【感想・ネタバレ】民主主義のファイブ・フォース分析 政治産業にイノベーションを!のレビュー

あらすじ

民主・共和の2大政党の党派的な対立で行き詰まるアメリカの民主主義を競争戦略論の大家マイケル・ポーターの産業分析のツールである「ファイブ・フォース分析」を使って分析し、具体的な処方箋を提示する異色の内容。
ポーターと企業経営者のキャサリン・ゲールは、政治を民間産業として捉え、選挙と立法の「競争」が不十分であることを明らかにする。そのうえで、選挙の仕組みのイノベーションとして、「優先順位付き投票」(Ranked Choice Voting=RCV)、つまり1人の有権者が最大で5人まで候補を選ぶことができ、「死票」を減らせる新しい投票方法を提唱する。

「政治というビジネスは、公的な制度ではない。公的な制度の内部に存在する正真正銘の巨大な民間産業だ。こうした新しい視点で政治制度を眺めれば、従来の考え方から解放される。紛れもなく公的なものである選挙・立法のルールを、利益をむさぼる民間人の影響力と支配力から取り戻すことが、いかに重要かが見えてくる。」(本書第1章民間産業から)

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Posted by ブクログ

経営戦略の大家であるマイケルポーターと元企業経営者による政治分野においてファイブフォースを取り入れて分析を行った本。

実際の分析のプロセスは正直どうなんだろと思うところ(そもそも政治分野に「競争」の概念を取り入れること自体個人的は反対)も多々あったが、世界一裕福なアメリカがなぜランキングではここまで下なのだろうか、近年の社会はなぜここまで劣化、あるいは格差が広がっているかなどの課題意識は、極めて正しいと思うし、読み物として面白い。

アメリカの二大政党制という極めて歪な政治構造にメスをいれることはなかなかできないけれど、新たな視座を提供してくれる本。

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2024年02月26日

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