【感想・ネタバレ】さみしい夜にはペンを持てのレビュー

あらすじ

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『嫌われる勇気』古賀史健が、はじめて13歳に向けて書き下ろした「書くことで自分を好きになる」本。他者より先に、自分との人間関係を構築しよう。うみのなか中学校に通うタコジローが、ヤドカリおじさんに出会い「日記を書く」ことを通じて新しい自分を見つめる寓話。イラストもたっぷりで読書が苦手な子も読みやすい。なんとなくさみしい。なんとなく消えたい。そんな孤独な夜に寄り添い「ひとり」になる勇気が持てる一冊

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Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく染みる本だった。タコジローくんの人生の一部をのぞいたことで、遠くに行っていた中学校の教室の雰囲気が、目の前まで迫ってきて、ちょっと苦しくなった。おじさんのやさしい喋り方や、タコジローくんの考えていることが、自分にじわじわと染み込んで、私も、もっと、考えて日記を書こうって思った。もともと日記は書いていたけど、書くのが楽しくて書いていたから、「読む」ために書くって大事なんだって、気づかされた。日記の向き合い方がこれからちょっとだけ変わりそうだ。この先もずっと、日記を書き続けていきたいな。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2025年読んだ本の中で1番良い本やった。こんなにも早く読みたくて仕方がない本は初めてやった。
紙に書くことや日記を書くことは良いことというのは多くのSNSや本で紹介されていたから、分かってはいたけど、それをより深く、そして別の角度から明瞭に書かれていたのが良いと思えるポイントやった。
そして、それらをよくある自己啓発本のように書き連ねるのではなく、登場人物を出して小説風に仕上げることで、よりのめり込むことができたと思う。しかもただ、タコジローがヤドカリのおじさんに書くことについて教えてもらうだけじゃなくて、おじさんに対しても怪しいスポットライトが当たる場面もあって、全く飽きさせることないの展開がどんどん読みたくなる一因にもなってると感じた。
この本を読んでいると、早く書きたいという気持ちが沸々とわいてきた。 
・1番なるほどなと思ったのは早送りの文章にしていること。自分も日記を書くことは何回も挑戦したけど、タコジローと同じように淡々とした文章ばっかりになるのが悩みやった。けど、それは早送りの文章であって、本当はあるはずの様々の情景を端折っているためだったから、今度からスローモーションの文章を書こうと思う。それに加えてボキャブラリーを加えるために日常で感じ取ったことを、何でもメモしようと思った。

・あとは、愚痴や悪口を書いてしまうことやな。これは完璧に自分に当てはまって苦しいすらあった。「・・・と思った。」と過去形にすることで、ネガティブな感情を過去にすることで、自分との間に距離を作ることが大切である。

他にももっと響くことがたくさんあったから、またゆっくり読み返して、ぜひ実践したい。

タコジローとイカリくんの友情関係には涙があふれそうなくらい感激しました。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

■読んだ動機
日記を最近書いている。そんな中、普段僕が見ているYouTubeで日記についての回が登場した。そのYouTubeで紹介されていた本で、面白そうだったので手に取った。

■あらすじ
いじめられている中学生の主人公タコジロー。
ある日学校にどうしても行きたくなくて、バスで通り過ぎて公園へ行く
その公園で、ヤドカリのおじさんと出会う。そのおじさんから日記の書き方や日記の良い点について教えてもらい、日記を書くようになっていく物語。

■感想
小説チックに書いてあり読みやすく、また文章も非常にわかりやすい。そして内容もとても良かった。メモする場所が多かった。振り返ってみる。

■以下よかった文章

p38.
誰かが話を聞いてくれたら嬉しい。同意してくれたり、優しい声をかけてくれたりしたら、もっと嬉しい。でも、それだけかな?タコジローくんは、話せたこと自体が嬉しかったんじゃないかな?つまり「聞いてもらうこと」より先に、「ことばにすること」の喜びがあったんじゃないかな。
誰かに話すとスッキリする。それは、頭の中を大掃除するような気持ちよさじゃないかな。

p39.
「コトバミマンの泡」
「言葉にならない思い」を「コトバミマンの泡」と呼ぶ。これは放っておくとどんどん増えていく。頭の中が真っ白に濁って、何も見えなくなるくらいに増えていく。

p43.
「思う」と「言う」には距離がある。うまく話すことができないのは、頭の回転が鈍いからじゃない。トビオくんみたいな子は、「思う」と「言う」の距離が近いだけなんだ。
逆に「思う」と「言う」に距離がある子は、言葉の出口付近で渋滞が起きているだけだ。これは個性なんだ。

p51.
自分の思いを書く。文章にする。このとき、泡のように不確かだった「言葉にならない思い」は、形を持った「考え」に変わる。

p52.
「泡の言葉」は、口に出したそばから消えていくし、消えた泡は二度と元には戻らない。でも、そういう泡だからこそ、気楽に、ある意味いい加減に、思ったことをそのまま口にすることができる。
何時間でも楽しくおしゃべりしたり、内容をほとんど覚えていなかったりするのは、そのせいさ。
一方、何時間も喋ることと、何時間も書くことは全く違う。どんなに書くのが得意でも、何時間も書き続けたらへとへとに疲れてしまう。それは、書かれる言葉が泡じゃないから。
つまり、「考え」の伴わないおしゃべりはいくらでもあり得るが、「考え」の伴わない文章はありえない。
何かを書くためには、それについて真剣に考えなきゃいけない。その「考える」という手間を、みんなは面倒に感じているんだ。書くことは考えることだから。

p58.
「考える」と「思う」の違いは、「答えを出そうとすること」にある。数学の問題を解こうとするとき、僕たちは考える。「思う」だけじゃ問題は解けない。
16×21×43という問題があったとする。問題自体はなんてことない掛け算だ。でも、暗算で解くには難しい。一方、筆算すれば、つまり手で書きながら解いていけば、簡単に答えを出せるはずだ。
数学じゃない問題を考える時も、これと同じなんだ。
友達と喧嘩したとする。どんなふうに仲直りするか悩んでいたとする。このとき、じっと腕組みしたまま考えるのは、難しい問題を暗算で解こうとしているようなものだ。頭はこんがらがるし、なかなか答えに辿り着かない。
そうじゃなくて、自分の気持ちを一つずつ紙に書いていけばいい。すると、自分だけの答えに辿り着くんだ。

p90.
出来事ではなく、考えたことを書く。

p95.
みんなと一緒にいると、自分ではいられなくなる。
寂しさには2つの種類がある。子供の寂しさと大人の寂しさだ。
子供たちが感じる寂しさは、「周りに誰もいないこと」の寂しさだ。留守番をしている時や、遊園地で迷子になった時など。怖くて心細くて、泣きたくなってしまう。
一方、大人になると別の寂しさを覚えるようになる。家族や友達といるのに寂しい。誰かと喋りながら、楽しい時間もあるのに寂しい。それは、そこに「自分」がいないから。
「みんなと一緒にいると、自分ではいられなくなる」からなんだ。
学校の自分と、家族での自分と、一人の時の自分は、それぞれ違う自分がいるんだ。別に演技しているわけじゃない。ただ、そういうもんなんだ。
そして時々「みんな」から離れて、一人の場所で一人の時間を作って、何でもない自分を取り戻すんだ。誰の目も気にしない自分を。

p103.
日記を書くのは、自分という名のダンジョンを冒険することなんだ。終わることのない、日ごとに変わるダンジョンを。そのダンジョンを進んでいけば、少しずつ謎が解けてくる。自分が何者なのか、わかってくる。今日一つの日記をつければ一面クリア、明日また日記をつければ、また一面クリア。そんなふうに、どんどん自分の奥深くを探検していくんだ。

p176.
スローモーションのカメラで世界を眺めて、スローモーションのビデオで「あのとき」を再現する。それだけで文章の表現力は全然違ったものになる。
もちろん、3倍速や5倍速の場面があってもいい。全部の場面をスローモーションにはできないからね。でも、たとえ一箇所でもいいからどこかの場面をスローモーションで書く。そうすれば、表現力は豊かになる。

p205.
タコジローくんの「すごい」は本心だ。でも、シェルフォンで面白い動画を見た時の「すごい」と、草原を見て感じている「すごい」は違うはずだ。きっとここには特別な「すごい」があるはずだ。
ところが、「すごい」しか出てこない。そういう時に考えたいのが、「これは何に似ているか?」だ。どの「すごい」と似ているかを探す。
最初に「この感情は何に似ているんだろう?」と考える。さっきの場合で言うと、冬の早朝のスープに似ていた。
次に「どこが似ているんだろう?」を考える。ここでは「ぬくもり」という言葉が出てきた。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子供にプレゼントしたいと思った本

◆書くことの意味
・話すよりも、書くことで心と頭が整理される
・言葉にすることで、形のない思いが考えに変わる
・書くことは「考えること」。自分の中に答えを探す行為

◆言葉と考える力
・思いは泡のように消えるが、書いた言葉は残る
・「思う」は感じること、「考える」は答えを出そうとすること
・書くのが苦手なのではなく、言葉を早く決めすぎているだけ

◆自分を知るための文章
・書くたびに、自分というダンジョンを探検している
・日記は「今」ではなく「あの時」の気持ちを書き留めるもの
・過去の自分に質問し、今の自分が答えを出すことで理解が深まる

◆言葉の力と使い方
・言葉の暴力は「効き目」と「面倒くささ」から生まれる
・たくさんの言葉を知り、使えるようになるほど世界は豊かになる
・メモは感情をすくい取る網。日常の中の小さな気づきを残す

◆伝える技術
・伝えたいことはシンプルに。詰め込みすぎず一つに絞る
・「これは何に似ているか」と考えると、表現が具体的になる
・言葉にすることは、現実に向き合うことでもある

◆悩みの整理法
・悩みは「考え事(自分で変えられる)」「心配事(変えられない)」に分ける
・手の届かない心配事は手放し、考えられることに集中する

◆まとめ
・書くことは、自分と向き合う最高の方法
・ペンを持つことで、寂しさは「発見」に変わる
・書くことを通して、自分を少しずつ好きになれる

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タコジローとヤドカリのおじさんとの会話が心地よく、最後はお別れになってしまうのが寂しくなった。
「考える」と「思う」の違い、今まで気にしたことがなかったけれど、確かにと納得したと同時に、自分はもう大人だが考える力をどんどんつけていきたいなと感じた。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

学校で居場所がないタコジロー。すぐ赤くなるゆでタコだと皆にからかわれ、どうしてタコに生まれたのだろうと悩んでいます。そんな時、体育祭の選手宣誓をやることになり、学校を休んでしまったタコジロー。
公園でヤドカリおじさんに会い、日記を書くことを勧められ ―― 。

書くことによって自分の思いをみつめ直していくタコジロー。一朝一夕に変わっていくことはできないけれど、客観的に考えるようになれるはずです。

中学生にお薦めの一冊です。

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2025年10月29日

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