【感想・ネタバレ】あべこべのレビュー

あらすじ

稀代の呪物コレクター
初の書き下ろし怪談集

封印した話、深夜に戸を叩く者、
一〇〇枚の短冊が起こす奇跡、
何かが這いずり回る幽霊屋敷、
絶対に転んではいけない場所……他

(『あべこべ』はじめにより)
本のタイトルにもなっている「あべこべ」は私の代表作であり、怪談デビューの話でもあります。
ちょうど怪談と都市伝説の間のようなお話で、すごく気に入っています。
「あべこべ」はひっくり返る、反対、さかさなどの意味があると同時に「彼方此方(あちらこちら)」とも言い換えることができ、いろいろな場所や方向などを意味します。
本書に収めたお話はまさにいろいろな場所で、いろんな方から聞きました。
怖い話もあれば、不思議な話もあります。
いままで聞いてきたなかでも特に気に入っているお話を選びました。
此方(こちら)の世界ではなかなか体験できない、彼方(あちら)の世界のお話。
『あべこべ』の世界を読んで体験してみてください。

【目次】
あべこべ/白い手/予感/傘がない/橋津の海岸/五島のガッパ/犬を飼ってはいけない村/芋虫/転ぶな/鮎釣り/黄昏時に歩く人/迷い家/まぼろしのうどん/マナーさん/犬の話/ガジばあ伝説/シュガーポット/深夜に戸を叩く/不意な来訪者/関東の幽霊屋敷/宿直/飛び降り/高松の幽霊屋敷/沖縄の事故/知らない男がついてくる/インド逃避行記/311/犬鳴トンネル/それに会うと/抱き人形/カミサマ

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Posted by ブクログ

どの話も怖かったり、不思議な話だった。表題作の『あべこべ』は、生きている者と死んでいるものの区別が曖昧になり、まさに「あべこべ」な状態が描かれていた。

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2024年01月09日

Posted by ブクログ

一気読み。
本の作りもとてもよかった。活字の感じとか。
田中俊行さん前からずっと気になってて格好いいひとだなーと思ってたけど文体も好きだ。間に挟まってる絵も良い。好み。
気になったり良かったり怖かったりしたはなし。
『あべこべ』『予感』『橋津の海岸』『芋虫』『まぼろしのうどん』『マナーさん』『犬の話』『深夜に戸を叩く』『それに会うと』
『あべこべ』はやっぱり怖い。手の甲を打ち合わせるって普通に出来へんし。
『まぼろしのうどん』は過去の世界に行ってたってこと。めっちゃ興味深い!
『犬の話』はかわいすぎる。おっちゃんが柴犬のはなしを聞くとことか想像しててもかわいい。

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2023年08月02日

Posted by ブクログ

オカルトコレクター・田中俊行氏の怪談集。2023年作品。田中氏単独の著書で、怪談集は初の著書です。

これは、予想外に素晴らしかったです。とにかく、文体が良い。ちょっと、ハードボイルドな雰囲気もあって。正直、田中氏の、関西弁での面白い語りから、この文体は想像できませんでした。

聞き慣れた、あるいは聞いたことがある怪談も、全然違った印象になってますね。例えば、表題作でもある、田中俊行氏の代表的な怪談、「あべこべ」。ラストの一文で余韻を残すところが素晴らしいです。

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2023年07月30日

Posted by ブクログ

この方の怪談、よくyoutube等で耳にしていました。話も面白く、呪物展をやったりして昨今のホラーブームを牽引する存在、人柄も個性的で愛すべきキャラ的な認識でした。

長編小説の合間の箸休め的感じで(失礼!)本を手に取り読み始めた結果、、、。
とても面白かった。
特筆すべきは一話一話のクオリティ高さ
田中先生の人気の秘密、それは話のクオリティの高さだと認識を変えました。
短い話もしっかり怖い。怖さを伝えるのに最短距離かつ考え抜かれた構成、
愛すべきキャラではなく尊敬すべきホラーテラー!!
思わず紙呪もポチってしまいました。
次は箸休めでなくワクワクで挑読します。



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2025年03月12日

Posted by ブクログ

集めた怪談の短編集。

YouTubeもされていて、
呪物コレクターとして有名な
田中俊行さんの本。

動画も視聴しているので
知っている話もあったけれど
知らない話もあって楽しめた。

活字を通して、
空間や物音を想像して読む怪談は
動画視聴とはまた違った味わいがあり
面白かった。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔読んだ怖い本はいわゆる、ほんまかいな?みたいな話が沢山あり、それはそれで読んで肝を冷やしていた。
現在は実話怪談ど呼ばれるジャンルがあり、落ちがなく怪談なのか不思議な話なのか分からないような話を沢山見聞するようになった。これもSNSの影響だろう。
著者の田中さんは呪物コレクターで有名な方で本を読む前から語りの怪談を聞いて知っていたのだが文字で読むのと語りで聞くのはやはり違う。
語りの間、声色や田中さんの表情もあり同じ話だが全く感じ方が違うのが面白かった。逆に文字で読んだものを怪談で聞いてみたいと思いました。

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

人伝に聞いた怖い話を集めた本
ただただ気味が悪くて怖がらせるような話ではなく、ちょっと不思議な話や微笑んでしまうような妙な体験も描かれていて、うまく説明できないようなチグハグさが現実味があるように感じました。
以下、ネタバレを含むのでスクロール














好きだったお話
「深夜に戸を叩く」
お寺さんのお家に、夜中におまんじゅうが訪問してくる話。大吉だなんてとてもユーモラスで、微笑ましく感じました。こんな来訪者なら嬉しいかも。

「五島のガッパ」
子供の頃、鳴き声を交わしたガッパとの思い出。久しぶりに大人になって帰省してみるとガッパの声が聞こえなくなっていた。尻子玉を抜く怖い存在として、あるいは愉快な妖怪として登場するカッパ。姿を見たわけでもなく、ただ鳴き声を少しだけ交わした不思議な体験が、いつの間にか失ってしまった。怪談だけど何処かノスタルジーを感じるお話で印象に残っています。

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2024年03月29日

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