あらすじ
シリーズ累計12万部突破
人生が交差する驚愕の傑作・刑務所ミステリー
ミステリー的な息詰まる葛藤劇が並ぶが、その一方で、心温まる着地があり、感涙にむせぶ人生賛歌もある。読者は体を熱くして読み進めることになるだろう。
池上冬樹(文芸評論家)
河北新報 ほか/時事通信 2022・3・8配信
骨太にして珠玉。前作を超えるサプライズと感動を、たっぷり味わっていただきたい。
大矢博子(書評家)
(あらすじ)
釈放前の更生プログラムに参加した模範囚が、外出先で姿を消した。発見されるまでの「空白の30分」でいったい何が起きたのか(「しゃくぜん」)。刑務所内で行なわれた運動会の翌日、集団食中毒が発生。これは故意の犯行なのか。炊事係の受刑者が容疑者に浮上するが……(「甘シャリ」)。自身の信念を問われるような事件の数々に奔走する刑務官たち。一方そのような中、敏腕刑務官・火石には不審な動きが――。
(著者プロフィール)
城山真一
1972年、石川県生まれ。金沢大学法学部卒業。『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』で第14回『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞。他の著書に『仕掛ける』『看守の流儀』(以上、宝島社)、『相続レストラン』(KADOKAWA)、『ダブルバインド』(双葉社)など。
※本書は2022年2月に刊行した単行本『看守の信念』を文庫化したものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
【看守の流儀】の第二弾。
びっくり仰天! 【流儀】に充分驚かされていたので、もうびっくり系ではないと思って読んでいたら…。
舞台は加賀刑務所の5話連作短篇集。
章題は刑務所の隠語で構成されている。
1話ずつもしっかりミステリー仕立てになっている。
さらに、この先も縁がないと信じたい刑務所内の話や、犯罪者たちがシャバに出てからの更生の難しさ、それぞれの事情なども興味深い。
特に『がて』(手紙のこと)は、泣けた。
あー、面白い読書時間だった!
絶対に【流儀】→【信念】の順番で読まないと!
Posted by ブクログ
またも・・・やられてしまった!
どこで、誰が、いつ?
と警戒しながら読んでいたつもりが・・・
いとも簡単に、見事にやられました。
このシリーズ、短編ごとに素晴らしい作品でそれだけでも十分に満足なのですが、
最後にとっておきの驚きをもらうことができます。
どうかネタバレせずに素直な気持ちでお読みになっていただきたい、と願います。
Posted by ブクログ
加賀刑務所を舞台にした刑務官と受刑者の連作集
しゃくぜん、甘シャリ、赤犬、がて、チンコロと、どんな話か想像つかないタイトル。
一つ一つの話が最後まで展開が読めずドキドキする、またじんわり感動するストーリー、刑務官の使命感と気持ちの交錯が素晴らしかったです。
さらに前作の続編という頭で読み進めると、またまた最後にやられました。
流儀 → 信念 → 流儀を再読がお薦めかも
Posted by ブクログ
前作の[流儀]でネタバレしてるので今作はどうやって驚かすのか期待していた。内容になんとなくモヤがかった感じて読み進めていくとそこには驚きの真相が!そして[信念]の本当の意味を知って感動した。
Posted by ブクログ
うわぁ、またやられたぁー!!
プロローグから早速顔に傷を負う場面が出てきたと思ったのに本編ではなかなかその話が出てこない。
傷を負う前なのかな、と思って読み進めたら!
そっちパターン!?逆パターン!?
『看守の流儀』より先に読んだらどうだったんだろう??
記憶を消して読み直したい!
ひとつひとつのエピソードも温かみがあってこっちの方が好き。
でも2冊まとめて読んでこその良さだなぁ。
1冊目を星3にしちゃったけど、2冊目への壮大な伏線かと思うと見る目変わるなぁ。
うーん、また読み返したい。
すごく面白かった!
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。エピローグを読み、火石刑務官の顔の傷について今作で明かされるのだろうと本編を読み始めました。中でも第四話の「がて」は良かった〜。がてとは手紙の事です。ボランティアで教誨師と月に一度の刑務所ラジオのDJをしている住職がぎっくり腰になり、代わりを務める事になった諸田刑務官。最後の日に読んだ手紙と選曲ムーン・リバーには泣かされました。
そして前作に引き続き火石マジック炸裂で火石さん相変わらず大活躍なんだけど、第五話の最後であれ?ん?ある一文を2度読み直しました。やられた〜。騙されたのに気持ち良く感じるのは何故なんだろう?癖になりそうで他の小説にも興味津々。楽しみな作家さんが増えました。
Posted by ブクログ
シリーズ第二弾。
形としては、前作の『看守の流儀』の続編ですが、これ単独で読んでも面白いです。
石川県の加賀刑務所の刑務官たちの、様々な事件に奔走する姿を描いた良書。
・しゃくぜん
・甘シャリ
・赤犬
・がて
・チンコロ
の五篇。
どれも心に残る味わい深い作品ですが、特に最後の『チンコロ』は読む手が止まりません。
あの火石指導官の行末や、姪のその後など。
各位の今後に、幸あれと祈ります。
Posted by ブクログ
ひえー!そう来ますか...
※これ単体でも面白いですし、物語としても完結できますが今作を200%楽しむには前作「看守の流儀」を読むべき!絶対に!
各話良い話なんですわ
どの話もモヤモヤとしたものが残る感じがしなくて、あー読んで良かった思える作品
前作は自分にどストライクな作品だったが今作も同じどストライク
そしてラストのどんでん返し
あれはやはり前作を読んでいたからこその驚き
言葉も出ないほどの良作品出会えた
Posted by ブクログ
短編でもあり
繋がってもいる
伏線に気づくと嬉しい
最後の展開にびっくり
解説で看守の流儀を先に読むのをおすすめされていて、あまり覚えてないから読み返してさらにびっくりした
Posted by ブクログ
それぞれの短編も面白いけど、最後のトリックよ。
これ、ネタ明かし前に気づける人とかいるんかな?
読み終えた後には、やられたという強烈な感覚を残してくれる。
前作のどんでん返しも鮮やかだったけど、今回は鮮やかさに加えて最高の一撃が加わってくる。
この本に出会えてよかった。
この本だけ読んで終えば、?が浮かぶシーンや衝撃は味わえないので、必ず1作目から読んだ方がいい。
看守の流儀で「何やこれ。おもろすぎるぞ」という気持ちにさせてもらい、次巻の看守の信念読むと「おい、まじか」になる。
騙されて気持ち良いの読書体験をしたいなら、ぜひ読むべき一冊。
Posted by ブクログ
火石さんの過去が明らかに…
相変わらずやられました。
確かに過去が明らかになりましたが
思ってたのとは違う角度
ちゃんと一作目から読んで欲しい。
Posted by ブクログ
短編とその裏に流れる一つの話。そのどちらもが素晴らしく、今回は特に抒情的で泣いてしまうような話もいくつかある。前作での驚きの仕掛けが今回は使えない分、感動の方向にシフトなのかなと思いきや何これ!!久しぶりに時が止まったわ。そして繋がってくるいろいろ。刑務官の話は変わらないから重いテーマではあるけど、それを気にさせない読み易さ、そしてサプライズ、個人的な好みとして完璧だった。
Posted by ブクログ
シリーズ2作目であることを知らずに、今作から初読みでした
きっと1作目の「看守の流儀」から読んだら、もっと良かったのか??と悔しいですが、それを踏まえても素晴らしい作品でした
刑務所の看守・火石が主人公なのですが、火石の人となりは前作を読んでいた方がしっくりきたのでしょうか
看守と受刑者の関係性だけに微妙な距離感
だからこそ、他の作品にはない感情の揺らぎがあったと思います
ミステリーの要素もありますが、泣きました
一作目の「流儀」も絶対に読みます!
Posted by ブクログ
前作に引き続き素晴らしかったです。
まだ、2冊とも未読な方は、刊行順通り流儀のあとに信念を読むのがやはり良いかなと思います。
前作同様、刑務所内、看守達、刑期を終えた囚人達など、ならではの特殊性の中で展開される話しがとても興味深く、楽しんで読ませていただきました。感動もあり。
とにかく、前作でもラストひっくり返りましたが、本作もラスト「チンコロ」で私は椅子から転げ落ちるかの衝撃が…え、え?どういうこと?となりました。作者の思う壺のリアクションをしたと思います。淡々と短編の話が展開されていく作品なのですが、ラストで衝撃的なひっくり返され感があるのが癖になります。
続編もし刊行されるならまた読みたいと思います!
Posted by ブクログ
金沢の刑務所を舞台に、様々な人間模様が描かれていくストーリー。刑務官と受刑者とのやり取りや、距離感を保ちつつも温かみある振る舞いにどんな状況においても人間には心が必要なのだと思った。特に第四話の『がて』が心に残った。
Posted by ブクログ
解説の大矢さんが仰るように、
看守の流儀から読んで良かった。
大きなサプライズを、心ゆくまで堪能笑
個人的には、4話目「がて」5話目「チンコロ」が好きでした。
看守シリーズが続くなら、ぜひ読みたい。
Posted by ブクログ
『看守の流儀』の続編と評される本書。
解説で「前作の存在そのものが大きな伏線なのだ」と、記されているので、内容をほぼ忘れていた前作を本書読後1年ぶりに再読し、納得。
前作と同じく5話からなり、指導官火石の、所内の真相や謎を解明する構成も、前作を踏襲している。
しかし本書は『・・・流儀』の前日譚で、火石が刑務官になる経緯が綴られている(ネタバレになってしまう?)。
プロローグでの「男」が誰なのか、気になりながら読み進めるうちに、著者の巧みな仕掛けと構成に驚かされる。
火石の身内の問題が大きくクローズアップされた今回、このシリーズ次の展開はどのようになるのだろう。
次回作が発表されることを期待して待つことにしよう。
Posted by ブクログ
釈放前の更生プログラムに参加した模範囚が、外出先で姿を消した。
発見されるまでの「空白の30分」でいったい何が起きたのか(「しゃくぜん」)。
刑務所内で行なわれた運動会の翌日、集団食中毒が発生。
これは故意の犯行なのか。炊事係の受刑者が容疑者に浮上するが……(「甘シャリ」)。
自身の信念を問われるような事件の数々に奔走する刑務官たち。一方そのような中、敏腕刑務官・火石には不審な動きが――。
Posted by ブクログ
刑務官が悩みながら真摯に受刑者とかかわり合う様子が前作同様に感じられて、感慨深く読めた。
ラストはトラップ!?
少し驚いた。
火石さん、そんな壮絶なことが過去にあったのね…。
刑務官はとても神経を使う大変なお仕事ですね。
更生に向けて全力を尽くす姿に頭が下がります。
続々編を強く希望します!
Posted by ブクログ
びっくりしたー!
最後の方で一瞬、⁇ってなった時にもう少しじっくり考えてたら、最後あんなにびっくりしなかったかも。
仕掛けはもちろん凄いんだけど、そこに行き着くまでの話が全部良かった。
Posted by ブクログ
前作の「してやられた」感から、続編はそこまで期待してませんでしたが…
ラジオの件は泣けたし、予想以上の結末にまた、
してやられました。
作者の他作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
前作の大どんでん返しが、火石は実は女性だったという飛び道具。本作はどんでん返しは不可能だろうから、単なる看守物語だろうと思っていたが、まさか実は火石の叔父が火石になっている、古い時代の話だったとは…
一話目のしゃくぜんは、借用前教育で海岸清掃のボランティアに出た受刑者が三十分間行方不明になった話。
二話目は甘シャリ。お菓子などを指す言葉だが、集団食中毒に紛れて、リンゴジュースと酵母菌で酒を作っていた受刑者の話。
三話目の赤犬。放火を指す用語だが、収れん火災で保管庫を焼いた総務部長の話。在庫が管理台帳と一致しないのを隠すため。
四話目はがて。手紙の隠語だが、昔出会った歌手を夢見る女と窃盗犯の話。窃盗犯が歌手と思って文通していた相手は娘だった。説法の話も相まって結構感動した。
五話目はチンコロ。刑務所に匿名で会社の専務に虐められてると手紙が来る。受刑者の斡旋もあり、出かけていくが、匿名の手紙は専務が出しており、社長がいじめていたが、社長に多大な恩があるので、受刑者を回さないようにしてもらおうとしていた。
全体を通して、総務課長の引きこもりの息子が愛知で一人暮らしていたり、商社マンの旦那とは五年も会ってなかったり。
Posted by ブクログ
登場人物が多く途中で復習しながら読み進めた。
結末に近づくにつれ、このまま穏やかに終えるのかと思いきや最後に新たな事件が起きてしまう。
人間は育った環境で人格形成されると言うが、過ちを犯した人間が更生できる場所には、心のある人が1人でもいてほしい。