あらすじ
顔の骨がうまく形成されない先天性の疾患「トリーチャー・コリンズ症候群」に生まれた、29歳の女性の《勇気と気づきの物語》。
「これは他の誰のものでもない、私だけの人生です」
5万人にひとりの確率で発症するとも言われる、「トリーチャー・コリンズ症候群」に生まれた山川記代香さん。顔の骨がうまく形成されなかった彼女は、これまでの人生で数多くの手術を繰り返さねばなりませんでした。けれど、それは見た目のためではなく、生きるために必要な手術だったのです。
幼いころから、見た目に対する心ない言葉や態度に傷つき、「どうして言い返せないのか」「どうすれば病気のことを理解してもらえるのか」と悩む日々が続く中、両親のサポートと周りの人たちの惜しみない助けを得た山川さんが、自分の弱さと向き合い、新たな人生に踏み出していく物語です。
相手に想いを伝えるということ、人と人が分かり合うこと、かけがえのない自分の人生を生きること。障害のあるなしに関わらず、自分を変えたいと思う誰もが多くの気づきと勇気に包まれることでしょう。
<内容>
はじめに ――三つの問い
第一章 見た目は変えられないけれど
第二章 誰かがいるから頑張れる
第三章 自分の気持ちを伝えたい
第四章 人前に立つということ
第五章 私の進む道
おわりに ――自分の人生を生きるということ
トリーチャー・コリンズ症候群について
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Posted by ブクログ
小5の娘と一緒に読んだ。娘には少し難しい記述も多かったようだが、さっさと読み切ってしまった。
「トリーチャー・コリンズ症候群」という、ときには死の危険と隣り合わせにもなる病気を持って生まれた著者の自伝。本書のタイトルは、私「は」でなく、私「を」生きる。このタイトルからも病気と向き合う著者のメッセージを感じた。
小学3年生、高校3年生、社会人1年めなど、著者にとっても読者にとっても強く心が動かされる出来事が、飾らずに記されている。誕生から現在までを、著者と一緒に歩いて、著者とその病気について知ることができる本であった。
また、著者の家族の言葉も随所に掲載されている。母親、父親、妹、兄のそれぞれの立場から著者とどう関わってきたのか、その苦悩と喜びの一端に触れることができる。
本書の中で、登場する「ワンダー 君は太陽」の原作も読んでいたが、この病気については全く知らなかった。「知ろうとしない」僕は「知ろう」とする人に一歩だけ、歩み出せたのかもしれない。娘にも読んでもらってよかった。もっともっと、たくさんの人に読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
惰性で生きてきた気がして初めの質問にハッとした。私は私のことをきちんと伝えていないことに気づいたからである。
仰天ニュースがきっかけで彼女を知り、読んでみた。内容は良いのだが、途中途中の記代香さんの周りの人々の手記や、写真が読みにくいところにあるので☆4。
自分のことを言語化することや人前で話す難しさや彼女の性格と啓発活動のズレが良く伝わってきた。
周りの優しさを受け取って生きてきたことがよく分かる。でも、本来ジロジロ見られない権利、見た目で差別されない権利は等しくあるはずで、優しさなんかじゃない。だからもどかしさも感じた。私の大学にもこの当事者の方がいて、持っている持ち物が同じで嬉しくて思わずみてしまったら嫌そうな顔をされたことがある。そのことが忘れられない。
当事者の石井ゆうきさんやこの本にも登場するWonderでこの病気を知った。
この間「病院ラジオ」で写っていたあの病院で彼女も治療をしたんだとも知った。
Posted by ブクログ
ラジオ「Session」でゲスト出演されていたときに気になって読んだ。
自分のことを言葉で人に説明するのは本当に勇気がいると思う。
誰かが声を上げなければ届かないというのもその通りだと思う。
でも、本当は分からないこと、知らないこと、そういうところに想像力を働かせられるようになるべきが多数者のやらなければいけないことだと改めて思った。
考えなくて良かったのは、自分が多数者側だったから。
自戒も込めて。
Posted by ブクログ
トリーチャーコリンズ症候群というのを初めて知りました。
正直に言って、始め衝撃を受けましたが、生きる姿勢、周りの人達のサポートや関わり方に感銘を受けました。
言葉や表情、態度は人を不快にも幸せにもできる。
人の縁はマイナスにもプラスにもなる。
自分の人生を感謝したり、されたりのものにするには、起こっていることから目を逸らさずに、必要だから起こると知ること。
乗り越えるのも逃げるのも、プラスに変えようとする気持ちが大切だと改めて学びました。