【感想・ネタバレ】歴史のなかの地震・噴火 過去がしめす未来のレビュー

あらすじ

地震研×史料編纂所――東大駒場の人気講義

3・11の津波は平安時代にも起きていた。
地震学と歴史学双方からのアプローチで
過去の災害を読み解き、未来に備える。

数百年から数千年の間隔で発生する過去の大地震や火山噴火の実態に、歴史学と地震学の連携により迫る。東日本大震災の津波は平安時代の貞観津波の再来なのか、繰り返す南海トラフの地震はどこまでわかっているのか。歴史から将来の災害予測につなげる文理融合のアプローチを紹介する。東京大学出版会創立70周年記念出版。


【主要目次】
はじめに――過去の地震・噴火を読み解く

1章 東北の地震
1-1 東日本大震災の地震と津波
1-2 平安前期の火山噴火と地震
1-3 三陸地方の歴史地震

2章 南海トラフの地震
2-1 南海トラフの巨大地震―その繰り返しの歴史を概観する
2-2 古代・中世の南海トラフの地震
2-3 宝永の地震と富士山噴火
2-4 安政の地震
2-5 地震発生の長期予測と被害予測

3章 連動する内陸地震
3-1 熊本地震と兵庫県南部地震
3-2 天正地震
3-3 文禄畿内地震
3-4 文禄豊後地震

4章 首都圏の地震
4-1 関東地方の地震のタイプと大正関東地震
4-2 中世の相模トラフの地震
4-3 元禄関東地震
4-4 安政江戸地震
4-5 関東地震の繰り返しと長期評価

5章 歴史地震研究の歩みとこれから

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Posted by ブクログ

東北地方や南海トラフで起こったプレート境界型地震と内陸の活断層で起こったプレート内地震(熊本地震、兵庫県南部地震、天正・文禄時代の地震など)、首都圏の地震(大正関東地震、安政江戸地震など)について、地震学と歴史学の研究者がその規模や被害の様子を説明したもの。関東の地下構造は複雑で、地震も地下のいろいろな所で発生するときいていたが、大正の地震はプレート間型で、安政の地震は直下型と知った。関東地方の防災では、直下型を想定することに納得。
過去の地震の発生日や規模を知ることは、長期予測や被害予測など未来を知るために必要だ。ことにプレート境界型は周期的だから、重要であろう。それには史料による評価が必要で、その信頼性が問題となることを再認識した。それは数ではなくて、質なのだ。
地震の長期予測の概要が触れられている。本書を読んだあとで地震本部のウェブを見ると、説明が少し分かるようになった気がした。

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2025年09月18日

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