あらすじ
相手が話している時に、つい頭の中で反論を組み立てたり、答えを探したりしてしまった経験のあるすべての人へ。
アパルトヘイト後の南アフリカの政権以降、コロンビアの内戦、虐殺の余波の残るグアテマラ……
世界50カ国以上で、企業の役員、政治家、軍人、ゲリラ、市民リーダー、コミュニティ活動家、国連職員など、異なる意見を持つ人々と共に数々の困難な問題に取り組んできた世界的ファシリテーターが目の当たりにしてきた数々のストーリーから浮かび上がる、シンプルだけど難しいオープンに聞き、話すことの力。
15年以上読みつがれてきた不朽の名作が、完全新訳&解説つきで装い新たに復刊。
多様な意見が溢れる今だからこそ読みたい、原点の一冊。
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Posted by ブクログ
アダム・カヘンの最初の本の新訳版。
前の翻訳は2008年に出たということで、私は出てすぐ読んで、その後再読していないので、15年振りということになる。
旧訳と比較してないので、どこがどう変わったかはわからないが、全体として読みやすくなった印象をもった。
もちろん、その後のアダムの本やU理論などなどを読んだり、ワークショップに参加したり、いろいろしたので、「そうそう」みたいな感じで読みやすく感じたのかもしれない。
いくつか自分の理解が十分でなかったところで、改めて理解が進んだ概念もいくつかあった。(「ディベート」に関する部分とか)
本は、理論的というより、さまざまなエピソードを紹介しながら、ストーリー的に語られているので、読みやすい感じはするのだけど、全体としてどういうフレームになるのかはややわかりにくい。
その辺りのところを訳者が解説で、U理論のフレームに当てはめ直して、全体を整理してくれているので、スッキリする。この解説のためだけでも、読む価値がありそう。
著者のファシリテーションは、その後、「愛」「力」「公義」の三位一体論に発展するわけだが、この本は、その入り口、とくに「愛」を中心に語られているということになる。
しかし、改めて、三位一体論を頭にいれて読むと、明確に概念整理はされていないものの、そこにつながっていく話しはあって、面白かった。
カヘンは、静的なフレームワークの中でファシリテーションする人ではなく、なんか軸の極を行ったり来たりしながら、ダイナミックに前進していくような人なんだろうなと思った。