あらすじ
【「コミュニケーションをよくしよう!」 そんな気合・根性・精神論だけでは、うまくいきません】
「説明しなくてもわかるだろうと思っていたら、さっぱり伝わらない」
「キレイなミッション・ビジョンはあるけど、だれも行動が変わらない」
「大事な情報を一部の人だけ握ってまったく共有されない」
「役職者や社歴の長い人の言うことは絶対」
「目先のことで精いっぱい、業務改善や未来の話なんて遠くの星の夢物語」
「1on2ミーティングなんて一方的に詰められるだけだ」
そんな職場の“あるある”、どこから変えていく?
問題の全体像と、半径5m以内から変えていくためのアクションを集大成!
■目次
はじめに コミュニケーションなる思考停止ワードに、そろそろ真剣に向き合おう!
●1丁目 一方通行
どちらかの思惑が先走る。相手との分断を生む、3つのズレ
相手と見ている景色や思惑は悪気なくズレるさ、にんげんだもの
①「ズレている」ことを言葉で指摘する
②「5つの要素」に分解しながら、相手と景色を合わせる
③対話力を鍛える
……ほか
●2丁目 階層間の景色が合わない
ビジョン、ミッション、バリュー、パーパス……キレイに掲げられてはいるものの
5つの「ない」で、みんな我関せず、宙に浮いてしまう
残念な組織には4つの「低下」がもたらされる
①自分たちでビジョン、ミッション、バリュー、パーパスを(再)定義する/かみ砕く機会を設ける
②キーワードや文章をわかりやすくする
……ほか
●3丁目 こそこそ主義
「この会社には、情報共有って概念がないのか……」
あなたの組織は大丈夫!? 4つの情報共有不全
「相手が意思決定に参画できない」状態こそが問題
①テキストベース、チャットベースで情報共有する
②期待役割を明確にする
……ほか
●4丁目 忖度文化
役職者や社歴の長い人、年上の人の言うことは絶対。彼ら/彼女たちが心地いいやり方に合わせろ……先生、それでイイんですか!?
とはいえ、ネイティブの人たちの気持ちもわかるし、今までのやり方の合理性もある
コミュニケーションコストの増大、意思決定の質の低下も大きな問題
①なによりトップが覚悟を決める/トップに覚悟を迫る
②コミュニケーションのやり方を変える
……ほか
●5丁目 目先主義
「目先の仕事で手一杯」その切ない景色のまわりにあるもの
「蚊が出た→パーン!」の繰り返しは、組織全体を近視眼的にする
①とにかくやめることを決める
②「現在時間」「未来時間」にどれだけ使っているかをふりかえる
③対話の場や選択肢を増やす
……ほか
●6丁目 とりあえず1on1
「形骸化した1on1」利用者の声から見えてくるもの
なぜ起こる? 無力感しか残らない1on1
1on1は万能薬ではない
①目的に立ち返る
②事前にテーマを設定する
③お互いの期待役割を明確に
……ほか
●7丁目 コミュニケーションコストの意識がない
一挙公開:こいつらがコミュニケーションコストだ!
コミュニケーションコスト意識が低い、鈍感組織の特徴3つ
コミュニケーションコストの低い組織に広がるどんより景色
コミュニケーションコストに無頓着な組織、行きつく先はエンゲージメント低下、コラボレーション力低下、そしてブランド力の低下
……ほか
おわりに 景色が変われば、組織は変わる
■著者プロフィール
沢渡あまね
(さわたりあまね):作家/ワークスタイル&組織開発専門家。『組織変革Lab』主宰。DX白書2023有識者委員。あまねキャリア株式会社CEOほか。日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の伴走・講演および執筆・メディア出演をおこなう。著書は『職場の問題地図』『仕事ごっこ』『業務デザインの発想法』(技術評論社)ほか多数。#ダム際ワーキング 推進者。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今の職場でもコミュニケーションの問題が発生しているので、状況整理に役立った。
具体的には期待役割の明確化・明文化とライン型組織を止めること。
コミュニケーションの解像度を上げる
→会話、議論、対話、雑談、説得、プレゼン、
コーチング、ティーチング、フィードバック、、、
どんなコミュニケションが不足?
いつ、誰と、どんなコミュニケーション?
必要なスキルは?
解決する課題は??
▪️一方通行(他人とのズレ)
目的ズレ:
INPUT、OUTPUT、プロセス(効率)、
関係者と全体目的を言語化する
⭐︎期待役割ズレ:明文化する!
熱量ズレ
→ズレは不可避。早期に発見、軌道修正する
▪️階層間の景色が合わない(階層ズレ)
ビジョン、ミッション、バリュー、パーパスを再定義する
→期待役割の言語化。
キーワード化、分かりやすく。
▪️こそこそ主義(情報共有ズレ)
狭い範囲のみ(特定の人、口伝え)
⭐︎能力や意欲を持った人や新加入者が
意思決定に参画できない、のは問題
→テキストベースで共有
▪️忖度文化(組織内ズレ)
コミュニケーションコスト増大要因
根回し、逐次共有、個別議論、飲みニケーション
→コミュニケーションやり方をかえる
ライン型組織(役割による指揮命令)から
PJ型組織(目的・テーマでチーム化)へ
若手だけに任せる領域をつくる
雑務をなくす、減らす
▪️目先の仕事で手一杯(視座ズレ)
対話する暇ない、理由ない、動機ない
→とにかくやめることを決める
現在時間・未来時間にどれだけ使っているか振り返る
対話の選択肢を増やす
バックキャストで対話する
(取り組むタスクを決めて任せる)
雑談や未来の話をする
▪️とりあえず1ON1
何も起こらない、時間の無駄、目先主義
→事前のテーマ設定をする
目的、相手への期待、自分の対応、
完了後の状態を明確にする
期待役割について話す
未来の話をする
▪️コミュニケーションコストの意識がない
無駄なコミュニケーションコストを決める
Posted by ブクログ
著者の本はこの「問題地図」シリーズを含めてよく読ませていただいています。
シリーズを通して同じことを何度も繰り返している点もありますが、課題となる切り口は書籍ごとに異なりますので、新刊が出るたびに振り返りと気づきを与えてくれているところが気に入ってる点です。
このシリーズの良いところはいくつかありますが、まずは「圧倒的なわかりやすさ」にあるのではないかと考えています。すなわち、書かれている内容はロジカル化・階層化されており、かつ丁寧な語り口調ですらすらと頭に入ってくるところですね。
また、「圧倒的な共感力」にもあるのではないでしょうか。このシリーズを読み進めていくと「これってあるある」といったシーンが1度や2度ではありません。経営者目線ではなく、下から見上げた構図になっているのも人気の秘密なのではないかと思います。
また新刊が8月に出るようなので、楽しみにしています。
Posted by ブクログ
会社のコミュニケーションにまつわる問題あるあるを7章に分けて解説している。気になるキーワードを見つけたらその章だけでも読み進めてみると良いかなと思いました。個人的に刺さったのは、意見を言わない人が会議に参加するべきではない?というところで、意見を言わなければいけない同調圧力をかける側に回ってるな、とハッとさせられました。