あらすじ
春。満開の桜の樹の下で、僕は「彼女」に再会した。檻杖くのり。久城という街に住まう、美しくも謎に満ちた存在。「魔女」と称される彼女の周囲では常に事件が起こり……。記憶を失った少女。川で溺れた子ども。教会で起きた不審死。不可思議な謎の原因は「魔法」なのか。あるいはそれは「嘘」なのか。くのりと僕、二人の高校生の等身大の青春を描く魔法×ミステリー、ここに開幕。
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Posted by ブクログ
被害者もしくは犯人の記憶に共鳴してしまうので、ある意味ではミステリーとしては反則な気もします。ただ読者目線で推理する材料はちゃんと提示されるので、ミステリーとしてはちゃんと成立しています。
キャラクターはなかなか魅力的です。シリーズ展開するようなので、続きも楽しみです。
Posted by ブクログ
死を喰らい、その死の瞬間の声を再現できる女の子「檻杖くのり」と、その幼馴染の男の子「薊拓海」が様々な事件に挑んでいくストーリー。単純な推理ものではなく、異能を絡めたファンタジー要素もありました。また、田舎が舞台ということでどこか懐かしさを感じるとともに、そこに暮らす魔女の一族という世界観も好みでした。あと、くのりの独特な口調も癖になりますね(笑)
ただ、各事件の犯人の動機というのがどうもフワフワしている感じがありましたので、もう少し掘り下げてほしかったなーと思いました。
Posted by ブクログ
特殊能力を持つ少女と、そのバディ的立ち位置を取らされてしまう少年を主人公にした連作ミステリ。物語の発端では少女の能力を謎にして、物語のエンジンにしている。それはそれでいいのだが、特殊設定ミステリとしてみると、ゲームのルールを知らされないままゲームをやらされているようなもので、推理もへったくれもない。第一話では、この時点では存在するかもあやふやな能力を、更にひねった使い方をするというのがメイントリックで、特殊設定ミステリとしてどう、とかいう以前に何が何だか解らない。怠惰な読者にも能力の詳細が明らかになるのは二話目の終わりくらいで、本番は三話目以降だろうか。この辺りからグッとノリがよくなるが、続く4話目はエピローグ的なエピソードなので、盛り上がったと思ったらお終いである。出ることが決まった2を期待してねと言ったところか。