【感想・ネタバレ】カム・ギャザー・ラウンド・ピープルのレビュー

あらすじ

おばあちゃんは背中が一番美しかったこと、下校中知らないおじさんにお腹をなめられたこと、自分の言い分を看板に書いたりする「やりかた」があると知ったこと、高校時代、話のつまらない「ニシダ」という友だちがいたこと……。大人になった「私」は雨宿りのために立ち寄ったお店で「イズミ」と出会う。イズミは東京の記録を撮りため、SNSにアップしている。映像の中、デモの先頭に立っているのは、ドレス姿の美しい男性、成長したニシダだった。イズミにつれられてやってきたデモの群衆の中、ニシダはステージの上から私を見つけ、私は逃げ出した。敷き詰められた過去の記憶とともに……。芥川賞候補の表題作他3編を収録。

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Posted by ブクログ

芥川賞候補になった表題作ほか全4篇。どれも面白かった。「ススキの丘を走れ」のヤスダくんが眩しいくらいかっこいいし、その自己肯定感を支えたクラスも素敵だ。「マンディリオンの犬」で、タロジロとハチ公の違いを表現した箇所に唸った。

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2025年06月11日

Posted by ブクログ

前半と後半で収録されている作品の色が異なります。個人的には前半二編の雰囲気、とりとめもなく自分の頭のなかでだけ繋がっては次に移る記憶や感情のフワフワした感覚を追体験できるものが面白かったです。
妙に生々しくてほの暗い。

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2025年01月27日

Posted by ブクログ

タイトルの「カム・ギャザー・ラウンド・ピープル」は、和訳すると、あらゆる場所でさまよう人々よ、ここに集まれ。ボブディランの「時代は変わる」という曲に描かれている歌詞の一部だそうです。時代にそぐわない人々が、新たな時代になっても、なかなか適応できない難しい日々を描いていると思います。シバちゃんが公園で出会ったのが高校の時の同級生のニシダだった。姿を変えてデモの中心に女装した姿で現れた。自分が変わってないのか、周りが変わりすぎたのか、日々錯綜する迷いが沸々と感じることができる。

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2023年10月07日

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