あらすじ
「フィル? それが俺の名前か? 覚えていないんだ。目が覚めたらここにいて、自分のことがなにもわからない」
見知らぬ部屋で目覚めた男は、すべての記憶を失っていた。背中がひどく痛む。馬車に轢かれて、運び込まれたらしい。
部屋の主の名前は、アガサ・ロングハースト。薬師であり、そして彼の恋人だという。
フィルの過去や事故について語る彼女の言葉にどこか違和感を覚えるが、なんの不平も言わず、治療をしてくれたアガサに愛しさが募る。二週間が過ぎ、記憶は戻らないが好きな女を抱きしめて眠ることに幸福を感じていた。これから先もずっと、こうして暮らしていけるのだと、この時のフィルは疑ってもいなかったのだが……
感情タグBEST3
初めての作者さん
初めての作者さんでしたがとても良かったです
短い作品の中にしっかり収まってあっと言う間に読み終え、
もう一度読み返したいと思いました
他の作品も読んでみたいです
映画みたいでよかった
作家さん買いです。
男性目線から始まるのはこの作家さんにはめずらしく、とっても興味深く読めました。
記憶喪失というのはまぁまぁよくある設定だけど、それが記憶を消されたことによるものというのも新しかったし、その状態でもヒロインに恋をするのも大変よかったです。
こういう記憶を操作する映画、昔けっこう流行ってたなと思いながら読了。
フィルの人柄があたたかくて、アガサの頑ななところもある高潔さもとっても魅力的でした。
とってもおもしろかったです。