あらすじ
9月1日公開の映画「こんにちは、母さん」を気鋭の作家が小説化!
監督:山田洋次 出演:吉永小百合 大泉洋 永野芽郁 ほか
足袋職人の実家に馴染めず、会社人間として生きてきた神崎昭夫は、
リストラ担当の総務部部長として神経をすり減らす日々。
家では妻から離婚を迫られている。
人生に戸惑いを覚えた昭夫がたどり着いた先は、
母の福江が一人住む東京・下町の我が家だった。
だが久しぶりの母の家での出来事が、傷心の昭夫をさらに悩ませる。
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Posted by ブクログ
「今の神崎の状況について、俺の口からは何も言えない。けれどな、とにかく、じぶんの頭で考えるんだよ。うまいやり方を探すんじゃない。今の神崎だけができることを、神崎の頭を使って考えるんだ。そして考え抜いたら、それを伝えに行くんだよ。じぶんの言葉でな。俺たちにできることは、神崎、てだそれだけなんだ」
望まない方向へと向かわせているものは、一体何なのか。
「じぶんの頭で考えるんだ」
育てているはずの親が、むしろ子どもの方から、多くのことを教わっている。舞がまだ幼い頃には、日々、そんな風に感じて過ごしていた気がする。そう感じなくなったのはきっと、舞が変わったためではなかった。いつの頃からか自分たち 親の方が、舞にたくさんのことを教えなければいけない、正しい道を示してやらなくちゃいけないと、姿勢を変えてしまったのだと思った。