あらすじ
近頃SNSなどを見ていると、声が大きい人、相手を言いくるめるのが上手い人が発言力を増しているように思われる。「声が大きい方が勝ち」「言い負かした方が勝ち」――それは間違いである。論破、反論よりも本質的で大切な力。それが「議論力」だ。異なる考え方、ものの見方をする他者と建設的な議論を行い、合意形成を導くスキルが身につく決定版!
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Posted by ブクログ
著者も言うように、相手を言いくるめた者勝ち、強く言った者勝ちという風潮には常々疑問を感じています。
議論とは、意見の異なる人を攻撃することではなく、意見を交わし対話を進めることで相互理解を深め、合意形成に向かうプロセスです。
私は議論はあまり得意ではありませんが、人格攻撃ではない正当な議論の術を身に付けておくことは、処世の上でとても大事なことだと思ってます。
著者は本書で三段論法の重要性を説きます。
演繹法ってやつですね。
その基本的な仕組みは、「大前提」に「小前提」を入れると「結論」が出る、というもの。
全ての人間は死ぬ→ソクラテスは人間である→ゆえにソクラテスは死ぬ、っていう有名なアレです。
だから、そもそもの大前提がおかしかったり食い違ってたりしたら、結論がおかしくなったり食い違ったりする、ということになります。
大前提は「価値観」とも表現出来るもので、そこが異なる人との議論には念入りな戦略が必要になるわけです。
ちなみに、「それはあなたの主観ですよね」というセリフは、論理の希釈であり議論からの逃避ということになります。
そもそも各人の意見とは個人の主観や価値観に基づくものなので、そのセリフを吐いた時点で歩み寄りが出来なくなり、議論にならなくなってしまうので要注意です。
あとは、小前提となる事実について、特殊事例をあたかも一般的な事例のように拡大解釈するのも間違いのもとなので、気をつけたいものです。
陰謀論やデマや詐欺から身を守るためにも、相手の言うことを鵜呑みにするのではなく、正しく議論をするスキルは必要です。
いい勉強になりました。
Posted by ブクログ
三段論法がわかりやすく論じられている。
意見とは、客観的な情報だけでなく、自分の価値観を理屈立てて人にわかるように説明すること、ということを把握できるだけでも価値がある一冊だと思う。
Posted by ブクログ
ロジックのプロである弁護士による本。声の大きさと正しさは関係ない。けしからん、には理屈がない。三段論法の大前提と小前提。相手の価値観から来る大前提を小前提から逆算。価値観が対立する相手を説得することは困難。事実を伝える順序を工夫して相手に聴く耳を持ってもらう。分からないことは分からないと言う、世の中に謙虚であれ。原則と特殊事例の逆転。
Posted by ブクログ
・「意見」は、事実を「価値観」で評価し、「理屈」を伴わせて言葉にしたもの。
・意見を言うときは、「好き嫌い」の前に「良い悪い」を意識することが大事。
・「自分はどの立場を取りたいのか」という価値観がなくては「意見」にならないのです。いいかえれば、絶対的な政界が存在しない以上、「意見」とは「どんな大前提の下で理屈を立てたいのか」という自分の価値観にかかっているわけです
・「事実」は「だれが見ても同じこと」
・特殊事例を拡大解釈するべからず
・建設的な議論にするためには「建設的な質問をする能力」が欠かせない
・自分の意見や見解が含まれていない質問は「愚問」
・建設的な意見とは「何のために聞くのか」という意図が伝わる質問
Posted by ブクログ
説得力ある議論のための、シンプルな方法を紹介しています。
三段論法のことをわかったつもりだったのですが、この本を読んで、大前提、小前提、結論の関係性がよくわかりました。
三段論法は破綻を招かないようにという、話し手としての論理の構築にも役立ちますし、相手の意見の違和感の正体をつかむためにも有効な方法だと思いました。
議論をするためには、知識や事実が最も重要であることも学びました。
よく知りもしないのに議論をすることは論外だとは思っていましたが…。口の上手い人の屁理屈に騙されないように気をつけたいと思います。
Posted by ブクログ
カルト団体や悪質業者と日々戦い続けている紀藤正樹氏。相手をいいくるめた者勝ち、強くいった者勝ちという言論空間が発生している現状に対する強い疑問と懸念を示したのがこの一冊。議論とは意見を投げかけ合うという形式の対話で、議論を成立させるには、相手の意見に耳を傾け、自分もまた意見を発する必要があるという。また、大きい声が正しいとは限らないことも強調しており、この点には強い共感を覚える。相手の押しの強さに負けないよう、決して流されないように。筋の通った理屈で対抗する姿勢が重要である。
Posted by ブクログ
題名だけ見ると「あの紀藤さんがまさかの『論破系』?」とびっくりしてしまいそうだが,内容は如何に正しく議論し,論点を炙り出し,合意形成に至るのか,と言う至極真っ当な内容(当たり前).
所謂『論破系インフルエンサー』について随所でチクチクやってるのもニヤリで大変良かった.
でも一点だけ,「トンデモ本に騙されない読書法」についてはやや危ない,と思った.と言うのも,何かを知ろうと思った時,まさに最初に触れる情報によっては「トンデモ本5冊」選んでしまう可能性もある…と言うか非常に高いわけで,その時点で相応のリテラシーと言うか知性が求められてしまうわけで.
5人の人から1冊ずつ紹介してもらうとか,もう一歩踏み込んだ形の提案の方が安心できたかも.
読書こそが大人の学びだと思っているだけに,「トンデモ本5冊」の可能性について,つい考えてしまいました.
Posted by ブクログ
論破するための本ではなく、相手の価値観と違う場合にどう考えるべきかというような本でした。
一時期「それはただの感想でしょう?」みたいなセリフが流行りましたが、
その時に意見やら感想やらどう違うのかわからないままでただ「嫌なセリフだな」としか思っていませんでしたが、
この本で、意見とはこういうことかと参考になる部分がありました。
意見を持つ、議論をするトレーニングとしてはちょっとむずかしいかったですが、
著者が弁護士なので、実際にあった事件が例として使われていて面白かったです。
もう最初の「意見」とは「価値観」プラス「理屈」の理屈の部分でわからずひっかかり、半分以上読み進めても結局どうすれば?と思ったりもしましたが、それを過ぎればただ攻撃してくる人の言葉を正面から受け止めて傷つくとうことがなくなり、こういう価値観があるのかなと考えられるようになったかなと勉強になりました。