【感想・ネタバレ】八月の御所グラウンドのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1遍目の「十二月の都大路上下ル」は、「王道スポーツ青春小説」だった。国語の文学的文章に採用できるくらいの爽やかさがあったように思う。

表題作「八月の御所グラウンド」は、「王道スポーツ青春小説」とは相反した、心にずしんとくる物語だった。途中までは野球をする大学生の物語だったが、次第に明かされていく真実に苦しくなる。
文学だからこそできることを再認識する作品だった。夏に読むべき物語が誕生した。

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2024年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ゆるい青春話で終わるかと思いきや。

反戦小説ともいえそう。

今しなくても明日またその次やればよい。
お願いされた乗り気で無い
早朝から何故野球をしなくちゃならないんやろ。

あの歴史の勉強やなんとなく知っている戦争の渦中の人の立場になった時は?
今やらなければ明日の命はないかもしれない。
新撰組もまた同じく生きる死ぬの日々だったと想像する。

八月。八月十五日は終戦記念日。

自分の意思に反して生きること死ぬことを二十歳前後で突き付けられていた人たち。
その人たちがいて、今、特別な関係性はなくても野球ができることの凄さ。
感謝とかそういうのでなく
時間が継続してあるということのありがたさ。同じグランドでも違う風景を見てたこと。
戦争や歴史とはなんだろう。
命や続く時間の尊さを感じる終わりだった。

歴史に何を学ぶのか。
この小説から考えさせられた。

※京都の全国高校駅伝。
とある年は雪がふっており、走っている選手の頭上に白い雪が積もりそして走るという光景を見たことがあった。
なんだか、独特の世界観を見た気になった。
同じ当然タスキを繋ぐのだけれど、京都中心部と山側の気温や天気の移り変わりの激しさは箱根に負けないドラマがある。

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2024年05月08日

Posted by ブクログ

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感想
一話目はよく分からなかったが、二話目は万城目ワールドが出ていたと思う。直木賞受賞作というから期待しすぎたのかもしれないが、いつも程ワールド全開という訳ではなかったように思えた。

あらすじ
短編二編。一話目は、全国高校女子駅伝に先輩の代わりに急遽参加することになった坂東が、駅伝を走っている最中に新撰組の幻影を見る話。

二話目は、大学四年生の俺が彼女にフラれてやることもなく、京都の夏を過ごしていたところ、友達の多聞から借金の代わりに、草野球に出場するように依頼された話。多聞の大学卒業要件は、研究室の教授から命ぜられた草野球で優勝することであった。

早朝草野球はなかなか人数が集まらないが、なぜかいつも人数は揃う。急遽助っ人できた3人のことを調べると、沢村栄治を含む戦時中に亡くなった人たちだと分かる。

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2024年05月17日

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