あらすじ
京北山の北山杉の里・雲ケ畑で、六歳のかえでは母を知らず、父の岩男、犬のヤマと共に暮らしていた。従兄の萬吉に連れられ、京見峠へ遠出したかえでは、ある人物と運命的な出会いを果たす。京に出たい――芽生えたその思いが、かえでの生き方を変えていく。母のこと、将来のことに悩みながら、道を切り拓いていく少女を待つものとは。光あふれる、爽やかな物語。
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Posted by ブクログ
2025年7月7日
山育ちの萬吉とかえで。
山の貧しく過酷な仕事をやっていた。
村社会の閉鎖的な生活。
すぐ噂になり、色眼鏡を恐れる生活。
そこから夢を持ち、何年もかけて準備万端にして京に出る。
秘め事の多い決死の覚悟の仕事。
魅力的な2人で、同化して読み進めていた。理想的な人物ではあるが、現実にはムリっぽい。
そこが良いのだろうと思う。
Posted by ブクログ
物語当初、かえで6歳、従兄の萬吉12歳
萬吉はこの年齢にして既に将来何か大きなことをやりそうな言動が至る所で見られ、かえでもそれに負けじと『自分』というものをしっかり持った6歳だと感じる。
しばらくの時を経て京の地において、互いに別の分野ではあるが職人としてそれぞれの道をめざす。真面目な性格と怠らない努力で周りから評価される職人にかえでも萬吉もなってゆくが、何より感じたのは2人の人間性。
人間として素晴らしい人には、それ相応の人が手を差し伸べ、結果として人に恵まれる。
かえでと萬吉、2人ともそれなりの評価を得られる職人となり物語は終わるが、2人にはきっと明るい未来が待っているだろう。
続きがあるならば読みたいと思わせるラストでした。
Posted by ブクログ
「出絞」とは染物かと思ったら銘木のことのよう。出絞繋がりで色々な出会いがあり、従兄弟の萬吉が修行にゆき、修行先で認められるようになる。少女のかえでも色々な人々に助けられ「花かんざし」に辿り着く。二人とも聡明であり、誠実なことも読んでいて爽やかな気持ちになる。かえでの一人立ちで終わるが、二人の将来(結婚?)ももっと読みたいと思った。
「新酒番船」も読切だったが、シリーズ化は年齢的に無理という事か、軽く読めて爽やかな本に移行中のようだ。
Posted by ブクログ
綺麗な表紙に惹かれて購入。
真面目で賢い2人を取り巻く人々の面倒見の良さ。
みんな良い人。
意地悪な話が何もないのが良かった。
萬吉とかえでの未来に幸あれ。
Posted by ブクログ
読書期間;12月2日から12月4日
今も昔も、地方出身者は、都会など大きな街に憧れを持つみたいです。母を知らずに育ったかえでは、ある人物の運命的な出会いで、京の都に興味を示す。一途ですなぁ。