あらすじ
榊原英資氏が昨今の経済・社会現象を独自の視点で分析し、問題の根源に迫った評論です。近年、物事を何でも単純に割り切る「二分割思考」が目立っています。それが異質なものを認めない「いじめ」を引き起こしています。一方、経済の面では市場原理主義の考え方が広まり、これが「二分割思考」と相まって、「儲かれば何をやっても許される」という拝金主義的な風潮を生んでいるのではないでしょうか。そうしたことが、利益至上主義の企業と、それをスポンサーとするテレビ、そして低俗な弁組によって情報操作される視聴者、という構図を作っています。その構図が日本の知的レベルを引き下げ、社会を幼児化させていく、と訴えます。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
現在の日本が抱えている様々な問題を具体的に取り上げて、そも打開策をこうしたらどうだろう?と提案している本
特に若者に蔓延する問題と、その原因となる特にメディアの腐敗というか低レベルかを憂いでいる。この辺りについては凄く同意できた。
特にメディアが何でも単純な善悪で物事を紹介し「ズバッと」バカでもわかる勧善懲悪スタイルを取ることが、大きな問題であると指摘している。
確かに最近のテレビを中心としたメディアの質の悪さというかレベルの低さはげんなりする一方であるが、まぁそれを望むスポンサーと視聴者がいるんだからメディアだけを責めるのもどうかなぁとかは思った。
あと「儲けりゃなんでもOK!」の拝金主義を激しく批判しているがこれも同意。ただ、若年層を中心に昔と比べれば給与は下がり、今後も上がらず、それどころか就職もロクに出来ない現状で「金儲けだけが全てじゃない」という意見は激しく説得力を失っている気もした。
ただ全体を通してフラットな目で世の中を見て、考えていこうという姿勢はかなり共感を持てたし、各在りたいとも思えた。