あらすじ
大増税、物価高、公共事業依存、超少子高齢化の放置…
社会の好循環を絶対生まない「政治の病(やまい)」をえぐり出す
泉流ケンカ政治学のエッセンス!
◆内容紹介◆
3期12年にわたり兵庫県明石市長をつとめた著者。
「所得制限なしの5つの無料化」など子育て施策の充実を図った結果、明石市は10年連続の人口増、7年連続の地価上昇、8年連続の税収増などを実現した。
しかし、日本全体を見渡せばこの間、出生率も人口も減り続け、「失われた30年」といわれる経済事情を背景に賃金も生活水準も上がらず、物価高、大増税の中、疲弊ムードが漂っている。
なぜこうなってしまったのか?
著者が直言する閉塞打破に必要なこと、日本再生の道とは?
市民にやさしい社会を実現するための泉流ケンカ政治学、そのエッセンスが詰まった希望の一冊。
◆目次◆
第1章 シルバー民主主義から子育て民主主義へ
第2章 「明石モデル」をつくれた理由
第3章 地方再生に方程式はない
第4章 「地方」と「国」の関係をつくり直す
第5章 日本が滅びる前に
◆「はじめに」より◆
2023年になってから、
全国の市町村でこれまでにない新しい動きが起こっています。
明石市が実施した子育て支援の施策を取り入れる動きが、
ドミノを倒すかのように広がり始めているのです。
子どもの存在を無視してきた社会。
その社会がようやく子どもに目を向け始めています。
この動きは、今後地方から国を変えていく
大きな流れを形づくっていくのではないか。
安心して子育てができる社会が実現すれば、
絶望的なまでに落ち込んだ出生率は必ず回復するはず。
将来、歴史を後から振り返ってみるならば、
この流れは日本社会が転換するひとつの大きなきっかけになるやもしれません。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
忖度なしに市民を第一に考えて明石市を変えていった泉市長。
こういう熱い志をもった政治家が少なすぎるから日本は悪いと思う一方、少しずつこういった政治家も増えてきているみたいでそこは期待したいところです!
Posted by ブクログ
あ〜ズバズバが良かった!現在の政治の何が問題なのかをわかりやすく明確に指南してくれるような書だった。政治のことがわからない民にもわかりやすく、とても読みやすい。ますます明石市を応援したくなるし、今の国政がんばれよ!と言いたくなる。
Posted by ブクログ
泉氏は少年時代の辛い経験から「冷たい社会をやさしい社会に変えたい」と思うようになったという。
泉氏には「信念」があり、それを実現するための「知性と方法論」があった。そして、「明石モデル」を築きあげ、政治家として何よりも大事な「結果」を残されている。
終章の「明石の街は元気になり、明るくなり、やさしくものなりました」という文章に感動し、明石市民になりたいと本気で思った。
なお、紹介文には「泉流ケンカ政治学〜」などと書かれているが、これはミスリード。市民のための政策を実現するためなら論争も辞さないということであって決して「ケンカありき」ではない。先入観を持たずに読むべき。
匿名
泉さんは希望が持てない日本の光のような方だと
思っております。日々税金がキツく、更なる増税をしようとする政治に希望が持てず、もう日本は終わってしまうのではと思う事が多い日々なのですが、
明石市の小さな流れから、日本全国が弱者に優しい市、ゆくゆくは優しい国になる事を願ってやみません。
Posted by ブクログ
元明石市長の自伝。考えや思いが詰まっています。
弟さんに障害があり、幼少期から世間に冷たく感じていたので、自ら社会を良くしたいとの思いから地元の市長になりました。政策は一貫して、優しい街にしたい、そのために子育て支援など広く世界で実施されているものを参考に取り入れた結果、人口増に繋がっています。
『この世に生きる全ての人間が障害者である。』
私は階段、車椅子の人はエレベーターと、人は何か手助けがなければ生きていけません。
これからの時代は障害のあるなし、人数の多い少ないではなく、誰もがそれぞれに必要な支援があるという観点で社会を作っていく必要があります。
Posted by ブクログ
元兵庫県明石市長の泉房穂。顔は知っているが、為人や政策は良く理解できていなかった。地方自治体の首長だと、自分が住んでいないと(住んでいても)良くわからない、という事がある。ただ、至近、YouTube等の動画でも登場するようになって、興味をもったというのが読むきっかけ。所得制限なしの子育て支援策を実施し、明石市の人口増加や地価上昇、税収増を実現した、というのが同氏の市長としての評価。
本書は、同氏が明石市で実施した「明石モデル」を紹介し、その成功要因や日本全体への適用可能性について論じたもの。シルバー民主主義から子育て民主主義へ、つまり、高齢者優先の政策から子育て世代を支援する政策への転換。子育て支援策を中心に多くの改革を実施した。構造的な無駄に対する指摘、提言が私にとっては心地よかった。著者の生い立ちや学生時代の話、障害者の親族の話なども書かれており、何となく人物像が掴めた。
ー (税率の話)統計開始当初の1970年度には25パーセント未満でしたが、2013年に40パーセントを超え、今や5割に迫る勢いです。なぜ、これほど高い負担率になったかというと、一重に財務省と厚生労働省のせいだと私は思います。財務省はともかく税金を上げて税収を増やしたい。だから消費税率もどんどん上げていきたい。税収が増えて、財源が膨らめば、彼らの権益は一層強化されるからです。一方で厚生労働省は格上の財務省に引け目を感じて、予算を強く請求できない。だから、医療保険や介護保険をつくる。保険制度はいったん導入すると徴収金額を好き放題にいじれます。だから介護保険料などは導入したときから3倍くらいに上がっている。このように財務省と厚生労働省が長年、競い合うように税と保険を国民から取りまくっていった結果が、5割近くの国民負担率というわけです。私の幼少時に比べれば、国民負担率は2倍以上になっています。ことに問題なのは日本がここ30年ほは経済成長しておらず、国民の生活はどんどん苦しくなっていることです。
ー イギリスの歴史・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソン(1909~1993)は、その著作「パーキンソンの法則」で官僚組織の非合理性を指摘しています。官僚組織は肥大化していく特質を持ち、その「成長の法則」において、実際の仕事量に関係なく役人の数は増え続けていくものであると述べています。要するに、放っておけば官僚組織はろくに仕事もせずに人数ばかり増えていくということです。聖域として守られ、長期間誰も手をつけることのできなかった中央省庁は、第三者によって組織全体の精査をする必要があると考えます。
問題意識を正しく持つことが改革の第一歩である、と思う。
Posted by ブクログ
元明石市長の著作 二冊目
これも夫からまわってきた
「泉流ケンカ政治学のエッセンス!」とある
納得できることばかり
怒涛のような十二年からつかんだことを
分かりやすく書いておられる
今の政治、納得できないことばかり
ヘンだ
原因は有権者だよねえ
変えられる
滅びる前に!
お隣の市、明石
元気になる様子を見てきた
中央集権の意識をかえなくっちゃ
≪ 子が笑う それがしあわせ 世界中 ≫
Posted by ブクログ
著者の泉さんが市長として在任した12年間に成し得たことをまとめた一冊。
泉さんのやる気あふれる姿勢と情熱は今の政権に爪の垢を煎じて飲んでもらいたいと思う一方で、なにも期待できない閣僚の愚かさにフラストレーションを感じながらも、明石市に風穴を開けた事実は読んでて今後も明石を応援したくなる。我が街の市政にも注目していかなアカンなと考えさせられた。
Posted by ブクログ
泉さんが市長に至るまでの経緯や背景が記されており、
話題の方の情報に一度触れるには良い分量の本かと思います。
政府の方針についての意見等も書かれていましたが、X(Twitter)をフォローしていれば概ね見たことがある内容だった気もするので、目新しさはなかったかなといった印象です。