あらすじ
老朽化の進むマンションで、両親と中学に入って荒れはじめた兄と暮らすほのかは、古い土蔵がある隣の家のおばあさんが気になっている。近所でボヤ騒ぎがあった翌日、エレベーターで奇妙な人形を見つけたことをきっかけに、ほのかの身の回りでは不思議な出来事が起こり始めて――古道具に宿ったつくも神と人々の交流を描く、温かなファンタジー。巻末に岡本順による絵物語を特別収録。【『つくも神』より改題】
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Posted by ブクログ
両親と、中学になって『不良』になった兄と暮らす主人公。
最近、近所でボヤ騒ぎが起き始めた。
妙なものに遭遇したら?
それが『知り合い』だったら?
そんな不思議な状態の横で、古いマンション問題と
兄の不良の問題と、自分の友人間での立ち位置と。
女の子は面倒、と思わなくもないです。
幅を利かせていれば、それに冗長するのが人と言うもの。
結局、あの人が最初に集めていた煙草の吸殻は
本人のものだったのか、別の人のものだったのか。
勝手に夢物語を膨らませるのはいいのですが
現実を見ない大人にならないように…と
教訓が持てそうな『大人』でした。
Posted by ブクログ
書店の平積で、なんとなく気になりました。
伊藤遊さんの「となりの蔵のつくも神」です。
元は児童書らしいです。読みやすく分かりやすい、ファンタジー小説。
「物には10年で愛着が付き、100年で魂が付く」と言われます。そんな言葉を思い出させる、やさしい物語。
さすがに大人が読むには、刺激がたりませんが、ちょっと懐かしい感じで面白かった。
Posted by ブクログ
元が児童書なので、語り口や雰囲気が穏やかな作品です。
主人公の小学生のほのかちゃんがとあるきっかけからつくも神達と関わっていくお話。
登場するつくも神達が微笑ましくて、顔が綻んでしまいますね。一方で、小学生の目線で感じる友人達との関わりあいの難しさや、グレてしまった兄や母との僅かに影の射した関係等が丁寧に描かれている。
お父さんの見守り方が素敵だなーと思います。
グレてても心の底に優しさを残している雄一君も。
臼と井上さんのくだりは笑ってしまった。
臼GJ(笑)
心優しい彼等の傷がいつか治ると良いな。
Posted by ブクログ
もとは児童書なのでしょう。(きっと)
小学5年生、ほのかの日常におきる出来事の話。
近頃グレぎみのお兄ちゃんも何とかしたいし、同じマンションの住人でちょっと意地の悪い井上さんとは上手に付き合わなきゃならないし、学校のなかよし5人グループも女の子のことだからちょっと面倒。
そして、となりの大原さんのおばあちゃん家の土蔵には何かがいるようで・・・?
ほのかたち子どもの気持ちからちょっとずれているお母さん、意外にも子供たちの力を信じているお父さん、やさしいチヨおばあちゃんに見守られて、ほのかとお兄ちゃんはそれぞれの問題解決に奔走します。
道具が「なる」。
傷つき、壊れてしまうと「なれ」なくなってしまう道具たち。
それでも昔遊んだ子どもたち、よくしてくれる持ち主たちに向ける暖かい心が感動的でした。
※ネツケが「なった」姿のイラストもかわいくておすすめ!