【感想・ネタバレ】学問のレビュー

あらすじ

学歴より学問を選べ!――老師ニシベ曰く、人生に必要な四点セットとは「一人の別れがたい恋愛相手と、一人の頼りがいのある親友と、一個の忘れがたい思い出と、一冊の繰り返し言及する書物」。この本が、あなたの一冊の書物となることを!

<「学問」119のキーワード>
政治・権利・義務・自治・議会・憲法・官僚制・権力・権威・コミュニティ・デモクラシー・エリート・大衆・メディア・宗教・法律・国家・天皇・日本・2.26事件・グローバリズム・イデオロギー・アメリカ合衆国・国連・国際法・ナショナリズム・国益・資本主義・市場・正義・自衛・有事・戦争・平和・終戦記念日・日米安全保障条約・ハイエク・ホイジンガ・自由・作法・知恵・伝統・公心・倫理・チェスタトン・トックヴィル・バーク・ヴィトゲンシュタイン・古代ギリシャ・家族・父・母・兄弟姉妹・学校・青春・いじめ・恋愛・進学・モラトリアム・勤労・職業・競争・友情・結婚・子供・ユーモア・対話・マナー・病い・老い・死・思春期・学生時代・学生運動・転向・実存・アウトサイダー・劣等感・パラドックス・虚無・アイデンティティ・自尊・信念・運命・愛・成人・フランス革命・ルネサンス・進歩・ヒューマニズム・人権・平等・産業革命・科学・ルソー・アダム・スミス・マルクス・ソクラテス・プラトン・キルケゴール・ニーチェ・ハイデッガー・ヤスパース・オルテガ・オークショット・福田恆存・田中美知太郎・清水幾太郎・三島由紀夫・実学・一身独立・遺産・未来・豊かさ・専門・人生・福澤諭吉・夏目漱石・小林秀雄

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Posted by ブクログ

チェスタートンなどの人物から「自由」や「権利」など日常生活で目にすることが多い言葉など全119項目について、西部邁氏が1項目2~3頁ほどで解説をしてくれている。とくに「自由」や「権利」など、概念を言語で論理的に説明することが難しく感じる言葉についての説明は、大変勉強になる。

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2013年04月19日

Posted by ブクログ

西部のごんぶと白本第一弾。こんな濃い物を一気に書き上げたとかすげー。1項目に3ページの制限が無かった方が良かったらもっと良かったのに。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

 私は西部邁氏が好きなので、この著書を買ったわけだが、私の近くにある書店では西部邁氏の著書にお目にかかることはまず無い。...西部邁氏に不満は無いが、書店には不満がある。

 本書のあとがきの要約すると、学問や教養というのは、いってみれば「象の全体像」を把握するものであり、ある対象の諸側面がどのように繋がっているかについての輪郭を浮かび上がらせる事である。それを引き受けるものをジェネラリストと呼べば、本書はジェネラリストを甦りのための微力を尽くそうとする企てにならない。....つまりはこれが本書の狙いだという事だろう。

 では何故に学問や教養が大事なのかは...実は私はよく分かっている自信は無いのだが...ともかく、「象の全体像」という言葉に着目するのならば、その象の側面だけを強調したり蝶々するだけでは、全体像を把握する事はできない。そして人間のあらゆる活動においては、政治、国際関係、道徳、社交、人生、歴史、哲学、実利...などなど、あらゆるものがそこに関わってくる。
 
 そこでとある現実が差し迫った時、またそうした事態が予測されうる時に、一側面の知識だけでは不十分である。そこで否応無く、全体的な知識が要請される。それを端的に言い換えると、スペシャリストのみならずジェネラリストとなろうと努めようとするのが、言わば人間の宿命だという事である...と思う。

 また<ニヒリズムは「ない」ということであって、何がないのかといえば、真の基準も善の基準も美の基準もないということだ(P261)>だという事であり、それらの基準が歴史や人生経験や自分と他者の違い...などといったものから運ばれると考え、ニヒリズム(虚無主義)が虚無を招くものであるのだとすれば、全体像ではなく一側面に過剰にこだわるのは、精神衛生上によろしくないという話にもなってくるのではないかと思う。

 ともかく、本書がジェネラリストの甦りのための企てだという事ならば、そのジェネラリストの不在的状況を憂え、警告的に唱えているのが、この西部邁氏だということではあるのだろう。

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2009年10月04日

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