あらすじ
【電子書籍版には対談は収録しておりません。予めご了承ください。】なぜ、藤井聡太は強いのか――その理由を師匠である著者は、次のように分析する。人は誰もが好き嫌いや得意、不得意があるものだが、将棋に関して藤井は、そのような視点で相手を見ていない。見ているのは、後世に残る棋譜を残したいという思いだけだ。つまり、タイトルに関しても周りが騒ぐほど大きな関心を寄せていないのではないか。そのことによって平常心が保たれ、盤面に集中することができているのだ。「相手に勝ちたい」「タイトルを獲りたい」では、そのことがゴールになってしまい、燃え尽きてしまう。しかし、藤井聡太の思いは、純粋に将棋を楽しむことなのだ。本書では、師匠が、藤井聡太の集中力、構想力、平常心、探究心を余すところなく語る。本書を読めば、藤井聡太のように考えることができるかもしれない。 ●リスクを恐れなければ、それはリスクではない ●構想力とは、人生の目的である ●藤井は、なぜ携帯電話を近くに置かないのか ●面倒なことをすることが集中に繋がる ●集中しているのを忘れる時こそ、集中している ●得手不得手、好き嫌いが、平常心を妨げる ●客観的な「正解」ではなく、主観的な「良い手」を指したい 圧倒的強さの秘密に迫る!
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Posted by ブクログ
今週、同じようなことを言っている場面に3度遭遇。
1. 本書で師匠の著者が弟子である藤井聡太にあれやこれや教えるのではなく、自分で考えさせること(彼はもともとそういうタイプだったとのだが)
2. NHKの「プロフェッショナル」で少年野球の監督の辻さんが同じように、勝つためにあれこれ指示するのではなく、自分たちで考えさせる指導に変えたと。
3. 朝ドラの「ブギウギ」で、両親が進路について自分で考えて選んだことを、自分たちの選択が正しかったと思っていること。
本書は、藤井聡太の師匠の著者が、彼の構想力や集中力などについて、小学生の頃からのエピソードを織り交ぜて、身近にいるからこそわかる彼の考え方、頭の使い方などを語る。
将棋の世界ばかりではなく、ビジネス界での仕事への向き合い方、更新指導方法などについても参考になると思う。
Posted by ブクログ
藤井聡太さプロんの師匠、杉本プロからみた藤井プロの姿。
目先の勝利よりも、好奇心。
考え抜くことが、好き。
AIを使った研究。集中力の配分(バランス)。
Posted by ブクログ
ざっくりまとめ
・強くなるため、血の滲むような努力をしてここまできたのではなく、好きという気持ちが自然と常に将棋のことを考えるようにさせている。
・相手を見ているのではない。相手に勝つのではなく、よい将棋がしたい。
Posted by ブクログ
藤井くんのことを知りたいと思って借りた本。
もちろん将棋の話です。あまり将棋に明るくないので少し難しかったですが藤井くんの考え方などがわかる本でした。
Posted by ブクログ
藤井聡太八冠の師匠杉本昌隆八段による、藤井聡太の強さの秘密をスキルとメンタルの面から探る本書。
あるインタビューで藤井は、「自分が強くなるために負けが必要である場合、(目の前の勝負に勝つのと)どちらを取りますか」と言う質問に対して、「負けを受け入れる」と答えていたという。
目先の一勝よりも強くなることを優先する彼の将棋観は、対局での序盤からの長考の姿勢にも見て取れる。
楽をせず将棋の真理を追求する姿、タイトルの数や記録に振り回されずより強くなることを唯一の目標とする姿はいつ見ても清々しい。
将棋を楽しみ、ブレない目標を持つ、そんな直向きな姿が藤井聡太八冠の魅力なんだと改めて実感しました。
Posted by ブクログ
藤井聡太さんという人をもっと知りたい、と思って手に取りました。
・・・将棋の勝負や棋士のことが書いてあっても、具体的にどうすごいのか、じつはピンとこない、という例も多々あり(笑)。
将棋や棋士に詳しい人ほどより楽しんで読めるかな、と思いました。
Posted by ブクログ
強い理由とは、常に将棋のことを考え、研究していること。
そこには集中力、構想力があり、探求心がある。そして常に平常心を保っている。しかし、その姿は「努力」というものとは少し違うもののようだ。
将棋が好きで、将棋と共にいることが幸せであるということの結果なのかもしれない。
藤井氏本人の言葉をベースに師匠の杉本氏が実話と推測を交えて藤井総太の魅力を語っている。
将棋だけではなく、生き方として学ぶことが多い一冊だった。
才能があるのは勿論だが、とにかく将棋が好きであることが強い理由だと思う。
藤井総太氏については推測して書かれている点も多い。間違いはないのだろうけど、やはり本人の言葉をもっと読みたいと思った。
Posted by ブクログ
2023年の第八十一期名人戦で名人位を獲得した棋士の藤井聡太。
師匠が初めて明かす、藤井流の「心の整え方」「頭の使い方』。
キーワードとしては、
* 純粋さ
* 構想力
* 集中力
* 平常心
* 探究心
* 才能
といった言葉が並ぶ。
言葉通り受け止めるのではなく、これらの言葉で表現される藤井の「マインド」の状態をいかにイメージできるかがポイントであろう。
例えば、構想力については、
根底にずっとあるのは、最善手を追求する、・・・ための構想であり、勝つための構想とは異なるということ。
最善手というのはいい将棋であり、人に感動を与えるもの、そうした棋譜を残したいということのようだ。
そういえば、英語会の3年の時に "Crimes of the Heart" を作った時は、良いドラマを作れば優勝はついてくるといっていた。
さらに、将棋は、AIと人間が比較されることの最も多い領域の一つだが、AIとの関係における将棋や棋士の可能性について、新聞記者から問われた藤井は次のように答えているとのこと。
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「将棋の結論を知ることと将棋への理解を深めることは異なります。自分は結論を知りたいわけではなくて、理解したいんです。」
そして、
「棋士の価値は見る方が決めるものですが、自分は棋士の価値を信じています。そして客観的な「正解」ではなく、主観的な「良い手」を指したい。
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これは、AIに人間の楽しみを渡さないという宣言だ。