【感想・ネタバレ】お客さん物語―飲食店の舞台裏と料理人の本音―(新潮新書)のレビュー

あらすじ

レストランは物語の宝庫だ。そこには様々な人々が集い、日夜濃厚なドラマを繰り広げている――。人気の南インド料理店「エリックサウス」総料理長が、楽しくも不思議なお客さんの生態や店の舞台裏を本音で綴り、サービスの本質を真摯に問う。また、レビューサイトの意外な活用術や「おひとり様」指南など、飲食店をより楽しむ方法も提案。食にまつわる心躍るエピソードが満載、人生の深遠を感じる「客商売」をめぐるドラマ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

浅草のジルベール!これだけでもう十分。
イタリア料理店のパスタだけ客の話、お店の世界観に合わせる話を読むと呑めない女性おひとりさまはやっぱりお店の世界観の文脈にはないんだろうなあとも思う。

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2024年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

飲食店の裏話的なエッセイ集という感じでしょうか。気軽に読めて面白いです。
雑誌「dancyu」で時々お見かけするカレー屋さんだなと思って手に取り。しかし本書を読んだら「カレー屋さん」ではなく「南インド料理屋さん」が正しかった。

時々見かけるお客さんに「いつもありがとうございます」とお店として感謝の気持ちで声をかけるということはあると思います。(p14)でも気軽に行けるのが良かったのに行きにくくなってしまったという投稿を見たことで、著者は申し訳なく思ったとのこと。
私もそのお客さんと同じ思いしたことあるなぁと思いました。足遠のいちゃいましたね。
でもそう声かけられて嬉しいお客さんもいるかも知れないし、お店としての気持ちも分からなくはないし難しいですね。どれが正解、はない気がしました。

一人で飲食する人についての話も興味深かった。自分は地元でなければ基本一人でご飯食べるのは行けます。居酒屋も一人でも大丈夫そうな店舗は選ぶけれど一人で行けるし、バーもハードル低そうなところに何か所が行ったことあります。
女一人で大丈夫かなと思いつつも言ってみたい欲が勝って「旅の恥はかき捨て」と思ってます。
若かりし頃からトライしてますが、今まで一人飲食で嫌な思いはしたことがない気がします。
でも自意識過剰になったり手持ち無沙汰をどう埋めたら良いのかと思うのはとてもわかる。
大抵は著者の言うように「人は他人のことを気にしていない(p63)」と思いますが⋯

誰かが好きである可能性があるものを嫌いと言うのは、それだけで道徳的に悪なのでしょうか?(p104)とありましたがゼッタイにそんなことはないと思います。本書にでてきたような、きちんと真意を読み取らず安易に人の好き嫌いに過剰反応して攻撃してくる人は正直「アタマ悪いんでは(ひどい言いようですが⋯)」と思うので気にされなくていいのではないかと思いました。けれど、公の場に私見を晒すことの怖さというものを感じるエピソードではありました。

代替わりしたお店の味が落ちたと言うのはやめましょう(p152)という提言。
自分も思ったことも言ったこともあります。でも本書を読んで「自分もそう言うのやめよう」と思いました。ちなみに自分が味が落ちたと思った代替わりしたお店は、現在も美味しい味でたくさんのお客さんではやっています。そんな風に言ってしまうのはその店が好きな証拠でもあるかもしれない。
本当にがっかりしてたら言わないし行かなくなるよな、と。

最後の方の「立ち飲み屋のお客さん十態」はゲラゲラ笑ってしまいました。あるだろうなと思わせるエピソードばかり。「人生諦めた奴と人生に自信満々な奴はこの店には来ないんだよ」名(迷?)言かと。
そういえば立ち飲み屋は勇気が出なくてまだ一人トライできてないんだよなと気づきました。いつか一人で行ってみたい。あるいは一人角打ちデビュー?

著者は人間が好きなんだなぁと思いましたね。時には見過ごせなくておせっかいしたり、耳を隣の席に向けすぎて手元の仕事が滞ってしまったり、読んでいて情景が目に浮かぶような感じでした。
あまり読んだことのないジャンルの本で、楽しい読書でした。

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

八重洲口のエリックサウスなどでしられる稲田俊輔さんが長年の飲食店での仕事をしながら垣間見た飲食店側と利用客についてのエッセイ集。飲食店はビジネスでやっているので利益を上げねばならず、利用客はお金を払っているのだからあるいていど要求があり、両者の事情があえばベストマッチとしてウィンウィンとなるが、不幸にして合わないことがある。それは店側の技量不足や客の認識不足に起因するのであれば歩い程度仕方ないと言えるが、来る客くる客に不満を抱かせる訳にはいかない。そこで店側としてここはどういう店かをいろんな手でアピールするのだが、それでもわかってくれない客が一定数いるのは事実。
評者も色々と料理をするのでプロの料理人の苦労が垣間見えて面白かった。しかしキャバクラやマルチの勧誘の話などは面白エピソードであるものの楽しい話ではなかった。レストランといえども常には飲食が中心ではないということを気付かされてくれた。

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2023年12月08日

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