あらすじ
2024年の大河ドラマの中心人物・藤原道長。平安中期、貴族社会の頂点に立った男には、ある秘密があった。摂政関白に手の届きそうな家に生まれたからには、自分もそうなりたいと思う道長だったが、兄たちや同じ藤原氏の同世代で伊周や公任というライバルがいた。しかし、頼りになる姉・詮子や左大臣の娘・倫子、「打臥」という巫女の導きによって、道長は「運」をつかんでいく。華やかな貴族生活の裏で、天皇をも巻き込む謀や呪詛が行われ、流行り病があっけなく身近なものたちの命を奪っていくが、道長は「知恵と運」で着々と昇りつめ、ついに一家三后(1つの家から3人の后を出すこと)」を果たす。人生最高の宴で「この世をば わが世とぞ思う 望月の 欠けたることの なしと思えば」を朗詠した意図、紫式部にだけ語られた道長の強運の理由。そして、さらなる秘密が……。野望を結実させるまでの日々を、道長を取り巻く人びとの人生とともに鮮やかに描く! 文庫書下ろし。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
三男として生まれ、優秀なライバルに遅れをとっていた道長。陰謀、策略を重ね犠牲になった人達の無念を踏み台に天下をとり、望月の歌ができるまでが280ページに簡潔に、そしてドラマティックに描かれている。今年最後に良い本を読めた。
Posted by ブクログ
藤原道長の栄華を描いた作品。
道長は、藤原兼家の三男でありながらも
威子を中宮
姸子を皇太后
彰子を太皇太后
三后を全て道長一家で占めるという快挙を成し遂げ「一家立三后、未曾有」と評される。
威子立后の宴で詠じた
『望月の歌』
この世をば わが世とぞ思ふ 望月の
欠けたることも なしと思へば
は、有名。
兼家・道隆・道兼。
実資・公任。
藤原姓が大勢出てくるので、えっと?えっと?
となったが、ちょうど、NHKの『光る君へ』の出演者の顔を思い浮かべながら読むと、わかりやすかった。
Posted by ブクログ
序章からあとがきまで、僅か285ページでしたが、著者の着想が素晴らしく、簡潔にまとめられており、藤原道長の人となり、周りの登場人物などが、よく理解できました。