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Posted by ブクログ
自分を苛む嫉妬の感情に対処することを目的に、
佐藤優『嫉妬と自己愛 「負の感情」を制した者だけが生き残れる』にて推薦されていたため、購入しました。
まず、嫉妬とは何かを考えたとき、
"他人が順調であることをにくむ感情"
という定義は、言い得て妙だと感じました。
本書では、偉人の例を取り上げ、嫉妬がいかに危険なものであるかを教え、他人の嫉妬を買わないように警告しています、
自分の場合、嫉妬を買う側ではなく、抱く側だったのですが、本書の例を読み、体感した嫉妬の罪の大きさに、いつの間にか自分の抱える嫉妬が小さくなっていました。
私は秀才でも天才でもありませんが、沈黙は金なりという言葉を心得、そうは言っても、勇気まで失わないよう精進していこうと思いました。
Posted by ブクログ
勉強が出来る子は性格もいい,美人はキャラも美しいあるいは性格はブスなど,ある特徴とある特徴を結びつけて人物理解を簡単にする試みの中に,出世や活躍をする人は人物者であるというものがあるが,別物なのだと冷静に考えれば至極当然なことについて,これでもかと例証してくれる。
森鴎外やスターリン,毛沢東,東条英機くらいなら聞いたことがあったが,大海人皇子に対する中大兄皇子,忠長に対する家光,義経に対する頼朝,勝海舟に対する徳川慶喜,西郷隆盛に対する島津久光などそういえばというものまで歴史は嫉妬だらけ。
天才,秀才から凡人まで,嫉妬は万民に公平なんだ。
ただ,女性の嫉妬より男性の嫉妬の方がやっかいだと,世界史を嫉妬という目線から眺め渡した男性の著者がそういうのだから,きっとそうなんだろう。
以前,血なまぐさい日本画の大作を見てその強烈さに半日気持ちが悪かったことがあったが,そのことも載っていた。
前漢の高祖劉邦の正妻呂后が跡継ぎを産んだ寵姫の四肢を切断し失明させ舌を切りトイレに住まわせ人間豚として見世物にしたという逸話。壁いっぱいの絵にした画家の興味の方向性も気になるけど,西太后といい,歯止めのきかない人っているのね。
正室は臣下も追い落としまくり,この女性の死後は逆に,一族郎党皆殺しにあったとあるので,全体としておあいこなようにも見えるが
嫉妬の対象となって人生変わってそのまんまという人のほうが多く,受け流してさえいればそのうち消えてなくなるとか,抗い闘った方が勝率があがるとか,ゴールデンルールが見えてくるわけでもないので読後感は良くない。
実力を発揮しながら嫉妬をできるだけ受けずにやり過ごすためには相当のバランス感覚と大局観と感情制御術を要することはわかるのだけれど,そういう人は滅多にいないと著者も書いているので,誰もが嫉妬し嫉妬されると思っていた方がよさそう。
学者の世界の足の引っ張り合いも書かれているが,他の逸話と比較するとせこく幼稚っぽく,嫉妬を視野に入れた駆け引きを繰り広げるでもなく,一番つまらない章だった。
学校の勉強や学問に秀でるだけでは人間の全体は育たないことを自戒と共に改めて実感。
Posted by ブクログ
「嫉妬」という観点から、歴史上の人物を分析する。
アイデアは面白いが、何度も読むような本ではないかな。
著者はやや難解な言葉遣いを好むよう。
徳川慶喜、島津久光、呂后、森鴎外、近藤勇、ロンメル、中谷宇吉郎、牧野富太郎、石原莞爾、東条英機、カエサル、スターリン、島津義久、ゴードンなど。