あらすじ
国民的作家の“深層”を読み解く! 国民的作家・村上春樹の作品と本人にまつわるさまざまなエピソードから、その作品世界と不思議な魅力を読み解くためのカギをしっかり、わかりやすく、現代日本文学研究の先駆者が解説する。『1Q84』や『ノルウェイの森』をはじめ、村上春樹の諸作品を読むのがずっと楽しくなる、目からウロコの新情報・新解説が満載の村上春樹ガイドの決定版。
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Posted by ブクログ
村上春樹さんの事に詳しくなれました。
よみやすくてよかったと思います。
村上さんの本をよんで村上さんがどういう人なのかなあと
思い始めたばかりの人におすすめかもしれません。
ぼくがそうでしたから。
Posted by ブクログ
作家の案内本を読んだのは初めてかもしれない。
村上春樹ファンでもそうでない人もフラットに読めるように言葉を丁寧に選んでいる気がした。
第六章が個人的には興味深いと感じた。
いくつか特徴のある作風だが、性描写はその中でも強い印象を残すものである。
ただその描写を「エッチだ!」だけで済まさせない面白い解釈がされているので一読すべき。
(ポピュラーな解釈なのかな?)
Posted by ブクログ
あとがきを見ると、「村上春樹の案内書はけっこう多いのだが、どれを見ても、作品を中心に論じたものばかりで、作家についてくわしく書いてあるものがない。そこで、作家と作品の、両方がわかるような案内書を作ってみようと思った。」と書いてある。いくつかの作品を詳しく分析、解説しているような本を期待して買った人は、少しばかりあてが外れたかも知れない。
しかし、だからと言って、この本が面白くないということでは決してない。村上春樹氏の作品が好きな方であれば、早い時期に一度は目を通しておいた方がよい案内書であることは間違いない。ぜひご一読をお薦めしたい。
例えば、p.200では、村上氏の作品によく出てくる「あちら側」が、氏の様々な作品でどのように扱われているか、一覧になっている。こうした共通点を整理することで、それぞれの作品の解釈にも繋がるだろうし、村上氏の作品に対する考え方、思想のようなものが見えてくるかも知れない。
また、おとぎ話との比較も面白い。おとぎ話はどちらかと言えば子ども向けだが、村上氏の作品は当然大人向けで、そこに共通するものがあるという指摘は、言われてみればなるほどとなる。
それにしても、これほどの人気作家で多くの人に読まれているにもかかわらず、その評価や読み取りが人それぞればらばらな作家も珍しいのではないか。何でも理屈で解釈すれば済むという話ではないが、もう少し各作品を分析して、その解釈を一般の読者にも教えていただきたい。どなたか、よろしくお願いします。