あらすじ
二十八歳のみのりは、コンビニチェーンでカップスイーツの商品開発を担当している。故郷をはなれて、東京で働くこと。希望していたスイーツ開発の仕事。忘れられない恋の終わり。自分で選んだことのはずなのに、なにか満たされないのは、なぜ――?悩みながらも、「点」をつなぐように選択を重ねていく静かな日々。著者初の仕事小説が、待望の文庫化。(巻末対談・加藤千恵×村田沙耶香)
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Posted by ブクログ
「みのり」はわたしだった。
そして、誰かでもある。
そんなことを思わせてくれる、ひとりの女性の人生の一部を切り取った小説だった。
人生は選択の連続。
何かを選んだということは、何かを選ばなかったということ。
みのりはそれを「点つなぎ」になぞらえる。
選んで、選んで、選び続けたその先にしか見えない形、明らかになるかもわからないそれをイメージして。
選ばなかった先の景色は決して見られないし、どちらがよかったなんて絶対にわからない。
それはすでに、違う世界だからだ。
劇的なことが起こるわけじゃない。
行方不明の妹は行方不明のままだし、取引相手ともチームのようだし雰囲気も良いこともいくつかあったが、恋愛には発展しない。
年齢と結婚という面で漠然とした不安を抱きながらも、突然の出会いが舞い降りるわけじゃない。
でもみのりは「わたしたちにはまだまだ一緒にやれることがありそうな気がした」と、にやりと笑う。
そんなことろが、とても好きだ。
とても丁寧に記された、みのりの人生の一部をゆっくりと見させてもらったと思った。