あらすじ
光と影がうつろい、鳥がささやく。刻一刻と変化する日本庭園をアーカイヴすることは可能か――日本庭園を総合的に知覚するために。日本文化研究の新鋭が、現代のテクノロジーを駆使して日本庭園の知られざる側面を明らかにするとともに、その新たな姿を描く。
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Posted by ブクログ
現実世界のもの、とりわけ刻々と変化する庭園をそっくりそのままアーカイブ化するという不可能に近いことに挑戦することで、庭園らしさとは何か、庭園とはなんであるかという本質が見えてくるという発想が面白かった。
実際にプロジェクトによって作成されたWebサイトを見てみたが、ただの情報まとめサイトではなく、「庭園」を体感できるような工夫が凝らされていて、テクノロジーに携わる仕事をしている者として刺激を受けた。
また著者が、庭園の完全な代替物をつくり、もはや実物の庭園を訪れなくても良いというような未来を目指している訳ではなく、アーカイブ化することを通して庭についてよく知り、より良い体験ができることを目標としているという姿勢もエンジニアとして見習いたいと思う。
テクノロジーによって世界はどんどん便利になるが、アナログの自分の体を通した実体験は何物にも代替できないということは忘れずにいたい。