あらすじ
広島と長崎でアメリカ軍によって戦後行われた「原爆の被害と効果」の大規模調査。残留放射線が計測され、科学者たちが人体への影響の可能性を指摘したにもかかわらず、なぜ事実は隠蔽されたのか。2021年に放送され、放送文化基金賞奨励賞を受賞するなど大きな反響を呼んだNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」の内容に、NHK広島・福岡放送局の取材チームによる2年間の長期取材の成果を大幅に加筆し書籍化。戦後78年を経た現在も続く「核の時代」を考える上での必読書。
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Posted by ブクログ
2021年に放送されたNHKスペシャルが母体の本。ヒロシマナガサキの残留放射線の存在を確認しながら隠蔽したアメリカ政府。国際社会での覇権維持と裏腹に捨て置かれた日米の被爆者たち。戦後70年以上経過して明かされる驚愕の事実。
既に生存者も残り少ない中での丹念な取材。新聞社が取材能力を失った今、個人のノンフィクション作家よりNHKの取材力が日本では一番なのかもしれない。半官の組織にしかこのような力のないのも危険ではあるが。
戦後70年は草木が生えないと言われた被爆地。それだけの年月が過ぎても終わらない問題点を世に知らしめた点は高く評価できる。