あらすじ
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アメリカ映画をはじめ諸外国や邦画の中の軍事法廷で、制服を着た軍人たちが“言葉を武器”に戦う姿は見応えがある。その際、裁判制度や法律などの予備知識があれば、登場人物の心理や言動の意味がより深く分かるであろう。本書はその“攻略本”として、映画のスクリプト、現行法や昔の法令も含めて、多種の資料をもとに執筆・編纂されている。登場する映画・約50作品は以下の4項目で構成。(1)Story:いわゆる「あらすじ」で、軍事法廷を焦点に関係する予備知識や参考情報を説明。(2)Comment:作品の評価や法律の解説を試みる。(3)ふかぼり:Story、Commentで取り上げた問題をさらに掘り下げた「小ネタ」「トリビア」。(4)幕間:各項の終わりに少し寄り道して、多少専門的な話題を取り上げる。そしてエピローグでは歴史を踏まえ、将来に向けて日本の軍事法廷の憲法上の位置づけやその権限のあり方を展望。
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Posted by ブクログ
軍法会議(米軍ではCourt-Martial)が作中に登場する映画を取り上げながら軍事司法について解説しよう(それによってその映画の理解も深まる!)という趣旨の本。
アメリカの映画が多いが、英仏独そして日本の映画も取り上げられる。
そして、軍法会議がひどい代物なのは日本だけじゃないということがわかる。一般司法のような手続きの保障はあってないようなものだし、現場レベルでの恣意的な運用もまあよくある話っぽい(旧日本軍は取り繕うことすらしなかったりしたのだが)。
映画に関していうと、軍法会議を思いっきり舞台としてる「ア・フュー・グッド・メン」(トム・クルーズ主演)が代表的だが、私が本書を読んで見てみたいかもと思ったのは「アイ・イン・ザ・スカイ」というイギリス映画でした。
私は本書で初めて知ったが、米軍においてはMilitary Commission(本書では軍事委員会と訳す)なるものがあって、われわれになじみのあるものとしてはBC級戦犯を裁く法廷が該当する。
本書はこれも対象としている(その延長上にあるように見える「国際軍事法廷」も)。
これらは軍法会議以上に手続面がグダグダで、政治的な思惑で結論が決まっていたりする。
この本は、取り上げている知識が豊富で読み応えがある。深掘りの知識とか余談めいた知識もけっこうある。法律用語の英訳とかするのにも参考になる。
のはよいのだけど、軍法会議のことも書きたいし、映画のことも書きたいし、余談も書きたいし、ごった煮で読みづらい…
でも知らないことがたくさん載っていることに免じて☆は1つ増やした。
まあ、これだけのボリュームの本で1500円+税は安すぎる感があるのだけど、出版社名から察するに自費出版的なものなのだろう。文句は言うまい。