタジー!
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ好きでした、、、いっぱい泣きました(´;ω;`)♡
弱気を守る羅刹鬼の一族の家族の温かさに心がぽかぽかと温かくなります。異種族に厳しい幽世で鬼でない上に生涯消えない傷を持つ妖狐の少女を保護し、幼いながらに傷ごと引き受けて一生守ると嫁に望んだ琥珀のまっすぐさにきゅんです♡
その「傷」が意味することと度々出てくる琥珀の背負う「罪」の本当の意味に気づいた時、それでも琥珀が選んだ選択とこれまで縁を大切に守り抜いてきた優しさと気持ちの強さに琥珀の本気を見て涙が止まりませんでした...!!
それだけでも驚いたのに妖狐という存在が織り成す夢幻にさらに驚かされ、賑やかだったお宿の火が消えてしまったような静けさに淋しさが溢れました...。
夢幻で全てを守り愛情を知らずに抜け殻のように空っぽのまま育ってきた妖狐の一族とどこまでも愛情深く懐の深い羅刹鬼の家族愛が対照的で、そんな素敵な一族からたっぷりの愛情を受け、縁を結んだ縁は本物の家族以上に大切な鬼の愛娘なんだなぁとじんわりうるうるです( இ﹏இ )
兄妹のように育ち仲良しでいつか結婚すると言われた2人が成長するにつれ、思春期特有のよそよそしさや距離感ができるじれじれな様子をニマニマと眺め、暖かくて太陽みたいな豪鬼丸の懐の深さにほっこりし、本当の母親以上に甘やかしてくれる玖蘭が微笑ましくて、だらしないけどいざと言う時はちゃんと頼りになる黎雪のかっこよさに羅刹鬼の誇りを感じ......素敵な家族の様子に心温まりました。
はっきりせず、どこか迷うようなどっちつかずな琥珀に思うところもありましたが、琥珀が抱えてきたものの重さを知ると琥珀の覚悟の重さを同時に知り、納得でしたし、本当に羅刹鬼らしいかっこいい鬼だなと惚れ惚れしました⟡.*
2人の縁が豪鬼丸が名付けた意味の通りにちゃんと二人を繋いでくれて良かったです♡
Posted by ブクログ
本屋さんで一目惚れ、表紙買いです。こういうシンデレラファンタジー小説大好きです。
人間の住む現世とはまた別の世界、あやかしの住まう幽世でのお話。
幼い頃に鬼の琥珀拾われ、鬼の里で育てられた妖狐の縁。鬼の家族は優しいですが、狐のくせに鬼の里にいるため他の鬼からはいじめられています。自分の存在意義を疑い始めたところに、同じ妖狐の青年が現れ「許嫁」だと言われ…。
縁がどこからきて、なぜ捨てられたのか。幼き日の琥珀と縁、2人の間に本当は何があったのか…。
物語後半で明かされていく数々の真実の連続には圧巻でした。
波乱だらけの2人の恋路。幸せになるのを見届けたいです。