あらすじ
【電子書籍版には対談は収録しておりません。予めご了承ください。】なぜ、藤井聡太は強いのか――その理由を師匠である著者は、次のように分析する。人は誰もが好き嫌いや得意、不得意があるものだが、将棋に関して藤井は、そのような視点で相手を見ていない。見ているのは、後世に残る棋譜を残したいという思いだけだ。つまり、タイトルに関しても周りが騒ぐほど大きな関心を寄せていないのではないか。そのことによって平常心が保たれ、盤面に集中することができているのだ。「相手に勝ちたい」「タイトルを獲りたい」では、そのことがゴールになってしまい、燃え尽きてしまう。しかし、藤井聡太の思いは、純粋に将棋を楽しむことなのだ。本書では、師匠が、藤井聡太の集中力、構想力、平常心、探究心を余すところなく語る。本書を読めば、藤井聡太のように考えることができるかもしれない。 ●リスクを恐れなければ、それはリスクではない ●構想力とは、人生の目的である ●藤井は、なぜ携帯電話を近くに置かないのか ●面倒なことをすることが集中に繋がる ●集中しているのを忘れる時こそ、集中している ●得手不得手、好き嫌いが、平常心を妨げる ●客観的な「正解」ではなく、主観的な「良い手」を指したい 圧倒的強さの秘密に迫る!
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Posted by ブクログ
強い理由とは、常に将棋のことを考え、研究していること。
そこには集中力、構想力があり、探求心がある。そして常に平常心を保っている。しかし、その姿は「努力」というものとは少し違うもののようだ。
将棋が好きで、将棋と共にいることが幸せであるということの結果なのかもしれない。
藤井氏本人の言葉をベースに師匠の杉本氏が実話と推測を交えて藤井総太の魅力を語っている。
将棋だけではなく、生き方として学ぶことが多い一冊だった。
才能があるのは勿論だが、とにかく将棋が好きであることが強い理由だと思う。
藤井総太氏については推測して書かれている点も多い。間違いはないのだろうけど、やはり本人の言葉をもっと読みたいと思った。
Posted by ブクログ
2023年の第八十一期名人戦で名人位を獲得した棋士の藤井聡太。
師匠が初めて明かす、藤井流の「心の整え方」「頭の使い方』。
キーワードとしては、
* 純粋さ
* 構想力
* 集中力
* 平常心
* 探究心
* 才能
といった言葉が並ぶ。
言葉通り受け止めるのではなく、これらの言葉で表現される藤井の「マインド」の状態をいかにイメージできるかがポイントであろう。
例えば、構想力については、
根底にずっとあるのは、最善手を追求する、・・・ための構想であり、勝つための構想とは異なるということ。
最善手というのはいい将棋であり、人に感動を与えるもの、そうした棋譜を残したいということのようだ。
そういえば、英語会の3年の時に "Crimes of the Heart" を作った時は、良いドラマを作れば優勝はついてくるといっていた。
さらに、将棋は、AIと人間が比較されることの最も多い領域の一つだが、AIとの関係における将棋や棋士の可能性について、新聞記者から問われた藤井は次のように答えているとのこと。
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「将棋の結論を知ることと将棋への理解を深めることは異なります。自分は結論を知りたいわけではなくて、理解したいんです。」
そして、
「棋士の価値は見る方が決めるものですが、自分は棋士の価値を信じています。そして客観的な「正解」ではなく、主観的な「良い手」を指したい。
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これは、AIに人間の楽しみを渡さないという宣言だ。