あらすじ
19世紀末ロシア、独立直後のジャマイカ、サイバー空間――様々な時と場所に現れた、「宇宙」をめぐる思想。分子となって銀河に散らばる全祖先の復活を唱える者、自らのルーツを土星に見出し異形の音楽を創り出す者……。果てなき頭上の漆黒に、人は何を見るのか?
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Posted by ブクログ
やはり木澤氏の本は面白い。ロシア宇宙主義、アフリカ思想、サイバーパンクなど現代にも大きく関わる思想でありながら一般にはほとんど知られていない思想を紹介されている。本書も目から鱗のことばかりだった。
Posted by ブクログ
新年初めにCESが行われました。報道を見ると今年はAI、AI、AIで、AIをテーマにした企業同士の連携、提携の話題ばかりが目につきました。そもそもはコンシューマー・エレクトロニクス・ショーとして最先端のテレビがお披露目される見本市だったと思うのですが、インターネット、データ、AI,という流れの果ては、いけてる技術を「見る」イベントから、世界中のテクノロジーに「見られている」ことを見せつけられるイベントになっているような気がします。個人をエンパワーするはずのテックの行く末…本書で「規律権力」から「環境管理型権力」へのシフトに触れられた時、ワクワクしなくなったCESを思い出したりしました。このように本書は今起こっていることとある種のユートピア発想を結ぶ補助線がいっぱい引かれています。冒頭では現在進行形の戦争について「大ユーラシア主義」という補助線が引かれます。マイルスにも、ガチャにも、SNSにも、メタバースにも引かれます。ものすごく頭をシェイクされそしてものすごく整理された気分です。とはいえまだぐるぐる中なので上手く思考の回路が生まれるかどうか、わかりませんが…とにかく近代史と現代史を結ぶ一番太い補助線はサブカルチャーとかユートピアとか中心にないもの、ということだと思っています。今日はここまで!
Posted by ブクログ
ソビエトが、西洋の近代を、西洋由来のイデオロギーとアメリカの資本を使って乗り越えようとしていた。
へぇぇぇ。
VtuberやVRなどサイバー空間に体を移し、肉体を超越する思想を実現するためには、空間に入り込むためのデバイスを装着して認知出来る健常な身体が必要という矛盾。
所々話が分からないまま読み進めた。また読み返したい。
Posted by ブクログ
ロシア宇宙主義から始まって、アフロフューチャリズムからサイバースペースまで、人間が夢見てきた「未来」や「ユートピア」はことごとく失われたのか…という話?
Posted by ブクログ
2025年3月19日、グラビティにてグラ友の東大生が投稿してた。帯に「イーロン・マスクはなぜ火星を目指すのか?」って書いてあり興味増した。
「インターネットを使うなかで闇を見てしまうことはあると思う。インターネット空間でどのようにして私たちはアンダーグラウンドなものに足を取られず、深層を覗かずにどう生きていけるのか、その問題を考えるうえで木澤さんの本書はすごく役に立ちそう。
この本は理論的にならず書いているので、頭を使ったり行間を読んだりする必要がない、議論の交通整理という意味でとても質の高い内容だと思います。
人文学のサイエンスコミュニケーションも大事だと思う。本書を読んでそういうことも考えた。
近年の「監視資本主義」やメタバースの言説に対する言及もある。ロシアの知性に対する言及もあるのでその議論に興味のある人も読むと良い本だと思う。」
Posted by ブクログ
19世紀ロシアからイーロンマスクからVtuberまで、様々な世相に対する著者の徒然録といったもの。著者のバックグラウンドなのか、ロシア思想的な部分多め。
バ美肉については、音楽のエレクトリックボリスに絡め、自己の否定と縮小と捉えマゾヒスティックな自傷行為としているが、VTuberについては身体性から解放される表現行為と開明的なものと捉えているのが興味深い。
Posted by ブクログ
ロシア宇宙主義とユーラシア主義、サン・ラー、サイバースペース…というかスキナーの行動分析学とフーコーの『ユートピア的身体』、と特に新しいことはないけれども「朽ちた未来の破片をサルベージし、それに一条の光を当てる」企画として面白かった。
特に新しいことはない、というのは何というか、SFマガジンのコラムっぽいコラムだなぁということです。
Posted by ブクログ
とりあえず、言葉が難しい
著者の知識量は素晴らしい
もっと知りたい、とおもえるけど
もう少しわかりやすい言葉を使って欲しかった
サルベージ、オルタナティブ、パラフレーズ
ジャンクヤード、プリシェヴィズムなどなど
初めから???な単語の連発で
わからないところをすっ飛ばして読んでも
興味深い内容だったので、もう少しわかりやすく書いて欲しかったと思います。
なので、感想としては、難しい、、、
けどへーなるほどーな感じです。
ちょっと眉唾的な笑
笑えるとこもあります。
すっ飛ばしつつ読んだ、SF初心者の感想として
多くの今までの文化、社会の中で、哲学者や、歴史に名を残すような人が、
本気でそう思ってるの?
本気でそんな世界を信じてるの?
って思うような主張をし、
そこに、社会の流れがついてきて、
思想がうまれてきた、
本当にどこまでが事実なの?
SF小説なのー?と思う事実を知り、
驚きました。
馬鹿げてるってことは世の中にないんだわー
そして、
SFが事実に基づく背景の上に描かれてるからこそ、
SF小説の中に、現在や、ほんの少し先の未来を想像し、
それぞれ読む人の価値観で作り上げられる、
新しい世界、社会を自分で空想し、創っている、
それがSFの読むのが楽しい理由のひとつなのかなー
と思います。
そこから、信念を持って、何かに突き進む
人たち、イーロンマスクみたいな、、、
ひともでてくるわけだし。
また、
どんな時代や社会、環境に生きた著者がかいた本かって
いうところも、結構影響してるんだなーと
つくづく感じました。
それでも、名作と言われる本が時代、場所をこえて
名作になるには、人間の共通の何かが
あるんだと思います。
いろんな思想や、やり方、あると思いますが
それが、誰もが幸せになるような何かで
そこに誰もが憧れ、願い、向かっていると
信じたいです。
Posted by ブクログ
ロシア宇宙主義、アフロフューチャリズム、サイバースペース。
テック企業家の徹底的生命延長への指示と資金提供、メタバース思想の保守性、増加する一方のサイバースペースの電力消費の話などが面白かった。