【感想・ネタバレ】職場の発達障害のレビュー

あらすじ

「外来を受診する成人期の発達障害には、うつ病など従来の精神疾患で通院する人とは、異なる点が多い。何よりもまず彼らは普通の人たちで、一般の社会人だということである。受診する大部分の人はフルタイムかそれに近い仕事をしていることが多い。休職したり職がない状態であったとしても、仕事への意欲は十分に持っているケースがほとんどである」(岩波氏)。近年、「ギフテッド」(平均をはるかに超える知的能力を持つ人)が称揚されるなかで、天才とADHD(注意欠如多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)を結びつける傾向が強い。だが一方で上記のように、精神科を受診する発達障害の成人の多くは、働く社会人である。彼ら、彼女らは幼いころから積み重なった「周囲となじめない」負の記憶や、職場で浮いてしまうという悩み、問題行動による解雇などに苦しみ、自らの人生を何とかしたいと考えている。はたして、発達障害の特性にマッチした職場環境は得られるのか。薬物療法には効果があるのか。就労支援の制度や社会復帰のトレーニングをどう活用すればよいのか。「発達障害の人は働けない」という誤解を正し、本人・周囲にとって最適な就労への道を専門医が示す。 第1章 止まらない仕事のミスと対人関係の問題 第2章 ADHDをめぐる誤解――職場でどう接するか 第3章 ASD(自閉症スペクトラム障害)をめぐって 第4章 仕事とNeurodiversity 第5章 ADHDは治せる 第6章 ASDを治す

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Posted by ブクログ

成人になり、職場などで問題になりやすい、発達障害(ADHD,ASD)についてわかりやすく解説。特に事例をもとに解説されているのでわかりやすく、現場で活用しやすい書かと思う。主に医療面での対応が主で書かれているが、発達障害は医療だけでなく、環境調整として、周囲がいかに理解を広げていくかがポイントであり、ニューロダイバーシティの概念もあるが、発達障害のみでなく、誰もが働きやすい職場作りが、それ位以前の問題として重要かと思う。

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2024年08月09日

Posted by ブクログ

タイトルから期待した内容とは少し異なりました。

発達障害(ADHD,ASD)の方にどのように接するか?ということではなく、実例の紹介を通して、当事者の方がどのようなことを感じ、どのような悩みを抱えていらっしゃるかということを数多く学ぶことができました。

仕事に就くに際して、「オープン就労」と「クローズド就労」のいずれを選択するのかというのは職場の雰囲気や会社としての都合がありつつも一番優先されるべきは本人の希望とのこと。いわれてしまえば当たり前のことですが、当たり前を実現するって難しいのだろうなと思いました。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

ADHD
不注意 多動性

ASD
対人関係が苦手で、自分のやり方に固執する融通性のなさ

これらは頭の良さとは関係がない。
グループセラピーで楽になることがある。

今の社会では発達障害の人は生きるのが苦しいだろうなぁと思う。1人でできる仕事に就いたり、起業すればいいけど、みんなできるとは限らない

発達障害と名前がつけられる前、こういう人はどうやって働いていたんだろう?

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2025年03月09日

Posted by ブクログ

仕事において、実際に困る場面が具体的にあり、イメージしやすかったです。

治せるかどうか私には分からないですが、自分自身の特性と向き合い、前向きに過ごしていくことが大事なのかなと思いました。

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2024年08月04日

Posted by ブクログ

発達障害とは何か。その大きな括りの中にASD(自閉症)やADHD(多動症、注意欠陥)がある。社会的な話題として我が子を心配したり、友人を揶揄、自分を自嘲するような用いられ方をするものの、正しく理解されておらぬ危険性がある。

いじめや虐待によりASDや、ADHDが発症するものではない。先天的なものだ。成人期のADHDは、小児期に比べると、多動性が問題になる事は少なく、主に不注意、集中力の障害、衝動性と関連した問題が中心となる。時間感覚の障害に関しては、スマートフォンのスケジュール機能、アラーム機能の活用が推奨される。

本来多くのADHDはフレンドリーで対人関係を苦手としないことが多い。初対面でもすぐに友人になれたりする。しかし悪意は無いが、上司や同僚の間違いを人の面前で指摘したりすることで、対人関係を悪化させてしまうことも起こりうる。

感覚過敏はASDによく見られる症状である、ADHDにおいても珍しくは無い。ADHDと不安障害の併存については多く報告されている。

ASDの人は提携業務への適性が見られ、繰り返しコツコツする事務作業が向いている。ルールやマニュアルなど決められたものがあれば、単調であっても遂行が可能。経理、財務、法務のほか、個人情報の管理なども向いている。

果たして、俺多動気味、私注意欠陥かもという人たちのどれだけが真に当てはまるのか。深刻に悩む人に対して、軽微な症状の免罪符に使うのは、あまり良くないかも知れない。誰しも、忘れ物をする位はあるのだから。

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2024年07月14日

Posted by ブクログ

発達障害のことを一般向けに解説した本。
事例が多く、専門職の私が求めていたより深い知見は(新書の性格上当たり前だが)乏しかった。
ニューロダイバーシティーとギフテッドの箇所は、参考になった。
読み返す必要はない、処分しても良いくらい。
本棚のスペースが無くなってきたら、処分する本。

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2024年07月03日

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