あらすじ
人間の悲しみとは何か? 癒やしの希望とは? 阪神大震災、JR福知山線脱線事故など、日本人の「悲嘆」の現場に寄り添い続ける「グリーフケア」研究の第一人者がやさしく説き明かす。医師・日野原重明先生、推薦!
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Posted by ブクログ
かねてより興味を持っていたグリーフ(悲嘆)ケアについて学び始めたところです。
「喪失」にともなう悲しみをどうケアしていくか。
「喪失」というのは家族や身近な人の死ととらえていましたが、それだけではないようです。
子どもころから、おもちゃや大事なものを壊したり捨てられてしまったり。。。
人はそれらの小さな悲しみを乗り越えてきているのです。
グリーフケアの第一人者として上智大学グリーフケア研究所所長を務める著者が多面的に、グリーフケアについて描いています。
第1章”喪失の積み重ね”としての人生
第2章人生の選択肢を失う悲しみ
第3章愛するいのちを失う悲しみ
第4章自らの死といかに向きあうか
第5章悲しみを前にした私たちの孤独
第6章悲しみの乗り越え方
自分の死を前にした人の不安や恐怖の要因
・愛する家族や友人たちとの別れ
・自分が遺す家族に対する心配
・人生を不完全なままに終えることへの不満
・身体的苦痛への恐怖と不安
・一人旅立つことの孤独に対する恐怖と不安
・体験したことのない未知なるものを前にした不安
・自己自身が消滅し無になることへの不安
・死後の「審判」や「罰」についての不安
人は死ぬとどうなるのか?
①無になってしまうのか
②輪廻転生するのか
③どうなるかわからないけれども、何かが残るような気がする
④天国(極楽)や地獄に行く
病などで死を間近にした人たちは、このテーマでまず大きな壁にぶつかるといいます。
私は父を亡くしたときに、ずいぶん考えたことがありました。
少なくとも、①であってほしくない
とくに宗教を持たない私ですが、②か③であってほしいなと思っています。
そうであれば、とても安らかな気持ちになれます。
悲しみの乗り越え方の項目だけピックアップしておきます。
・悲しみを受け容れて、表現すること
・悲しみを誰に話すか
・今を生き抜いて、時間をかけること
・自分自身を縛りつけているものを手放すこと
・他人と、故人と、自分との新しい出会い
・出会いに対して開かれていること
・他人を評価するのではなく、信頼すること
・小さな喪失を積み重ねること
時期の早い遅いはあるとはいえ、いずれだれもが死を迎えるという意味は、「死はだれにとっても平等なものである」という言葉が心に残りました。
Posted by ブクログ
今、高木先生に相談に乗ってもらっているのですが、この本を高木先生に直接いただきました。
ものすごく、おだやかでエネルギッシュなおばあさんです。
悲嘆はうつではないということ。
自分と他人が共有できることなんてせいぜい4分の一ということを読んで、悩みをみんな分かってくれる人なんていないんだな、と思いました。
Posted by ブクログ
グリーフケアの第一人者である筆者が、出会ってきた様々な喪失を経験したひとたちを紹介しながら、悲嘆と向き合うにはどうすればいいかを綴っている。
ひとは小さな喪失体験をし、受け入れながら、いずれくる死という大きな喪失への耐性を着けるのだという話だった。
死ぬと無になるという考え方では死に耐えるのは難しいらしいと感じた。
鬱と悲嘆は違う、精神科では薬漬けにされるからまずは内科に行けという話が印象的だった。
Posted by ブクログ
帯に「生きるための処方箋」と書いてあったので読んでみたが、そこまでの物ではなかった。
内容的には良いのだが、今一歩足りない。
やはり直に話を聞いてみないとダメなのであろうか。
Posted by ブクログ
人生に喪失はつきものだと思う。それは何も愛する人失うということだけではなくて、仕事や地位かもしれないし、健康や若さや美しさかもしれない。人として来て生まれてきた以上、私たちは何かを得るし、同時にその何かを失っていく。
この本を読んで痛切に感じたことは、喪失からは誰も逃れることができないと言うことだ。そして、であるならば、自分自身に与えられた喪失を、そしてその悲しみと苦しみを受け止めて、思う存分、泣いて、もがいて、苦しんで、それを味わい尽くしたい。喪失との格闘と和解を大切にしたい。その後に何が見えるか、それは私の取り組み方次第なのだから。