あらすじ
もし100兆円を与えられ,「世界のため,科学の発展のために1年間で使い切りなさい」と言われたら,あなたは何をしますか? 100兆円で達成できることは何だろう? 「世界から貧困をなくす」「すべての病気の治療法を開発する」や「ダークマター研究のため最新の加速器を建設する」「人工意識をつくる」など,可能性は無限に広がっていく.前向きでチャレンジングな未来予測.
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
世界の1%の富裕層だけで1京6200兆円を保有し、世界の富の45%を占めている。そう考えると、たかが100兆円。お金が無いせいで、世の中に溢れる不幸を甘受している。お金さえあれば、技術革新も更に進んで、貧困から人々を救い、ウイルスとも戦えるはず。どうすれば良いか分かっているのに、為すべきことができていないのは、お金がないからだ。もし、100兆円あったら。何やら、ワクワクするような話。一方で、本来出来るはずの事をあぶり出す告発本とも言えるかも知れない。読み応えあり。
教育、医療、格差解消、生物の多様性維持、惑星探索、地球温暖化対策。何にお金を使う?例えば、サハラ砂漠以南のアフリカでは中学校を終えた女の子は8%しか読み書きができない。南アジアでは中学校に通える女の子は50%未満。女子に教育を受けさせることで、2050年までにカーボンニュートラル効果として60ギガトン相当の温室効果ガスの排出量を減らせるだろうと言う推測もある。お金の格差と同時に教育の格差を埋めるべきであり、現金支給と教育費用を支出する。
高尚な知能と妄想を共にする愉楽。
しかし、ここにあるのは、お金が支払われぬために必要だが、手をつけられていないプロジェクトの数々(勿論、一部の財団により進められているものもある)。金持ちが悪いわけでもなく、国家間の利害もあり、そもそも公共の富を目指す仕組みが地球規模でまだまだ確立していないのは、カーボンニュートラルの取り組みからも自明。
月並みだが、力を合わせれば、やれる。この本は、その方向性を示している。必要なのは、お金をかき集め実行するための仕組みだ。